建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問104 (建築物の構造概論 問105)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問104(建築物の構造概論 問105) (訂正依頼・報告はこちら)

空調技術に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 事務所建築におけるパーソナル空調では、冷房用に天井、床、デスク等の吹出しが採用されている。
  • ナイトパージとは、夜間の外気を取り入れることで、空調機の冷房負荷を削減するものである。
  • 自然換気を併用するハイブリッド空調とは、穏やかな気候時の外気を積極的に室内に導入して冷房に利用するものである。
  • タスク・アンビエント空調とは、タスク域の温熱条件を緩和することで省エネルギー性の向上を図るものである。
  • 細霧空調とは、ミストの蒸発潜熱で周りの空気温度が下がる現象を利用した空調システムである。

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この過去問の解説 (3件)

01

正解は、「タスク・アンビエント空調とは、タスク域の温熱条件を緩和することで省エネルギー性の向上を図るものである。」です。

 

この問題は、空調技術に関するものです。

空調技術は、快適性と省エネルギーの両立を目指して多様化しています。

パーソナル空調やハイブリッド空調、ナイトパージなどは、

利用者のニーズや外気条件に応じて柔軟に対応する方式です。

タスク・アンビエント空調は、局所(タスク域)に快適性を集中させ、

周囲(アンビエント域)は緩和することで省エネを図る方式で、

人感センサーを使用して、タスク域に気流を送り込みます。

選択肢1. 事務所建築におけるパーソナル空調では、冷房用に天井、床、デスク等の吹出しが採用されている。

正しいです。パーソナル空調は、個人の快適性に合わせて空調を制御する方式であり、

事務所建築では天井・床・デスクなどに吹出口を設けて、

局所的に冷気を供給します。

個人の好みに応じた温熱環境が実現でき、

エネルギーの無駄も抑えられます。

選択肢2. ナイトパージとは、夜間の外気を取り入れることで、空調機の冷房負荷を削減するものである。

正しいです。ナイトパージとは、夜間の涼しい外気を建物内に取り入れて、

蓄熱体(壁・床など)を冷却し、翌日の冷房負荷を軽減する手法です。

特に昼間の冷房負荷が高い建物に有効であり、

外気導入による自然冷却が省エネに貢献します。

選択肢3. 自然換気を併用するハイブリッド空調とは、穏やかな気候時の外気を積極的に室内に導入して冷房に利用するものである。

正しいです。ハイブリッド空調は、機械空調と自然換気を組み合わせて、

外気条件に応じて最適な空調方式を選択する手法です。

穏やかな気候時には、外気を積極的に導入して冷房負荷を軽減し、

省エネルギーを図ります。

選択肢4. タスク・アンビエント空調とは、タスク域の温熱条件を緩和することで省エネルギー性の向上を図るものである。

不適当です。タスク・アンビエント空調とは、作業者がいる局所(タスク域)に快適な温熱環境を提供し、

周囲(アンビエント域)は緩やかな温度設定にすることで省エネを図る方式です。

つまり、タスク域の快適性を維持し、アンビエント域の温熱条件を緩和します。

選択肢5. 細霧空調とは、ミストの蒸発潜熱で周りの空気温度が下がる現象を利用した空調システムである。

正しいです。細霧空調(ミスト空調)は、微細な水粒子を空間に噴霧し、

その蒸発時に周囲の熱を奪う「蒸発潜熱」を利用して、

空気温度を下げる方式です。屋外施設や工場、駅構内などで採用されており、

冷却効果と省エネ性に優れています。

参考になった数16

02

この問題は、近年の省エネルギー型空調技術や快適性向上を目的とした空調方式について理解しているかを確認する問題です。ナイトパージやハイブリッド空調、細霧空調などは環境負荷の低減に役立つ技術として普及が進んでいます。また、タスク・アンビエント空調は室内全体ではなく、人が活動する場所に重点を置く考え方です。各空調方式の目的や特徴を正しく理解し、それぞれがどのような快適性向上や省エネルギー効果を持つのかを整理しておくことが重要です。

選択肢1. 事務所建築におけるパーソナル空調では、冷房用に天井、床、デスク等の吹出しが採用されている。

適切です。パーソナル空調は、利用者が自分の周囲の温熱環境を調整できる空調方式です。個人の好みや作業内容に応じて風量や温度を調整できるため、快適性の向上が期待できます。吹出し方式としては天井吹出しだけでなく、床吹出しやデスク吹出しなども採用されており、利用者の近くに空気を供給することが特徴です。特にオフィスでは執務者ごとの温熱感覚の違いに対応できるため、省エネルギーと快適性の両立に役立っています。

