建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第52回(令和4年度(2022年))
問30 (建築物の環境衛生 問30)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第52回(令和4年度(2022年)) 問30(建築物の環境衛生 問30) (訂正依頼・報告はこちら)

アスベストに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 自然界に存在する繊維状の水和化したケイ酸塩鉱物の総称である。
  • 健康障害はアスベスト製品製造工場の従業員に限られていない。
  • 肺がんに対して喫煙との相乗作用が疫学的に示唆されている。
  • 労働安全衛生法、大気汚染防止法、建築基準法等により法規制が設けられている。
  • 現在、試験研究を除き使用禁止であり、現存の建築物には残っていない。

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この過去問の解説 (2件)

01

アスベスト(石綿)は断熱性、耐熱性、絶縁性に優れており

かつては建築材料などに積極的に使用されていました。

しかし、肺がんや悪性中皮腫など重大疾患の原因であることが

判明し、社会問題化したため現在は製造、使用が禁止されています。

選択肢1. 自然界に存在する繊維状の水和化したケイ酸塩鉱物の総称である。

不正解です。

アスベストは自然界に存在する繊維状の鉱物です。

クリソタイル、アモサイト、クロシドライトなどがあり

それらを総称してアスベストといいます。

選択肢2. 健康障害はアスベスト製品製造工場の従業員に限られていない。

不正解です。

アスベストの健康障害は、製造工場の従業員以外にも

アスベストを使った建築物の作業者や

解体業者などにも広がっています。

選択肢3. 肺がんに対して喫煙との相乗作用が疫学的に示唆されている。

不正解です。

アスベストは肺がんに対して喫煙との

相乗作業が疫学的に示唆されています。

選択肢4. 労働安全衛生法、大気汚染防止法、建築基準法等により法規制が設けられている。

不正解です。

アスベストは肺がんなどの疾患の影響になることが

認められたため、法規制で現在では製造、使用を禁止されています。

選択肢5. 現在、試験研究を除き使用禁止であり、現存の建築物には残っていない。

正解です。

古い建物には現在にもアスベストは残っており、

解体作業時には飛散をふさがなくてはいけません。

まとめ

現在は製造、使用されていませんが

アスベストによる健康被害を訴える方はいらっしゃいます。

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02

正解は、「現在、試験研究を除き使用禁止であり、現存の建築物には残っていない。」です。

 

この問題は、アスベスト(石綿)に関するものです。

アスベストは天然の繊維状ケイ酸塩鉱物で、耐熱性・耐薬品性に優れるため、

過去に建材として広く使用されました。

しかし、吸入による健康障害(石綿肺、肺がん、中皮腫)が問題となり、

日本では2006年に原則使用禁止、2012年に全面禁止となりました。

ただし、既存の建築物には依然として残存しており、解体や改修時には、

飛散防止措置が義務付けられています。

選択肢1. 自然界に存在する繊維状の水和化したケイ酸塩鉱物の総称である。

正しいです。アスベストは天然鉱物で、クリソタイル(白石綿)、アモサイト(茶石綿)、

クロシドライト(青石綿)などが代表です。これらは繊維状で柔軟性があり、

耐熱性・耐摩耗性に優れるため、過去に断熱材、吹付け材、パッキンなどに利用されました。

ケイ酸塩鉱物であり、水和構造を持つため、加工しやすい特徴があります。

選択肢2. 健康障害はアスベスト製品製造工場の従業員に限られていない。

正しいです。アスベストによる健康被害は、製造工場の労働者だけでなく、

建築現場の作業員、解体業者、さらには周辺住民にも及びます。

飛散した微細繊維を吸入することで、

石綿肺、肺がん、中皮腫などの疾患を引き起こします。

曝露から発症まで数十年の潜伏期間があるため、

過去の使用による影響が現在も続いています。

選択肢3. 肺がんに対して喫煙との相乗作用が疫学的に示唆されている。

正しいです。アスベスト曝露と喫煙は、

肺がん発症リスクを相乗的に高めることが疫学的に確認されています。

単独曝露よりも、両方の要因が重なることでリスクが数倍に増加します。

喫煙による気道防御機能低下と、アスベスト繊維の発がん性が、

相互に作用するためです。

選択肢4. 労働安全衛生法、大気汚染防止法、建築基準法等により法規制が設けられている。

正しいです。日本では、アスベストの使用・除去・廃棄に関して、

複数の法律で規制されています。

労働安全衛生法では作業基準や防護措置、

大気汚染防止法では飛散防止義務、

建築基準法では使用禁止や改修時の届出義務が、

定められています。

 

選択肢5. 現在、試験研究を除き使用禁止であり、現存の建築物には残っていない。

不適当です。日本では2012年以降、アスベストの製造・使用は全面禁止されていますが、

過去に建築された建物には依然としてアスベスト含有建材が残っています。

吹付け材、断熱材、スレートなどが典型例で、

解体や改修時には、飛散防止措置が義務付けられています。

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