建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第52回(令和4年度(2022年))
問46 (空気環境の調整 問46)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第52回(令和4年度(2022年)) 問46(空気環境の調整 問46) (訂正依頼・報告はこちら)

熱移動に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 中空層の熱抵抗は、一定の厚さ(2〜5cm)までは厚さが増すにつれて増大するが、それ以上ではほぼ一定となる。
  • 固体内の熱流は、局所的な温度勾配に熱伝導率を乗じて求められる。
  • 密度が大きい材料ほど、一般に熱伝導率は小さくなる。
  • 同一材料でも、一般に熱伝導率は温度によって異なる。
  • 同一材料でも、一般に内部に湿気を多く含むほど熱伝導率は大きくなる。

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この過去問の解説 (2件)

01

熱の移動は高いところから低いところに移動します。

熱伝導率は物体の熱伝導のしやすさを表し、

熱抵抗率は物体の熱伝導のしにくさを表します。

選択肢1. 中空層の熱抵抗は、一定の厚さ(2〜5cm)までは厚さが増すにつれて増大するが、それ以上ではほぼ一定となる。

不正解です。

説明文の通り、中空層の熱抵抗は、

一定の厚さ(2〜5cm)までは厚さが増すにつれて増大しますが、

それ以上ではほぼ一定となります。

選択肢2. 固体内の熱流は、局所的な温度勾配に熱伝導率を乗じて求められる。

不正解です。

説明文の通り、固体内の熱流は、

局所的な温度勾配に熱伝導率を乗じて求められます。

選択肢3. 密度が大きい材料ほど、一般に熱伝導率は小さくなる。

正解です。

密度が大きい材料ほど、一般的には熱伝導率は大きくなります。

選択肢4. 同一材料でも、一般に熱伝導率は温度によって異なる。

不正解です。

同一材料でも温度のほか金属の場合は合金の種類で

熱伝導率が異なる場合があります。

選択肢5. 同一材料でも、一般に内部に湿気を多く含むほど熱伝導率は大きくなる。

不正解です。

水分は通常熱伝導率が高い特性を持っているので

湿気を多く含むほど熱伝導率は大きくなることが多いです。

まとめ

同じ炭材料で構成されているダイヤモンドと石墨では

ダイヤモンドは密度も熱伝導率も高いですが、

石墨は密度も熱伝導率も低いです。

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02

正解は、「密度が大きい材料ほど、一般に熱伝導率は小さくなる。」です。

 

この問題は、熱移動の基本原理と材料特性に関するものです。

熱移動には主に伝導、対流、放射の3つの形態があります。

固体内の熱移動は熱伝導であり、フーリエの法則に従って局所的な温度勾配と熱伝導率に比例します。

中空層は断熱効果を持ちますが、厚さが増すと効果は飽和します。

また、材料の熱伝導率は密度や含水率、温度により変化します。

一般に密度が大きい材料(例:金属)は熱伝導率が高く、

密度が小さい材料(例:断熱材)は低いです。

湿気を含むと熱伝導率は増加します。

選択肢1. 中空層の熱抵抗は、一定の厚さ(2〜5cm)までは厚さが増すにつれて増大するが、それ以上ではほぼ一定となる。

正しいです。中空層は空気の熱伝導率が低いため断熱効果がありますが、

厚さが増えると自然対流が発生し、断熱効果が飽和します。

 

 

選択肢2. 固体内の熱流は、局所的な温度勾配に熱伝導率を乗じて求められる。

正しいです。これはフーリエの法則を指します。

熱流密度は、熱伝導率と温度勾配に比例します。

固体内の熱移動は、この法則に従います。

選択肢3. 密度が大きい材料ほど、一般に熱伝導率は小さくなる。

誤りです。一般に密度が大きい材料ほど、

熱伝導率は大きくなる傾向があります。

例えば金属は密度が高く、熱伝導率も非常に高いです。

一方、断熱材は密度が低く、熱伝導率も低いです。

選択肢4. 同一材料でも、一般に熱伝導率は温度によって異なる。

正しいです。熱伝導率は温度に依存します。

金属では温度が上がると熱伝導率が低下する傾向がありますが、

非金属や断熱材では逆に増加する場合があります。

選択肢5. 同一材料でも、一般に内部に湿気を多く含むほど熱伝導率は大きくなる。

正しいです。湿気を含むと水分が熱を伝えやすいため、熱伝導率が増加します。

断熱材が湿気を含むと性能が低下するのは、このためです。

 

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