建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第50回(令和2年度(2020年))
問59 (空気環境の調整 問59)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第50回(令和2年度(2020年)) 問59(空気環境の調整 問59) (訂正依頼・報告はこちら)

浮遊粒子の動力学的性質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 抵抗係数は、ストークス域ではレイノルズ数に反比例する。
  • 球形粒子の拡散係数は、粒径に比例する。
  • 球形粒子の重力による終末沈降速度は、粒径の2乗に比例する。
  • 電界中の電荷をもつ球形粒子の移動速度は、粒径に反比例する。
  • 球形粒子が気体から受ける抵抗力は、粒子の流体に対する相対速度の2乗に比例する。

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この過去問の解説 (2件)

01

浮遊粒子の動力学的性質は、粒子の大きさや周囲の流体との関係によって異なります。それぞれの記述が物理的に正しいかどうかを確認し、不適当なものを判断します。

選択肢1. 抵抗係数は、ストークス域ではレイノルズ数に反比例する。

ストークス域では、粒子の運動は ストークスの法則 に従い、抵抗係数は レイノルズ数に反比例 します。この記述は正しいです。

選択肢2. 球形粒子の拡散係数は、粒径に比例する。

拡散係数は、粒径が小さいほど大きくなります。しかし、拡散係数は粒径に反比例 するため、「比例する」という記述は不適当です。

選択肢3. 球形粒子の重力による終末沈降速度は、粒径の2乗に比例する。

重力の影響による粒子の終末沈降速度(最終的に安定する落下速度)は、粒径の 2乗 に比例します。この記述は正しいです。

選択肢4. 電界中の電荷をもつ球形粒子の移動速度は、粒径に反比例する。

荷電粒子が電場中で移動する際の速度は、粒径が大きくなると遅くなります。つまり、移動速度は粒径に反比例するため、この記述は正しいです。

選択肢5. 球形粒子が気体から受ける抵抗力は、粒子の流体に対する相対速度の2乗に比例する。

粒子が高速で移動すると、抵抗力は速度の 2乗 に比例します。この記述は正しいです。

まとめ

「球形粒子の拡散係数は、粒径に比例する。」の記述が不適当です。拡散係数は粒径に反比例するため、この記述は誤りとなります。

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02

この問題で覚えておくポイントは以下の通りです。浮遊粒子の動力学では、各物理量(抵抗係数・拡散係数・沈降速度・電気泳動速度・抵抗力)がそれぞれ粒径やレイノルズ数・速度とどのような関係(比例・反比例・2乗比例など)にあるかを整理しておくことが鍵です。

選択肢1. 抵抗係数は、ストークス域ではレイノルズ数に反比例する。

正しいです。
ストークス域(Re≪1)では、抵抗係数CD は CD=24/Re と表されます。したがってCDはレイノルズ数Reに反比例します。

選択肢2. 球形粒子の拡散係数は、粒径に比例する。

誤りです。
球形粒子のブラウン運動による拡散係数DはStokes-Einstein式で表されます。

 D = kT /(3πμd)

ここでkはボルツマン定数、Tは絶対温度、μは粘性係数、dは粒径です。Dはdに反比例する(D∝1/d)ため、粒径が小さいほど拡散係数は大きくなります。「粒径に比例する」という記述は比例の向きが逆であり、誤りです。

選択肢3. 球形粒子の重力による終末沈降速度は、粒径の2乗に比例する。

正しいです。
ストークスの法則による終末沈降速度vsは次の式で表されます。

 vs = (ρp-ρf)g d² /(18μ)

したがってvsは粒径dの2乗に比例します。

選択肢4. 電界中の電荷をもつ球形粒子の移動速度は、粒径に反比例する。

正しいです。
電界Eの中で電荷nqをもつ球形粒子の電気泳動速度vEは、ストークス域では次の式で表されます。

 vE = nqE /(3πμd)

したがってvEはdに反比例します(vE∝1/d)。

選択肢5. 球形粒子が気体から受ける抵抗力は、粒子の流体に対する相対速度の2乗に比例する。

正しいです。
一般的な抗力の式はFD=CD×(ρv²/2)×Aで表され、ニュートン域(Re≫1)ではCDがほぼ一定となるためFD∝v²の関係が成立します。設問はこの一般式に基づいた記述です。

まとめ

浮遊粒子の動力学で特に注意が必要なのは「拡散係数は粒径に反比例する」という点です。粒径が小さいほどブラウン運動が活発になり、拡散係数が大きくなります。

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