選択肢2. ナイトパージとは、夜間の外気を取り入れることで、空調機の冷房負荷を削減するものである。

適切です。ナイトパージは、夏季の夜間に比較的温度の低い外気を建物内へ導入し、建物躯体や室内に蓄えられた熱を放出する手法です。翌朝の室温を下げることができるため、空調設備の立ち上がり時の冷房負荷を軽減できます。特に熱容量の大きい建築物では効果が高く、電力消費の削減にもつながります。自然換気や送風機を利用して実施されることが多く、省エネルギー技術の一つとして広く活用されています。

選択肢3. 自然換気を併用するハイブリッド空調とは、穏やかな気候時の外気を積極的に室内に導入して冷房に利用するものである。

適切です。ハイブリッド空調は、機械空調と自然換気を組み合わせた空調方式です。春や秋など外気条件が良好な時期には、窓や換気装置を利用して外気を取り込み、機械による冷房負荷を低減します。外気の温度や湿度が快適範囲にある場合には、機械空調を停止または抑制できるため、省エネルギー効果が期待できます。また、自然換気による新鮮な空気の導入は室内環境の改善にも役立ち、近年の環境配慮型建築で多く採用されています。

選択肢4. タスク・アンビエント空調とは、タスク域の温熱条件を緩和することで省エネルギー性の向上を図るものである。

不適切です。タスク・アンビエント空調は、室内全体を対象とするアンビエント空調と、個人の周囲を対象とするタスク空調を組み合わせた方式です。省エネルギーを実現するためには、室内全体の温熱条件であるアンビエント域の条件を緩和し、必要な快適性をタスク域で補う考え方を採用します。つまり、温熱条件を緩和する対象はタスク域ではなくアンビエント域です。個人周辺のみを重点的に快適にすることで、空調エネルギーの削減を図ることができます。

選択肢5. 細霧空調とは、ミストの蒸発潜熱で周りの空気温度が下がる現象を利用した空調システムである。

適切です。細霧空調は、非常に細かい水滴を空間中に噴霧し、水が蒸発する際の蒸発潜熱を利用して周囲の空気温度を下げる技術です。ミストが蒸発する際に空気中の熱を奪うため、体感温度の低下や周辺環境の冷却効果が得られます。屋外広場や駅前空間、工場、商業施設の屋外空間などで利用されることが多く、比較的少ないエネルギーで冷却効果を得られることから、省エネルギー型の環境改善技術として注目されています。

参考になった数1

03

この問題で覚えておくポイントは以下の通りです。「タスク・アンビエント空調」は、「タスク域(個人の作業空間)」と「アンビエント域(室全体)」のそれぞれをどのように制御するかが重要です。緩和するのはタスク域ではなく、アンビエント域(室全体)の温熱条件である点を確認しておきましょう。

選択肢1. 事務所建築におけるパーソナル空調では、冷房用に天井、床、デスク等の吹出しが採用されている。

正しいです。
パーソナル空調は個人の使用空間ごとに温熱条件を制御できる方式であり、天井・床・デスク等から吹き出す多様な方式が実用化されています。
 

選択肢2. ナイトパージとは、夜間の外気を取り入れることで、空調機の冷房負荷を削減するものである。

正しいです。
ナイトパージ(夜間外気冷房)は、夜間の涼しい外気を建物内に取り込んで建物躯体を冷却し、翌朝以降の冷房負荷を削減する省エネ手法です。
 

選択肢3. 自然換気を併用するハイブリッド空調とは、穏やかな気候時の外気を積極的に室内に導入して冷房に利用するものである。

正しいです。
ハイブリッド空調は機械空調と自然換気を組み合わせる方式です。中間期など穏やかな気候のときは自然換気を優先させることで省エネを図り、機械冷暖房の使用を抑制します。
 

選択肢4. タスク・アンビエント空調とは、タスク域の温熱条件を緩和することで省エネルギー性の向上を図るものである。

誤りです。
タスク・アンビエント空調は、室全体(アンビエント域)の温熱条件を緩和し(例えば冷房設定を少し高めにするなど)、各個人の作業空間(タスク域)は手元の機器等できめ細かく温熱制御する方式です。省エネルギーは「アンビエント域の条件を緩和する」ことで達成されるのであり、タスク域を緩和するものではありません。

選択肢5. 細霧空調とは、ミストの蒸発潜熱で周りの空気温度が下がる現象を利用した空調システムである。

正しいです。
細霧空調(ミスト冷却)は、微細な霧(ミスト)が蒸発する際に周囲の熱を奪う気化熱(蒸発潜熱)を利用して、周囲の空気温度を下げるシステムです。屋外テラスや駅ホームなどでも活用されています。
 

まとめ

タスク・アンビエント空調では「アンビエント域(室全体)を緩和し、タスク域(個人付近)を細かく制御」するのが正しい理解です。省エネのために緩和するのはアンビエント域であることを確実に押さえておきましょう。

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