建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第55回(令和7年度(2025年))
問71 (空気環境の調整 問26)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第55回(令和7年度(2025年)) 問71(空気環境の調整 問26) (訂正依頼・報告はこちら)

空気調和設備に用いられる全熱交換器に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 全熱交換器は、排気中の顕熱・潜熱を同時に回収して省エネルギー化を図るための熱交換器である。
  • 回転型全熱交換器では、エレメントが低速回転して吸湿と放湿が連続的に切り替わる。
  • 静止型全熱交換器の仕切り板には、伝熱性と同時に透湿性が求められる。
  • 水分の回収を必要としない厨(ちゅう)房や温水プールでは、全熱交換器に代わって顕熱交換器が用いられる。

  • 空調された室内空気が便所・給湯室等から直接排気される比率が高い場合、全熱交換器の効率は向上する。

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この過去問の解説 (3件)

01

最も不適当なものは「空調された室内空気が便所給湯室等から
直接排気される比率が高い場合、全熱交換器の効率は向上する」です。

選択肢1. 全熱交換器は、排気中の顕熱・潜熱を同時に回収して省エネルギー化を図るための熱交換器である。

正しいです。
全熱交換器は排気と外気の顕熱・潜熱を交換することで外気がある程度
温調されて給気されるため省エネルギー化が図れます。

選択肢2. 回転型全熱交換器では、エレメントが低速回転して吸湿と放湿が連続的に切り替わる。

正しいです。
回転型全熱交換機はエレメントが低速回転し熱交換します。

選択肢3. 静止型全熱交換器の仕切り板には、伝熱性と同時に透湿性が求められる。

正しいです。
静止型全熱交換器の仕切り板は伝熱性と透湿性により全熱を交換します。

選択肢4.

水分の回収を必要としない厨(ちゅう)房や温水プールでは、全熱交換器に代わって顕熱交換器が用いられる。

正しいです。
厨房や温水プールなど湿度コントロールが必要ない場所では
顕熱交換器が採用されます。

選択肢5.

空調された室内空気が便所・給湯室等から直接排気される比率が高い場合、全熱交換器の効率は向上する。

誤りです。
直接排気が多いと全熱交換器を通る排気が少なくなり、
熱交換できなくなるため効率は低下します。

まとめ

全熱交換器の役割を覚えておきましょう。

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02

全熱交換器は、換気によって屋外へ捨てられる室内空気が持つ熱を利用し、外気を室内の状態に近づけてから取り入れることで空調負荷を軽減する設備です。温度に関係する顕熱だけでなく、水蒸気に関係する潜熱も回収できることが特徴です。性能を十分に発揮するには、熱交換に利用できる排気を確保することが重要であり、室内空気が別系統から直接屋外へ排気されると熱回収の機会が減少します。

選択肢1. 全熱交換器は、排気中の顕熱・潜熱を同時に回収して省エネルギー化を図るための熱交換器である。

適切です。全熱交換器では、室内から排出する空気と屋外から取り入れる新鮮な空気との間で、顕熱と潜熱の両方を交換します。顕熱は主に空気の温度に関係する熱、潜熱は空気中の水蒸気量に関係する熱です。例えば夏季には、高温多湿な外気から室内へ入る熱や水分を減らすことができ、冬季には室内から失われる熱や水分の一部を回収できます。その結果、冷暖房や除加湿に必要なエネルギーを削減できます。

選択肢2. 回転型全熱交換器では、エレメントが低速回転して吸湿と放湿が連続的に切り替わる。

適切です。回転型全熱交換器は、蓄熱性や吸湿性を持つ円盤状のエレメントをゆっくり回転させ、排気側と給気側を交互に通過させる構造です。エレメントが排気側を通過するときに熱や水分を受け取り、給気側に移動すると、それらを外気側へ放出します。この動作を連続して繰り返すことで、温度に関係する顕熱と湿度に関係する潜熱の両方を効率よく交換し、換気による空調エネルギーの損失を抑えます。

選択肢3. 静止型全熱交換器の仕切り板には、伝熱性と同時に透湿性が求められる。

適切です。静止型全熱交換器では、給気と排気を仕切り板によって分離しながら、その板を介して熱と水分を交換します。顕熱を交換するためには熱を伝えやすい性質が必要であり、潜熱を交換するためには水蒸気を移動させる透湿性が必要です。このため、仕切り板には特殊加工された紙や透湿性のある膜などが使用されます。空気そのものが大量に混ざらないようにしながら、温度と湿度の両方を交換できる構造になっています。

選択肢4.

水分の回収を必要としない厨(ちゅう)房や温水プールでは、全熱交換器に代わって顕熱交換器が用いられる。

適切です。厨房では調理によって水蒸気や臭気、油分などが発生し、温水プールでも大量の水蒸気によって空気の湿度が高くなります。このような場所では、排気中の水分まで給気側へ戻すことは望ましくないため、湿気を移動させず温度に関係する顕熱だけを回収する顕熱交換器が適しています。顕熱のみを回収することで排気が持つ熱エネルギーを有効利用しながら、不要な水分が室内へ戻ることを防止できます。

選択肢5.

