建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問179 (ねずみ、昆虫等の防除 問180)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問179(ねずみ、昆虫等の防除 問180) (訂正依頼・報告はこちら)

衛生害虫の防除等に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 作用機構の異なる殺虫剤のローテーション処理を行うことによって、殺虫剤抵抗性の発達を抑えることができる。
  • ニューサンスコントロールとは、感染症を媒介する衛生動物の防除を指す。
  • 吸血昆虫の中には、幼虫、成虫、雌、雄ともに吸血する種類がある。
  • 昆虫等に対する不快感は、主観的なものである。
  • 昆虫成長制御剤(IGR)で処理しても、成虫密度が速やかに低下することはない。

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この過去問の解説 (2件)

01

最も不適当なのは「ニューサンスコントロールとは、感染症を媒介する衛生動物の防除を指す。」です。
ニューサンスコントロールは不快害虫など“主に不快感や被害感を与える生物”の管理を指します。感染症を媒介する生物の防除はベクターコントロールであり、意味が違います。

選択肢1. 作用機構の異なる殺虫剤のローテーション処理を行うことによって、殺虫剤抵抗性の発達を抑えることができる。

適切です。 同じ系統を続けて使うと抵抗性が選抜されます。作用機構を切り替えることで抵抗性の進展を遅らせることができます。

選択肢2. ニューサンスコントロールとは、感染症を媒介する衛生動物の防除を指す。

不適当です。 これはベクターコントロールの定義です。ニューサンスコントロールは不快害虫(ハエ、チョウバエ、ユスリカ等)や害獣による不快・迷惑の低減が目的です。

選択肢3. 吸血昆虫の中には、幼虫、成虫、雌、雄ともに吸血する種類がある。

適切です。 例えばトコジラミ類は未成虫(幼虫=幼若期)も成虫も、雌雄ともに吸血します。種類によっては雌だけが吸血(蚊など)もありますが、全ステージ・両性が吸血する例も存在します。

選択肢4. 昆虫等に対する不快感は、主観的なものである。

適切です。 「不快」の感じ方は人や状況で差が出ます。そのため、苦情や利用者の感じ方も指標にしつつ対策を組み立てます。

選択肢5. 昆虫成長制御剤(IGR)で処理しても、成虫密度が速やかに低下することはない。

適切です。 IGRは幼虫・蛹の発育や変態を妨げる薬剤で、既にいる成虫には即効しません次世代の発生抑制によって徐々に密度が下がるのが特徴です。

まとめ

ニューサンス=不快害虫の管理、ベクター=媒介害虫の管理と区別します。

抵抗性対策はローテーションが基本です。

IGRは成虫即効性なし→中長期で効くと覚えると整理しやすいです。

吸血パターンは種によって異なるため、対象生物の生態に合わせて対策を選びます。

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02

この問題は、衛生害虫の防除に関する基本的な考え方や用語、殺虫剤の特性について理解しているかを問うものです。防除の現場では、単に薬剤を散布するだけでなく、害虫の生態や薬剤の作用機構を理解した上で適切な対策を講じることが重要です。また、感染症を媒介する衛生害虫だけでなく、人に不快感や精神的苦痛を与える生物への対応も重要な課題となっています。それぞれの選択肢について、衛生害虫防除の観点から正確に理解しておきましょう。

選択肢1. 作用機構の異なる殺虫剤のローテーション処理を行うことによって、殺虫剤抵抗性の発達を抑えることができる。

適切です。殺虫剤を長期間にわたって同じ種類だけ使用すると、その薬剤に強い個体が生き残り、次第に集団全体が抵抗性を獲得することがあります。これを殺虫剤抵抗性といいます。作用機構の異なる薬剤を計画的に交互使用するローテーション処理は、特定の抵抗性個体だけが有利になる状況を避けることができるため、抵抗性の発達を遅らせる効果が期待できます。IPM(総合的有害生物管理)においても重要な考え方の一つです。

選択肢2. ニューサンスコントロールとは、感染症を媒介する衛生動物の防除を指す。

不適切です。ニューサンスコントロールとは、人に不快感や嫌悪感、精神的苦痛などを与える生物を管理・防除することを指します。ニューサンス(Nuisance)は「迷惑」や「不快」を意味する言葉です。一方、感染症を媒介するネズミや蚊などの防除は、衛生害虫・衛生動物の防除に分類されます。したがって、ニューサンスコントロールを感染症媒介動物の防除と説明するのは誤りです。この選択肢が最も不適当です。

選択肢3. 吸血昆虫の中には、幼虫、成虫、雌、雄ともに吸血する種類がある。

適切です。吸血昆虫の多くは雌成虫のみが吸血し、雄は花の蜜などを摂取します。しかし、全ての吸血昆虫が同じ生態を持つわけではありません。例えばシラミ類では、幼虫と成虫の両方が吸血し、さらに雄と雌の両方が吸血を行います。このように発育段階や性別に関係なく吸血する昆虫も存在するため、この記述は正しい内容です。害虫ごとの生態の違いを理解することは防除対策を考える上で重要です。

選択肢4. 昆虫等に対する不快感は、主観的なものである。

適切です。同じ昆虫を見ても、人によって感じ方は大きく異なります。ある人は全く気にならなくても、別の人は強い嫌悪感や恐怖感を抱くことがあります。このような感覚は個人の経験や価値観、生活環境などによって左右されるため、主観的なものと考えられています。ニューサンスペストの管理では、生物学的な被害だけでなく、人がどの程度不快に感じるかという心理的な側面も重要な評価要素となります。

選択肢5. 昆虫成長制御剤(IGR)で処理しても、成虫密度が速やかに低下することはない。

適切です。昆虫成長制御剤(IGR)は、昆虫の脱皮や変態を妨げることで増殖を抑制する薬剤です。幼虫が正常に成虫になれなくなったり、繁殖能力が低下したりする効果があります。しかし、一般的な殺虫剤のように成虫を直ちに殺す作用は弱いため、処理直後に成虫数が急激に減少することは期待できません。効果が現れるまでには一定の時間が必要であり、長期的な個体数抑制を目的として使用されます。

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