建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第54回(令和6年度(2024年))
問77 (空気環境の調整 問32)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第54回(令和6年度(2024年)) 問77(空気環境の調整 問32) (訂正依頼・報告はこちら)

環境測定に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • サーミスタ温度計は、電気抵抗式温度計の一種である。
  • 相対湿度の測定には、毛髪などの伸縮を利用する方法がある。
  • アスマン通風乾湿計は、周囲気流及び熱放射の影響を防ぐ構造となっている。
  • ピトー管による風速測定では、ストークスの定理を用いる。
  • 換気量の測定には、トレーサガスの濃度減衰を利用する方法がある。

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この過去問の解説 (3件)

01

最も不適当なものは、「ピトー管による風速測定では、ストークスの定理を用いる。」です。

 

この問題は、空気環境に関する測定器の原理や用途に関するもの。実務で使われる測定器が、

どの物理原理に基づいているかを正確に把握しておくことが非常に重要です。

特にベルヌーイの定理などの基本物理法則の応用は、混同しないよう整理して覚えておく必要があります。

選択肢1. サーミスタ温度計は、電気抵抗式温度計の一種である。

正しいです。サーミスタ(thermistor)は、温度変化に応じて電気抵抗が大きく変化する材料を使った温度センサで、

電気抵抗式温度計の代表格です。小型で反応が早いのが特徴です。

雪国に必要な、こたつにも使われています。

選択肢2. 相対湿度の測定には、毛髪などの伸縮を利用する方法がある。

正しいです。毛髪湿度計は、毛髪が湿度によって伸び縮みする性質を利用して相対湿度を測定する器具です。

古典的ながらシンプルな構造で、観測施設などでも使われています。

未だに毛髪に代わるものはないです。

選択肢3. アスマン通風乾湿計は、周囲気流及び熱放射の影響を防ぐ構造となっている。

正しいです。アスマン通風乾湿計は、通風により外部環境の影響(放射熱・静風)を抑えて、

正確な湿度を測定できる装置です。

乾球・湿球の温度差から相対湿度を求めます。

選択肢4. ピトー管による風速測定では、ストークスの定理を用いる。

不適当です。ピトー管は、ベルヌーイの定理を利用して風速を測定する装置です。

動圧と静圧の差から風速を計算します。

ストークスの定理は流体力学の回転などに関するもので、ピトー管とは無関係です。

選択肢5. 換気量の測定には、トレーサガスの濃度減衰を利用する方法がある。

正しいです。トレーサガス法は、室内に既知濃度のガス(CO₂、SF₆など)を放出し、

その濃度の時間的変化から換気回数や換気量を求める代表的な方法です。

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02

環境測定に関する問題です。

選択肢1. サーミスタ温度計は、電気抵抗式温度計の一種である。

誤:サーミスタ温度計は、電気抵抗式温度計の一種です。

選択肢2. 相対湿度の測定には、毛髪などの伸縮を利用する方法がある。

誤:相対湿度測定は、毛髪等の伸縮具合をみて計測します。

選択肢3. アスマン通風乾湿計は、周囲気流及び熱放射の影響を防ぐ構造となっている。

誤:アスマン通風乾漆計は、周囲気流と熱放射の影響防げる構造となっています。

選択肢4. ピトー管による風速測定では、ストークスの定理を用いる。

正:ピトー管による風速測定は、ベルヌーイの定理を用いています。

選択肢5. 換気量の測定には、トレーサガスの濃度減衰を利用する方法がある。

誤:換気量測定は、トレーサガスの温度減衰を利用しています。

まとめ

環境測定に関する問題でした。

性質をうまく利用している機器の特徴でした。

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03

環境測定では、温度、湿度、風速、換気量など、測定する対象に応じて異なる原理の測定器や測定方法を使います。温度では電気抵抗の変化、湿度では物質の伸縮、風速では流体の圧力、換気量ではトレーサガスの濃度変化などが利用されます。特に重要なのは、ピトー管が流体の圧力と速度の関係を利用する測定器であり、その基本原理にはベルヌーイの定理が用いられることです。

選択肢1. サーミスタ温度計は、電気抵抗式温度計の一種である。

適切です。サーミスタは、温度が変化すると電気抵抗が大きく変化する半導体素子です。この温度による抵抗値の変化を測定し、温度に換算するのがサーミスタ温度計です。そのため、電気抵抗の変化を利用して温度を測定する「電気抵抗式温度計」の一種に分類されます。小型で感度が高く、比較的小さな温度変化も検出しやすいため、空調設備の温度検出や各種機器の温度制御などに広く利用されています。

選択肢2. 相対湿度の測定には、毛髪などの伸縮を利用する方法がある。

適切です。毛髪には、空気中の湿度が高くなると伸び、低くなると縮む性質があります。この長さの変化を機械的に拡大して指針などに伝えることで、相対湿度を測定できます。この原理を利用した代表的な測定器が毛髪湿度計です。人の毛髪だけでなく、湿度によって寸法が変化する材料を利用することもあります。電気的なセンサーを使わずに湿度を測定できる古くから知られた方法であり、湿度測定の基本原理の一つです。

選択肢3. アスマン通風乾湿計は、周囲気流及び熱放射の影響を防ぐ構造となっている。

適切です。アスマン通風乾湿計は、乾球温度計と湿球温度計に一定速度の空気を強制的に流し、その温度差から湿度を求める測定器です。通風装置によって温度計の周囲に安定した気流をつくるため、自然の風の強弱による測定値への影響を小さくできます。また、温度計部分を二重の金属筒などで覆うことで、太陽光や周囲の高温物体から受ける熱放射の影響も抑えています。このため、比較的精度の高い湿度測定が可能です。

選択肢4. ピトー管による風速測定では、ストークスの定理を用いる。

不適切です。ピトー管による風速測定で基本となるのは、ストークスの定理ではなくベルヌーイの定理です。ピトー管では、流体が流れているときの静圧と、流れをせき止めたときに得られる全圧を測定し、その差である動圧から流速を求めます。ベルヌーイの定理は、流体の速度、圧力、高さなどのエネルギー関係を示すもので、この圧力差と流速の関係を利用できます。したがって、ピトー管とストークスの定理を結び付けている記述は誤りです。

選択肢5. 換気量の測定には、トレーサガスの濃度減衰を利用する方法がある。

適切です。トレーサガスを利用する方法は、室内の換気量や換気回数を測定する代表的な方法の一つです。室内に二酸化炭素などのトレーサガスを一定濃度まで発生させ、ガスの供給を止めた後、換気によってその濃度が時間とともにどのように低下するかを測定します。換気が多ければ濃度は速く低下し、換気が少なければゆっくり低下します。この濃度減衰の程度から換気回数を求め、室容積を用いることで換気量を算定できます。

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