建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第54回(令和6年度(2024年))
問64 (空気環境の調整 問19)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第54回(令和6年度(2024年)) 問64(空気環境の調整 問19) (訂正依頼・報告はこちら)

地域冷暖房システムに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 個別熱源システムに比べて、大気汚染などの環境負荷が低減する。
  • 不特定多数の需要家に供給する熱源プラントは、規模の大小にかかわらず、熱供給事業法の適用を受ける。
  • 各建築物の煙突や冷却塔が不要となり、都市景観の向上に役立つ。
  • 熱源装置の大型化、集約化により効率的な運用が可能となる。
  • 個別の建築物の有効用途面積が拡大し収益性が増大する。

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この過去問の解説 (3件)

01

最も不適当なものは、「不特定多数の需要家に供給する熱源プラントは、規模の大小にかかわらず、熱供給事業法の適用を受ける。」です。

 

この問題は、地域冷暖房システム(DHC:District Heating and Cooling)に関するものです。

地域冷暖房はエネルギー政策の一環でもあり、法制度やメリットの理解がビル管理技術者には求められます。

地域冷暖房は、一箇所の熱源プラントから冷暖房用エネルギーを複数の建物に供給するシステムです。

都市の省エネルギー・環境保全・景観向上に貢献する点で注目されています。

選択肢1. 個別熱源システムに比べて、大気汚染などの環境負荷が低減する。

正しいです。地域冷暖房は個別熱源方式に比べて集約管理されるため、環境対策がしやすく、

大気汚染・騒音・振動等の環境負荷が低減します。

選択肢2. 不特定多数の需要家に供給する熱源プラントは、規模の大小にかかわらず、熱供給事業法の適用を受ける。

不適当です。法の適用には供給規模などの条件がありますが、無条件ではありません。

選択肢3. 各建築物の煙突や冷却塔が不要となり、都市景観の向上に役立つ。

正しいです。煙突や冷却塔を建物ごとに設ける必要がなくなるため、都市の景観向上に寄与します。

熱源を集中させるため、建物外観がすっきりします。

選択肢4. 熱源装置の大型化、集約化により効率的な運用が可能となる。

正しいです。 熱源装置の大型化により設備効率が向上し、運転や保守も集中管理できるため、全体として効率的な運用が可能です。需

要の平準化により機器の運転効率が高まります。

選択肢5. 個別の建築物の有効用途面積が拡大し収益性が増大する。

正しいです。熱源設備スペースが不要になり、建物の床面積を他用途に有効活用できるため、収益性が向上します。

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02

地域冷暖房システムに関する問題です。

選択肢1. 個別熱源システムに比べて、大気汚染などの環境負荷が低減する。

誤:個別熱源のものよりも環境負荷が低減されます。

個別で行うよりも、まとめてやった方が負荷低減になりえます。

選択肢2. 不特定多数の需要家に供給する熱源プラントは、規模の大小にかかわらず、熱供給事業法の適用を受ける。

正:熱供給事業法の適用を受けるのは、21GJ/時以上の事業が対象です。

選択肢3. 各建築物の煙突や冷却塔が不要となり、都市景観の向上に役立つ。

誤:各建築物の煙突、冷却塔が不要となって、景観が良くなります。

煙や熱風が出るというイメージが強いため、景観がどうしても悪くなりがちですので少なくなればそれだけ良くなります。

選択肢4. 熱源装置の大型化、集約化により効率的な運用が可能となる。

誤:熱源装置の大型化、集約化によって運用が効率化されます。

選択肢5. 個別の建築物の有効用途面積が拡大し収益性が増大する。

誤:地域ごとにまとまっている為、土地の有効活用が出来、収益性が増します。

まとめ

地域冷暖房システムに関しての問題でした。

個別よりもある程度まとまっていれば、それだけ扱いもしやすくなり、時間も手間も省けます。

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03

地域冷暖房システムとは、一つの熱源プラントで冷水、温水、蒸気などをまとめて製造し、地域内の複数の建築物へ配管を通じて供給する仕組みです。熱源設備を集約することで、高効率な運転、環境負荷の低減、建築物内の設備スペース削減などが期待できます。一方、熱供給事業法の適用には供給対象だけでなく、一定の事業規模などの要件があります。したがって、最も不適当なのは「規模の大小にかかわらず適用を受ける」とする記述です。

選択肢1. 個別熱源システムに比べて、大気汚染などの環境負荷が低減する。

適切です。個別熱源システムに比べて、建築物ごとにボイラーや冷凍機などを設置するのではなく、熱源設備を地域単位で集約できます。大型で高効率な設備を採用しやすく、需要の変動に応じて複数の熱源機器を効率よく運転することも可能です。また、排熱利用や未利用エネルギー、コージェネレーションなどを活用できる場合もあり、個別熱源方式と比較して燃料消費量や大気汚染物質、二酸化炭素の排出量などを抑え、環境負荷を低減する効果が期待できます。

選択肢2. 不特定多数の需要家に供給する熱源プラントは、規模の大小にかかわらず、熱供給事業法の適用を受ける。

不適切です。熱供給事業法は、不特定多数の需要家に対して加熱・冷却した水や蒸気などを供給する事業であれば、規模を問わず一律に適用されるわけではありません。法律上の「熱供給事業」に該当するには、一般の需要に応じて熱を供給することに加え、一定規模以上の加熱能力を持つ施設を使用するなどの要件があります。そのため、「規模の大小にかかわらず」という部分が誤りです。地域冷暖房と熱供給事業法の適用範囲は、必ずしも完全に一致しない点が重要です。

選択肢3. 各建築物の煙突や冷却塔が不要となり、都市景観の向上に役立つ。

適切です。地域冷暖房では、冷凍機やボイラーなどの主要な熱源設備を地域の熱源プラントに集約し、そこで製造した冷水、温水、蒸気などを各建築物へ供給します。このため、個々の建築物に大規模な熱源設備を設置する必要がなくなり、それに付随する煙突や冷却塔なども原則として削減できます。屋上などに多数の設備が並ぶ状態を避けやすくなるため、建築物の外観を整え、都市景観の向上にも役立つという利点があります。

選択肢4. 熱源装置の大型化、集約化により効率的な運用が可能となる。

適切です。複数の建築物がそれぞれ小規模な熱源装置を設置する方式に比べ、地域冷暖房では熱源装置を一か所または少数のプラントに集約できます。これにより、高効率な大型機器を導入しやすくなるほか、地域全体の熱需要に応じて運転する機器の台数を調整するなど、効率的な運用が可能になります。建築物ごとに熱需要が最大となる時間が異なる場合には、需要の時間的なばらつきを利用して設備容量を合理化できることも、集約化の利点です。

選択肢5. 個別の建築物の有効用途面積が拡大し収益性が増大する。

適切です。地域冷暖房を利用すると、建築物ごとに大型のボイラー、冷凍機、冷却塔などの熱源設備を設置する必要が少なくなります。その結果、従来であれば機械室などとして使用していたスペースを縮小でき、事務所、店舗、客室など本来の用途に利用できる有効面積を増やすことが可能です。特に都市部の建築物では床面積の価値が高いため、賃貸や営業などに利用できる面積が増えることは、建築物の収益性を高める効果につながります。

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