建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第54回(令和6年度(2024年))
問94 (建築物の構造概論 問4)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第54回(令和6年度(2024年)) 問94(建築物の構造概論 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

鉄骨構造とその材料に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 鋼材の強度は温度上昇とともに低下し、1,000°Cではほとんど零となる。
  • 鉄骨構造の床には、デッキプレートなどが用いられる。
  • 鉄骨構造に使用される鋼材には、形鋼、平鋼、鋼板等の種類がある。
  • 鋼材は、炭素量が増すと靭(じん)性が向上する。
  • 鉄骨構造は、部材の接合によってラーメン構造、トラス構造等に大別できる。

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この過去問の解説 (3件)

01

鉄骨構造とその材料に関する問題です。

構造とその材料の性質について理解しましょう。

選択肢1. 鋼材の強度は温度上昇とともに低下し、1,000°Cではほとんど零となる。

誤:鋼材の強度は温度上昇とともに低下します。

1000℃でほぼ零となります。

450℃で半減し、腐食にも弱くなります。

選択肢2. 鉄骨構造の床には、デッキプレートなどが用いられる。

誤:鉄骨構造の床は、デッキプレート等が用いられています。

選択肢3. 鉄骨構造に使用される鋼材には、形鋼、平鋼、鋼板等の種類がある。

誤:鉄骨構造に使用される鋼材は、形鋼、平鋼、鋼板等に分類されます。

選択肢4. 鋼材は、炭素量が増すと靭(じん)性が向上する。

正:鋼材は、炭素量が増加すると靭性が低下します。

鋼材には0.02~2.1%の炭素が含まれて強度を増しています。

2.1%以上は鋳鉄と呼ばれます。

6.7%を超えると逆に脆くなります。

選択肢5. 鉄骨構造は、部材の接合によってラーメン構造、トラス構造等に大別できる。

誤:鉄骨構造は、部材の接合によりラーメン構造、トラス構造に大別されます。

ラーメン構造は、柱と梁を水平と垂直に接合し剛性を高めています。

トラス構造は、三角形になるよう骨組みされて変形しにくくなります。

まとめ

鉄骨構造とその材料の性質についての問題でした。

構造・性質を理解して管理の現場で役立てていきましょう。

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02

正解は、「鋼材は、炭素量が増すと靭(じん)性が向上する。」です。

 