空調された室内空気が便所・給湯室等から直接排気される比率が高い場合、全熱交換器の効率は向上する。

不適切です。便所や給湯室などから室内空気を全熱交換器に通さず直接屋外へ排出すると、その空気が持っている熱や水分を回収できません。直接排気される空気の割合が高くなるほど、全熱交換器を通って熱交換に利用できる排気量が少なくなり、外気との間で回収できる熱量も減少します。したがって、省エネルギー効果は向上するのではなく低下します。全熱交換器を有効に利用するには、熱回収に利用できる排気量を十分に確保することが重要です。

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03

正解は、「空調された室内空気が便所・給湯室等から直接排気される比率が高い場合、全熱交換器の効率は向上する。」です。

この問題は、空気調和設備に用いられる全熱交換器に関するものです。

空気調和設備に用いられる全熱交換器は、外気導入に伴うエネルギーロスを低減し、

省エネルギー化を図るための重要な装置です。

通常、外気は室内空気と比べて温度や湿度が大きく異なるため、

そのまま導入すると加熱・冷却・加湿・除湿の負荷が大きくなります。

全熱交換器は、排気側に含まれる顕熱と潜熱を同時に回収し、

それを外気側に受け渡すことで、外気の温度と湿度をあらかじめ室内条件に近づけ、空調機の負荷を軽減します。

回転型全熱交換器では、回転するエレメントが排気側と外気側を交互に通過しながら熱と水分を運び、

静止型全熱交換器では、透湿性と伝熱性を持つ仕切り板を介して熱と水分が移動します。

また、厨房や温水プールのように水分や臭気を回収したくない用途では、

全熱交換器ではなく顕熱交換器が用いられます。

一方、全熱交換器を経由せずに直接排気される比率が高くなると、全熱交換器を通る排気量が減少し、回収できる顕熱・潜熱も減少します。

選択肢1. 全熱交換器は、排気中の顕熱・潜熱を同時に回収して省エネルギー化を図るための熱交換器である。

正しいです。

全熱交換器は温度だけでなく水蒸気量、つまり潜熱も同時に交換します。

冬期には、暖かく湿った室内排気から熱と水分を回収し、

冷たく乾いた外気に与えることで、外気の温度を上げると同時に加湿負荷も軽減します。

夏期には、冷却・除湿された室内排気から冷熱と水分を回収し、

暑く湿った外気に対して前処理を行うことで、冷却・除湿負荷を低減します。

選択肢2. 回転型全熱交換器では、エレメントが低速回転して吸湿と放湿が連続的に切り替わる。

正しいです。

回転型全熱交換器は、蜂の巣状や多孔質のエレメントを円盤状に構成し、

それをゆっくりと回転させる構造です。

エレメントが排気側を通過するときには、排気中の熱と水分を吸収し、

その後、外気側を通過するときに、その熱と水分を外気に放出します。

このサイクルがエレメントの回転によって連続的に繰り返されることで、

顕熱と潜熱の交換が行われます。

選択肢3. 静止型全熱交換器の仕切り板には、伝熱性と同時に透湿性が求められる。

正しいです。

静止型全熱交換器は、外気と排気は互いに混ざらないように完全に空間的に分離されていますが、

その間にある仕切り板(エレメント)が、熱と水分を透過させる役割を担います。

仕切り板は、一方の空気側から熱と水分を受け取り、

もう一方の空気側へそれを渡す必要があるため、単に熱伝導性が高いだけでなく、

水蒸気を透過させる透湿性も必要となります。

選択肢4.

水分の回収を必要としない厨(ちゅう)房や温水プールでは、全熱交換器に代わって顕熱交換器が用いられる。

正しいです。

厨房や温水プールの排気は、水分量が非常に多く、場合によっては臭気や油分なども含まれます。

このような空気から水分を回収して外気側に戻すことは、望ましくありません。

むしろ、湿気や臭気を外に捨ててしまいたい用途では、潜熱まで回収する全熱交換器ではなく、

温度だけを交換する顕熱交換器を用いる方が適切です。

選択肢5.

空調された室内空気が便所・給湯室等から直接排気される比率が高い場合、全熱交換器の効率は向上する。

不適当です。

全熱交換器の省エネルギー効果は、単体の熱交換効率だけでなく、

どれだけの空調排気が全熱交換器を通過するかに大きく依存します。

空調された室内空気が便所や給湯室などから、

全熱交換器を経由せずに直接排気される比率が高くなると、

その分だけ全熱交換器を通過する排気量が減少し、

回収できる顕熱・潜熱も減少します。

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