建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第48回(平成30年度(2018年))
問64 (空気環境の調整 問64)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第48回(平成30年度(2018年)) 問64(空気環境の調整 問64) (訂正依頼・報告はこちら)

同じ冷凍能力の蒸気圧縮冷凍機と比較した場合の吸収冷凍機の利点に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 冷凍機本体及び冷却塔容量ともに小さくなる。
  • 回転部分が少なく、騒音・振動が小さい。
  • 消費電力量が少ない。
  • 冷凍機内は真空であり、圧力による破裂などのおそれがない。
  • 特別な運転資格を必要としない。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は(1)です。

(1) 不適当です。吸収冷凍機はガスや油などを燃料にした熱を使います。熱を使うので、より多く排熱するために大きな冷却塔が必要になります。

(2) 適当です。吸収冷凍機は圧縮機がないので比較的静かに運転します。

(3) 適当です。燃料にガスなどを使うので消費電力量は少なくなります。

(4) 適当です。逆に蒸気圧縮冷凍機は高圧部があるので比較的危険です。

(5) 適当です。蒸気圧縮冷凍機は高圧になるので資格が必要になります。一般的に使われる吸収冷凍機は圧力が低いので資格が不要になります。

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02

正解は、「冷凍機本体及び冷却塔容量ともに小さくなる。」です。

この問題は、吸収冷凍機の利点に関するものです。

吸収冷凍機は、蒸気圧縮冷凍機と異なり、冷媒の循環に電動圧縮機を使わず、

熱エネルギーを利用して冷凍効果を得る方式です。

そのため、電力消費が少なく、回転部品が少ないため騒音・振動が小さいです。

また、冷凍機内は真空状態で運転されるため、圧力による破裂の危険性が低いことも特徴です。

構造が複雑で、冷凍機本体や冷却塔は蒸気圧縮冷凍機よりも大型になります。

選択肢1. 冷凍機本体及び冷却塔容量ともに小さくなる。

不適当です。吸収冷凍機は、蒸気圧縮冷凍機に比べて構造が複雑で、

冷媒と吸収液を扱うために大きな熱交換器や吸収器が必要です。

そのため、冷凍機本体は大型化します。また、

冷却塔も吸収冷凍機では凝縮器と吸収器の両方を冷却する必要があるため、

容量が大きくなります。

選択肢2. 回転部分が少なく、騒音・振動が小さい。

正しいです。吸収冷凍機は、冷媒の循環に電動圧縮機を使用しないため、

回転部分がほとんどありません。

主な駆動部は溶液ポンプ程度であり、騒音や振動が非常に少ないのが特徴です。

 

選択肢3. 消費電力量が少ない。

正しいです。吸収冷凍機は、冷凍効果を得るために熱エネルギー(蒸気や温水)を利用するため、

電力消費は溶液ポンプや制御装置程度です。

蒸気圧縮冷凍機のように大きな電動圧縮機を駆動する必要がないため、

電力消費量は大幅に少なくなります。

省エネ性が高いことが吸収冷凍機の大きな利点です。

選択肢4. 冷凍機内は真空であり、圧力による破裂などのおそれがない。

正しいです。吸収冷凍機は、冷媒として水を使用し、低温で蒸発させるために真空状態で運転されます。圧力が非常に低いため、圧力容器の破裂などの危険性はほとんどありません。安全性の面で蒸気圧縮冷凍機より優れています。

選択肢5. 特別な運転資格を必要としない。

正しいです。吸収冷凍機は、圧力が低く、危険性が少ないため、

ボイラー技士や冷凍機責任者のような特別な資格を必要としません。

通常の設備管理者が運転できます。

ただし、メンテナンスには専門知識が必要です。

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