建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第52回(令和4年度(2022年))
問35 (建築物の環境衛生 問35)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第52回(令和4年度(2022年)) 問35(建築物の環境衛生 問35) (訂正依頼・報告はこちら)

振動に関する次の記述のうち、最も適当なものはどれか。
  • 地震の震度は、気象庁の職員の体感によって測定される。
  • レイノー現象は、温度が高く代謝が上昇する夏季に起こりやすい。
  • 全身振動により、胃腸の働きの抑制が見られる。
  • 振動の知覚は、皮膚、内臓、関節等、全身に分布する運動神経末端受容器によりなされる。
  • 地面の振動が伝わる際、建築物内床面の振動レベルは減衰により屋外地面上より低くなる。

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この過去問の解説 (2件)

01

振動は強度や振動を受けている時間にもよりますが、

胃腸の働きを抑制する、血液の循環を妨げるなどの

人体への影響がいくつかあります。

選択肢1. 地震の震度は、気象庁の職員の体感によって測定される。

不正解です。

地震の震度は地震計で検出したデータから

震度0から震度7に分類されます。

選択肢2. レイノー現象は、温度が高く代謝が上昇する夏季に起こりやすい。

不正解です。

レイノー現象は寒さやストレスで手足の指先の血管が

過剰に収縮して血流が悪くなることで発生する現象なので

温度が高く代謝が上昇する夏季には起こりにくいです。

選択肢3. 全身振動により、胃腸の働きの抑制が見られる。

正解です。

強い垂直振動にさらされると胃下垂や

胃腸の働きの抑制が生じることがあります。

選択肢4. 振動の知覚は、皮膚、内臓、関節等、全身に分布する運動神経末端受容器によりなされる。

不正解です。

振動は皮膚、筋肉、関節、骨などに存在する感覚受容体で

よって知覚されます。

運動神経末端受容器は筋肉などに信号を伝達して

動作を制御する器官なので、この説明は間違っています。

選択肢5. 地面の振動が伝わる際、建築物内床面の振動レベルは減衰により屋外地面上より低くなる。

不正解です。

振動は上階の振動が屋外地面上よりも増幅されることがあります。

特定の周波数の振動が共振現象を起こして

振動が増幅されることがあります。

まとめ

振動工具を使用したり、トラックを運転するなどの

業務に携わっている場合には、健康のためにも

作業環境にも気を付けましょう。

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02

正解は、「全身振動により、胃腸の働きの抑制が見られる」です。

 

この問題は、振動の人体影響や建築物内での振動伝達に関するものです。

振動は騒音と同様に、身体的・心理的影響を及ぼし、

特に業務環境では健康障害の原因となります。

長時間の全身振動は消化機能低下や食欲減退を引き起こすことがあります。

また、地震の震度測定、レイノー現象、振動知覚の仕組み、建築物内の振動減衰など、

幅広い知識が必要です。

 

選択肢1. 地震の震度は、気象庁の職員の体感によって測定される。

誤りです。震度は気象庁の職員の体感ではなく、

地震計による加速度や揺れの強さを基準に算出します。

計器観測による客観的な数値で決定され、

震度階級(0~7)は建物や人への影響を示す指標です。

選択肢2. レイノー現象は、温度が高く代謝が上昇する夏季に起こりやすい。

誤りです。レイノー現象は寒冷刺激により末梢血管が収縮し、

指先などが白くなる症状で、冬季や低温環境で起こりやすいものです。

振動障害の一部としても知られ、

チェーンソー作業などで発症することがあります。

選択肢3. 全身振動により、胃腸の働きの抑制が見られる。

正しいです。全身振動は長時間曝露により自律神経系に影響し、

胃腸の蠕動運動が低下します。

これにより消化不良や食欲減退が起きます。

特に建設機械や大型車両の運転者に見られる症状で、

振動対策が必要です。

選択肢4. 振動の知覚は、皮膚、内臓、関節等、全身に分布する運動神経末端受容器によりなされる。

誤りです。振動の知覚は運動神経ではなく、

感覚神経末端にある機械受容器(パチニ小体など)によって行われます。

これらは皮膚や深部組織に分布し、

振動刺激を電気信号に変換して脳に伝えます。

選択肢5. 地面の振動が伝わる際、建築物内床面の振動レベルは減衰により屋外地面上より低くなる。

誤りです。建築物内では構造体の共振や増幅により、

場合によっては屋外より振動が強くなることがあります。

必ずしも減衰するとは限りません。

設計時には振動伝達経路や共振周波数を考慮する必要があります。

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