建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第52回(令和4年度(2022年))
問95 (建築物の構造概論 問95)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第52回(令和4年度(2022年)) 問95(建築物の構造概論 問95) (訂正依頼・報告はこちら)

建築物とその構造に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 木造住宅の法定耐用年数は、22年である。
  • 剛性率は、骨組の立面的なバランスを表す指標である。
  • 制振構造は、建築物の長寿命化と耐久性の向上に寄与する。
  • 耐震改修には、地震に対する安全性の向上のための模様替が含まれる。
  • 層間変形角は、各階の層の高さをその層間変位で除した値である。

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この過去問の解説 (2件)

01

建築物とその構造に関する問題です。

それぞれの語句と、語句の意味を押さえましょう。

選択肢1. 木造住宅の法定耐用年数は、22年である。

法定耐用年数とは、土地や建物の購入費用を何回かに分けて、費用として会計の処理をするときの計算用の年数であり、住宅ローンの審査などでも用いられる計算用の数字ということになります。

住宅の寿命とは全く関係のない数字になります。

ちなみに木造住宅の法定耐用年数は22年です

選択肢2. 剛性率は、骨組の立面的なバランスを表す指標である。

剛性率とは、骨組の立体的なバランスを表す値であり、住宅などの建物に使われる材料のしなやかさを表す値で、材料のズレや変形に対する、抵抗の大きさを表しています。

建築基準法では、高さ13m超または軒の高さ9m超の木造建築物をはじめとする特定建築物(高さ31m以下)に関して、剛性率は0.6以上であることと定められています。

選択肢4. 耐震改修には、地震に対する安全性の向上のための模様替が含まれる。

大きな地震に耐えられるかを調べた結果、耐震性に問題があると思われる建築物は、適切な補強工事(耐震改修)を行う必要があります。

耐震改修に、地震に対する安全性の向上のための模様替えも含まれます。

選択肢5. 層間変形角は、各階の層の高さをその層間変位で除した値である。

地震に被災したときの建物は、下の階に対して、上の階が水平に移動して変形します。

この変形(元の位置から移動した)の量を、対象の1フロアの床から天井までの高さで割った値を、層間変形角といいます。

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02

正解は、「層間変形角は、各階の層の高さをその層間変位で除した値である。」です。

この問題は、建築物とその構造に関するものです。

木造住宅の法定耐用年数は税法上22年であり、

これは建物の構造的寿命とは異なりますが、税務上の基準として広く用いられています。

剛性率は建物の立面的なバランスを示す重要な指標で、

耐震設計において偏心やねじれを評価する際に用いられます。

制振構造は地震時の揺れを低減し、建物の損傷を抑えることで長寿命化に寄与します。

また、耐震改修には模様替え(間取り変更)を含む場合があり、

これは耐震壁の追加や開口部の変更などが伴うためです。

一方、層間変形角は「層間変位 ÷ 層高さ」です。

選択肢1. 木造住宅の法定耐用年数は、22年である。

正しいです。

木造住宅の法定耐用年数は、

税法(減価償却資産の耐用年数表)において22年と定められています。

これは建物の実際の寿命ではなく、税務上の減価償却を行うための基準年数です。

実際の木造住宅は、適切な維持管理を行えば30年、40年、

あるいはそれ以上使用されることも珍しくありません。

しかし、税務上は構造種別に応じて耐用年数が定められており、

木造は22年、軽量鉄骨造は19〜34年、鉄筋コンクリート造は47年などと規定されています。

選択肢2. 剛性率は、骨組の立面的なバランスを表す指標である。

正しいです。

剛性率とは、建物の各階の水平剛性のバランスを評価する指標で、

特に耐震設計において重要です。

建物の立面方向(高さ方向)で、ある階だけ極端に弱い場合、

地震時にその階が大きく変形し、層崩壊を起こす危険があります。

これを防ぐため、建築基準法施行令では剛性率に関する規定が設けられています。

一般に、ある階の剛性が上下階に比べて著しく小さい場合、

剛性率が低くなり、耐震性能が不足しています。

選択肢3. 制振構造は、建築物の長寿命化と耐久性の向上に寄与する。

正しいです。

制振構造は、

ダンパー(粘性ダンパー、オイルダンパー、鋼材ダンパーなど)を用いて、

地震時の揺れを吸収・低減する構造方式です。

地震エネルギーを建物の変形ではなく、ダンパーに吸収させることで、

構造体の損傷を大幅に抑えることができます。

その結果、地震後の補修が少なくて済み、建物の長寿命化・耐久性向上に寄与します。

選択肢4. 耐震改修には、地震に対する安全性の向上のための模様替が含まれる。

正しいです。

耐震改修は、既存建築物の耐震性能を向上させるための工事であり、

耐震壁の追加、開口部の縮小、柱・梁の補強、基礎補強などが含まれます。

これらの工事は、建物内部の間取り(模様替え)に影響することが多く、

耐震壁を新たに設置するために部屋のレイアウトを変更するケースもあります。

 

選択肢5. 層間変形角は、各階の層の高さをその層間変位で除した値である。

不適当です。

層間変形角は、地震時に建物がどれだけ変形するかを示す重要な指標で、

層間変位÷層高さで定義されます。

層高さを分子にするのではなく、層間変位を分子にします。

層間変形角が大きいほど建物の変形が大きく、耐震性能が不足している可能性があります。

建築基準法では、層間変形角の上限が用途や構造種別に応じて規定されており、

これを超えると構造的に危険と判断します。

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