建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問47 (空気環境の調整 問47)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問47(空気環境の調整 問47) (訂正依頼・報告はこちら)

結露に関する次の文章の(   )内に入る語句の組合せとして、最も適当なものはどれか。

暖房時の壁体の内部や表面での結露を防止するには、壁体内において、水蒸気圧の( ア )側に( イ )の低い( ウ )を設けることが有効である。
  • ア:高い  イ:熱伝導率   ウ:断熱材
  • ア:高い  イ:湿気伝導率  ウ:防湿層
  • ア:低い  イ:湿気伝導率  ウ:防湿層
  • ア:低い  イ:熱伝導抵抗  ウ:断熱材
  • ア:低い  イ:湿気伝導率  ウ:断熱材

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この過去問の解説 (1件)

01

選ぶべき組合せはア:高い/イ:湿気伝導率/ウ:防湿層です。
理由は、暖房時は室内側の水蒸気圧が高いため、その側(室内側)に湿気を通しにくい防湿層(=湿気伝導率が低い層)を設けて、水蒸気が壁体内へ入りこむのを抑えるのが基本だからです。これにより、壁の内部や表面での結露を防ぎやすくなります。

選択肢1. ア:高い  イ:熱伝導率   ウ:断熱材

熱の通しにくさ(断熱)は表面温度の低下を防ぐ助けになりますが、ここで重要なのは湿気の移動を止めることです。防湿層ではなく断熱材を挙げているため、結露対策としての要点が外れています。

選択肢2. ア:高い  イ:湿気伝導率  ウ:防湿層

適切です。暖房時は室内側が水蒸気圧の高い側です。その側に湿気伝導率の低い(=湿気を通しにくい)防湿層を設けるのが原則です。壁体内への水蒸気の侵入を抑え、内部結露の発生を防ぎます。

選択肢3. ア:低い  イ:湿気伝導率  ウ:防湿層

水蒸気圧の低い側(主に屋外側)に防湿層を置くと、室内側から来た水蒸気が途中で閉じ込められ、かえって内部結露を起こしやすくなります。不適切です。

選択肢4. ア:低い  イ:熱伝導抵抗  ウ:断熱材

水蒸気圧の側の指定が誤りで、しかも焦点がになっています。結露防止の第一歩は湿気の拡散を抑える防湿であり、ここではポイントがずれています。不適切です。

選択肢5. ア:低い  イ:湿気伝導率  ウ:断熱材

水蒸気圧の側の指定が誤りで、さらに断熱材では湿気の通過を十分に止められません。防湿層が必要です。不適切です。

まとめ

暖房時は室内側の水蒸気圧が高いため、高い側(室内側)に湿気伝導率の低い防湿層を設け、壁体内への水蒸気の侵入を抑えることが内部結露の基本対策です。さらに、防湿層の外側に断熱材を配置すると、壁内や表面の温度低下を抑え、表面結露の予防にもつながります。設計の原則は、高圧側に防湿、外側に断熱です。

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