この問題は、鉄骨構造とその材料に関するものです。

鋼材は高温になるほど降伏強度・弾性係数が低下し、

火災時には短時間で耐力を失うため耐火被覆が必要になります。

鉄骨床にはデッキプレートを用いた合成スラブなどが一般的で、

施工性・経済性に優れます。

使用鋼材は形鋼・鋼板・平鋼など多様で、

部材接合の仕方によりラーメン(剛接合)やトラス(ピン接合主体)などに大別されます。

一方、炭素量が増すと,強度・硬さは向上しますが、延性・靭性は低下します。

選択肢1. 鋼材の強度は温度上昇とともに低下し、1,000°Cではほとんど零となる。

正しいです。高温下では鋼材の降伏強度・引張強度・弾性係数が著しく低下します。

火災設計では、約600°C前後で常温時の耐力の半分以下になることが一般的な評価で、

1000°C付近では実用的な構造耐力を期待できません。

このため鉄骨は耐火被覆や合成スラブで熱影響を緩和します。

選択肢2. 鉄骨構造の床には、デッキプレートなどが用いられる。

正しいです。鉄骨造の床は、鋼製デッキプレートとコンクリートを組み合わせた、

合成スラブが広く用いられます。

デッキは型枠兼用で施工性が高く、リブ形状によりコンクリートとの合成効果が得られ、

曲げ耐力・剛性の向上に寄与します。

鉄骨梁にデッキを載せることで工期短縮・仮設削減が可能です。

選択肢3. 鉄骨構造に使用される鋼材には、形鋼、平鋼、鋼板等の種類がある。

正しいです。鉄骨構造で用いられる鋼材は多様で、

H形鋼、I形鋼、溝形鋼、角形鋼管などの形鋼類、

帯板状の平鋼、厚板・薄板としての鋼板が代表的です。

骨組の主部材(柱・梁)にはH形鋼や鋼管が使われ、

接合部補強やプレートガーダーには鋼板が用いられます。

選択肢4. 鋼材は、炭素量が増すと靭(じん)性が向上する。

不適当です。炭素量の増加は、一般に鋼の強度・硬さ(焼入性)を高めますが、

延性・靭性(破壊抵抗)は低下させます。

高炭素は脆性破壊のリスクを高め、溶接性も悪化します。

構造用鋼では、低炭素ベースにマンガン・ニッケル等の合金元素や、

微細化処理で強靭化を図ります。

選択肢5. 鉄骨構造は、部材の接合によってラーメン構造、トラス構造等に大別できる。

正しいです。鉄骨の骨組は、接合条件と力の伝達様式により大別されます。

梁・柱の接合を剛接合(モーメント伝達)とするラーメン構造は、

水平力に対して曲げで抵抗し、剛性・変形制御に優れます。

節点をピン接合主体としたトラス構造は、部材が主に軸力で抵抗する合理的な架構で、

大スパン屋根などに用いられます。

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03

鉄骨構造は、柱や梁などの主要部材に鋼材を使用する構造で、材料そのものの性質や部材の形状、接合方法について理解することが重要です。鋼材は常温では高い強度と靭性を備えていますが、高温になると強度が低下します。また、炭素量の増加によって硬さや強度は増す一方、粘り強さや加工性は低下する傾向があります。最も不適当なのは、炭素量と靭性の関係について述べた記述です。

選択肢1. 鋼材の強度は温度上昇とともに低下し、1,000°Cではほとんど零となる。

適切です。鋼材は常温では高い強度を持ちますが、加熱されると次第に強度や剛性が低下します。特に火災時のような高温環境では、柱や梁が通常時の荷重を支えられなくなる危険があります。1,000°C付近まで温度が上昇すると、建築構造材として期待できる強度は極めて小さくなります。このため、鉄骨造の建築物では耐火被覆などによって鋼材の急激な温度上昇を防ぐ対策が重要です。

選択肢2. 鉄骨構造の床には、デッキプレートなどが用いられる。

適切です。デッキプレートは、波形などに成形された薄い鋼板で、鉄骨造の床を構成する材料として広く使用されています。施工時には床型枠の役割を果たし、その上にコンクリートを打設して床を形成する方法が一般的です。型枠の組立てや撤去作業を減らすことができるため、施工の省力化や工期短縮につながります。鉄骨造と相性がよく、中高層建築物の床などに多く採用されています。

選択肢3. 鉄骨構造に使用される鋼材には、形鋼、平鋼、鋼板等の種類がある。

適切です。鉄骨構造では、使用する部位や必要な強度に応じてさまざまな形状の鋼材を使い分けます。形鋼にはH形鋼、山形鋼、溝形鋼などがあり、柱や梁、筋かいなどに使用されます。平鋼は断面が平らな帯状の鋼材で、補強材や接合部などに用いられます。鋼板も柱や梁の部材、接合部の補強など幅広い用途があります。このため、形鋼、平鋼、鋼板はいずれも鉄骨構造を構成する代表的な鋼材です。

選択肢4. 鋼材は、炭素量が増すと靭(じん)性が向上する。

不適切です。鋼材は一般に炭素量が増えると硬さや引張強さが増す一方、靭性や延性、溶接性は低下する傾向があります。靭性とは、材料が衝撃や大きな力を受けたときに、簡単に破壊せず粘り強く抵抗する性質です。炭素量が多くなると鋼材は硬くなるものの、もろくなりやすくなります。したがって、炭素量が増すことで靭性が向上するとする説明は、鋼材の一般的な性質とは逆であり不適切です。

選択肢5. 鉄骨構造は、部材の接合によってラーメン構造、トラス構造等に大別できる。

適切です。鉄骨構造では、柱や梁などの部材をどのように組み合わせ、接合するかによって構造形式が異なります。ラーメン構造は、柱と梁を剛接合して骨組全体で地震力や風圧力などに抵抗する構造です。一方、トラス構造は、細長い部材を三角形状に組み合わせ、主として部材に生じる引張力や圧縮力によって荷重を支えます。建物の用途や規模、必要な空間などに応じて、これらの構造形式が選択されます。

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