建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第54回(令和6年度(2024年))
問109 (給水及び排水の管理 問4)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第54回(令和6年度(2024年)) 問109(給水及び排水の管理 問4) (訂正依頼・報告はこちら)

塩素消毒の特徴に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 多量な水に対する取扱いと定量注入が容易である。
  • 窒素化合物と反応すると消毒効果が減少する。
  • 塩素剤の残留の確認と濃度の定量が簡単にできる。
  • 有害な有機塩素化合物を減少させる。
  • アルカリ側で消毒効果が急減する。

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この過去問の解説 (3件)

01

塩素消毒に関する問題です。

塩素といっても、実際は次亜塩素酸ナトリウムです。

プール付近で感じる異臭の正体です。

選択肢1. 多量な水に対する取扱いと定量注入が容易である。

誤:多量の水に対する取り扱いと定量注入が可能です。

浄水場で主に行われている方法です。

選択肢2. 窒素化合物と反応すると消毒効果が減少する。

誤:窒素酸化物と反応すると消毒効果が薄れます。

塩素系洗剤と酸化性洗剤を混合させると消毒効果は減少することになります。

選択肢3. 塩素剤の残留の確認と濃度の定量が簡単にできる。

誤:塩素剤の残留の確認と濃度の定量はDPD剤を用いて試験管中で反応して発色します。

その具合から濃度を特定できます。

選択肢4. 有害な有機塩素化合物を減少させる。

正:有機塩素化合物と反応して消毒効果が減少します。

選択肢5. アルカリ側で消毒効果が急減する。

誤:そもそも次亜塩素酸ナトリウムは強アルカリの物質のためにアルカリ側で作用しています。

まとめ

塩素自体よりも次亜塩素酸ナトリウムの性質を理解した方が理解が深まると思います。

塩素系の洗剤といえばこれが含まれているということです。

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02

正解は、「有害な有機塩素化合物を減少させる。」です。

 

この問題は、塩素消毒の特徴に関するものです。

塩素は多量の水に対しても容易に定量注入でき、

残留塩素の測定も簡便であるため管理性に優れています。

しかし、アンモニアなど窒素化合物と反応するとクロラミンを生成し、消毒効果が低下します。

また、塩素の消毒効果はpHに依存し、アルカリ側では次亜塩素酸イオンの割合が増えて効果が急減します。

塩素消毒はむしろ水中の有機物と反応して、

トリハロメタンなどの有害な有機塩素化合物を生成する可能性があります。

選択肢1. 多量な水に対する取扱いと定量注入が容易である。

正しいです。塩素は液体や気体の形で供給され、

注入装置を用いて大量の水に対しても容易に定量注入できます。

水道事業や浄水場では、流量に応じて自動的に塩素を添加するシステムが整備されており、

安定した消毒効果を得ることが可能です。

選択肢2. 窒素化合物と反応すると消毒効果が減少する。

正しいです。塩素はアンモニアなど窒素化合物と反応してクロラミンを生成します。

クロラミンは塩素に比べて消毒力が弱く、殺菌効果が減少します。

これにより、残留塩素が存在していても、

十分な消毒効果が得られない場合があります。

選択肢3. 塩素剤の残留の確認と濃度の定量が簡単にできる。

正しいです。残留塩素は比色法や試薬を用いて簡便に測定でき、

現場で迅速に確認可能です。

DPD法などが代表的で、残留塩素濃度を定量的に把握することができます。

これにより消毒効果の維持や水質管理が容易になります。

選択肢4. 有害な有機塩素化合物を減少させる。

不適当です。塩素消毒は水中の有機物と反応して、

トリハロメタンなどの有機塩素化合物を生成する可能性があります。

これらは発がん性など健康への悪影響が懸念されるため、

水質基準で規制されています。

選択肢5. アルカリ側で消毒効果が急減する。

正しいです。塩素の消毒効果はpHに依存します。

酸性側では次亜塩素酸(HOCl)が主体となり強い殺菌力を発揮しますが、

アルカリ側では次亜塩素酸イオン(OCl⁻)が増え、

消毒効果が急減します。

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03

塩素消毒は、水道水や排水などの消毒に広く利用されている方法です。塩素を水に加えると、強い殺菌作用をもつ次亜塩素酸などが生じ、細菌やウイルスなどを不活化します。比較的安価で、大量の水を連続的に処理しやすく、残留塩素を測定して消毒状態を管理できることが大きな特徴です。一方、アンモニアなどとの反応やpHの影響を受けるほか、有機物との反応によって有害な消毒副生成物を生じる場合があります。

選択肢1. 多量な水に対する取扱いと定量注入が容易である。

適切です。塩素消毒は、水道や大規模な給水設備など、大量の水を連続して処理する用途に適しています。次亜塩素酸ナトリウムなどの塩素剤は、注入ポンプなどを使用して必要量を一定の割合で加えることができ、水量に応じた注入量の調整も比較的容易です。このため、処理水量が多い施設でも安定した消毒管理を行いやすく、実用性の高い消毒方法として広く採用されています。

選択肢2. 窒素化合物と反応すると消毒効果が減少する。

適切です。水中にアンモニアなどの窒素化合物が存在すると、注入された塩素の一部がこれらと反応してクロラミンなどの結合残留塩素を生成します。一般に、遊離残留塩素として存在する次亜塩素酸は強い消毒作用を示しますが、クロラミンの消毒作用はそれより弱く、作用する速度も遅くなります。そのため、窒素化合物を多く含む水では塩素が消費され、同じ塩素注入量でも期待する消毒効果が得られにくくなる場合があります。

選択肢3. 塩素剤の残留の確認と濃度の定量が簡単にできる。

適切です。塩素消毒では、消毒後の水に残っている塩素を「残留塩素」として測定できることが大きな利点です。例えばDPD法では、試薬を加えたときの発色を利用して残留塩素濃度を比較的簡単に測定できます。残留塩素を確認することで、塩素が適切に注入され、消毒効果が維持されているかを管理できます。このように、現場で消毒状態を確認しやすいことも、塩素消毒が広く利用される理由の一つです。

選択肢4. 有害な有機塩素化合物を減少させる。

不適切です。塩素消毒は、有害な有機塩素化合物を減少させる方法ではなく、水中の有機物と塩素が反応することによって、トリハロメタンなどの消毒副生成物が生成する場合があります。特に原水中に塩素と反応しやすい天然有機物などが多く含まれていると、こうした物質の生成が問題となります。そのため、水処理では消毒効果を確保すると同時に、塩素注入量や有機物の除去などを適切に管理し、消毒副生成物の生成を抑えることが重要です。

選択肢5. アルカリ側で消毒効果が急減する。

適切です。塩素を水に加えると、主に次亜塩素酸と次亜塩素酸イオンの形で存在し、その割合は水のpHによって変化します。pHが低い側では殺菌力の強い次亜塩素酸の割合が高くなりますが、アルカリ側になるほど殺菌力が比較的弱い次亜塩素酸イオンの割合が増加します。その結果、同じ量の塩素を加えた場合でも、pHが高くなるにつれて消毒作用が低下します。このため、塩素消毒では水のpHも重要な管理項目となります。

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