建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第50回(令和2年度(2020年))
問180 (ねずみ、昆虫等の防除 問180)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第50回(令和2年度(2020年)) 問180(ねずみ、昆虫等の防除 問180) (訂正依頼・報告はこちら)

害虫や薬剤に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 害虫の薬剤に対する抵抗性の発達を抑制するために、作業機構の異なる薬剤のローテーション処理を行う。
  • 有機塩素系の殺虫成分を含有する製剤が、ハエ類の駆除に用いられている。
  • 炭酸ガス製剤は、有機溶剤に溶解させた有効成分を液化炭酸ガスと混合した製剤である。
  • 昆虫等に対する不快感の程度は、第三者による客観的な判断が困難である。
  • メイガ類の幼虫は、小麦粉で作られた菓子を加害することがある。

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この過去問の解説 (2件)

01

最も不適当なのは「炭酸ガス製剤は、有機溶剤に溶解させた有効成分を液化炭酸ガスと混合した製剤である。」です。

炭酸ガス製剤(CO₂スプレー)は、有効成分をそのまま液化炭酸ガスに溶解・分散させたエアゾールであり、可燃性の有機溶剤をほとんど、またはまったく含みません。したがって「有機溶剤に溶解させた有効成分を液化炭酸ガスと混合した」という説明は誤りです。

選択肢1. 害虫の薬剤に対する抵抗性の発達を抑制するために、作業機構の異なる薬剤のローテーション処理を行う。

同じ作用機序の薬剤を連用すると抵抗性が出やすくなるため、ローテーションは基本的な抵抗性対策です。適当。

選択肢2. 有機塩素系の殺虫成分を含有する製剤が、ハエ類の駆除に用いられている。

有機塩素系の殺虫成分を含有する製剤は、ハエ類の駆除に用いられています。適当。

選択肢3. 炭酸ガス製剤は、有機溶剤に溶解させた有効成分を液化炭酸ガスと混合した製剤である。

実際は有機溶剤を使わず、CO₂自体が溶剤兼噴射剤として機能します。不適当。

選択肢4. 昆虫等に対する不快感の程度は、第三者による客観的な判断が困難である。

「不快」という感覚は個人差が大きく、数値化が難しいため客観評価が困難という指摘は妥当です。適当。

選択肢5. メイガ類の幼虫は、小麦粉で作られた菓子を加害することがある。

ノシメマダラメイガなどが粉製品や菓子類を食害する事例は多数あります。適当。

まとめ

炭酸ガス製剤=有機溶剤フリーがポイント。可燃性リスクを下げるために採用されています。

抵抗性対策は“作用機序のローテーション”が基本、メイガ被害は粉製品で起こりやすい――など、各選択肢の背景知識を整理すると誤答を見分けやすくなります。

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02

この問題は、衛生害虫の防除や殺虫剤の基礎知識について問う問題です。薬剤の分類や製剤の特徴、害虫の生態、さらには薬剤抵抗性対策まで、幅広い知識が必要になります。特に、現在では使用が制限されている薬剤や、食品害虫として知られる昆虫の特徴は頻出分野です。単に名称を暗記するだけではなく、なぜその薬剤が使われなくなったのか、どのような場面で害虫が問題となるのかを理解しておくことが重要です。

選択肢1. 害虫の薬剤に対する抵抗性の発達を抑制するために、作業機構の異なる薬剤のローテーション処理を行う。

適切です。害虫は同じ薬剤を繰り返し使用すると、その薬剤に耐性を持つ個体が生き残り、世代交代を通じて抵抗性集団が形成されることがあります。このため、作用機構の異なる薬剤を交互に使用する「ローテーション処理」が有効です。例えば、有機リン系、ピレスロイド系、昆虫成長制御剤(IGR)などを適切に組み合わせることで、特定薬剤への依存を避け、抵抗性の発達を遅らせることができます。衛生害虫防除では非常に重要な考え方です。

選択肢2. 有機塩素系の殺虫成分を含有する製剤が、ハエ類の駆除に用いられている。

適切です。有機塩素系殺虫剤にはDDTやリンデンなどがありますが、これらは環境残留性が高く、生物濃縮や人体への影響が問題視され、現在では多くが使用禁止または厳しく制限されています。現代の衛生害虫防除では、ハエ類の駆除に一般的に使用されているのはピレスロイド系や有機リン系などであり、有機塩素系製剤は通常用いられていません。そのため、この記述は実態に合わず不適当です。

選択肢3. 炭酸ガス製剤は、有機溶剤に溶解させた有効成分を液化炭酸ガスと混合した製剤である。

不適切です。炭酸ガス製剤は、液化炭酸ガスの圧力を利用して有効成分を微粒子として噴射する製剤ですが、有効成分を必ず有機溶剤に溶解させるものではありません。有効成分は用途に応じて水や他の溶媒などを用いる場合もあり、「有機溶剤に溶解させた有効成分を液化炭酸ガスと混合した製剤である」という限定的な表現は誤りです。

選択肢4. 昆虫等に対する不快感の程度は、第三者による客観的な判断が困難である。

適切です。昆虫に対する不快感は、人によって感じ方が大きく異なります。例えば、小さな虫でも強い嫌悪感を抱く人もいれば、ほとんど気にしない人もいます。このような感覚的評価は、騒音や悪臭の問題と同様に主観的要素が強く、客観的な基準だけで評価することが難しい特徴があります。そのため、ニューサンスペスト(不快害虫)の管理では、利用者や居住者の感覚への配慮も重要になります。

選択肢5. メイガ類の幼虫は、小麦粉で作られた菓子を加害することがある。

適切です。メイガ類にはノシメマダラメイガなどの食品害虫が含まれます。これらの幼虫は、小麦粉、米、穀類、菓子類、乾燥食品などを加害し、食品工場や家庭内でも問題となります。特に小麦粉を原料とした菓子や乾麺、シリアルなどは被害を受けやすく、幼虫が混入すると衛生上の問題だけでなく商品価値の低下にもつながります。食品保管場所では温湿度管理や密閉保管が重要です。

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