建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第55回(令和7年度(2025年))
問87 (空気環境の調整 問42)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第55回(令和7年度(2025年)) 問87(空気環境の調整 問42) (訂正依頼・報告はこちら)

光と照明に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 事務所における製図室のグレア制限値は、事務室のグレア制限値よりも低い。
  • 拡散グローブ照明は、間接照明型の照明器具である。
  • 室内表面の輝度対比が大きすぎると、視覚的疲労感を生じる。
  • 光が当たった物体の表面が平滑な場合、光は正反射し、光沢となる。
  • タスク・アンビエント照明方式では、高照度が必要となる作業領域を局部照明で明るくすることで、全般照明による照度を抑えることができる。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題で覚えておくポイントは以下の通りです。照明の種類や照明方式を整理しておくことが重要です。

選択肢1. 事務所における製図室のグレア制限値は、事務室のグレア制限値よりも低い。

正しいです。

製図室では精密な視作業が求められるため、まぶしさをより強く抑制する必要があるためです。

選択肢2. 拡散グローブ照明は、間接照明型の照明器具である。

誤りです。
拡散グローブ照明は、乳白色のガラスや和紙などの半透明素材で光源を包み、光を上下・全方向に均等に拡散させる照明方式で、「全般拡散照明」に分類されます。

選択肢3. 室内表面の輝度対比が大きすぎると、視覚的疲労感を生じる。

正しいです。
視野内の輝度対比(明暗の差)が大きすぎると、目が明るい部分と暗い部分に交互に順応しようとして疲労が増します。

選択肢4. 光が当たった物体の表面が平滑な場合、光は正反射し、光沢となる。

正しいです。
物体の表面が平滑であるほど、入射角と反射角が等しくなる正反射が起こりやすくなります。

選択肢5. タスク・アンビエント照明方式では、高照度が必要となる作業領域を局部照明で明るくすることで、全般照明による照度を抑えることができる。

正しいです。
タスク・アンビエント照明は、作業面(タスク)には必要な照度を局部照明で確保しつつ、周辺空間(アンビエント)は安全性・快適性を保てる程度の低照度に抑える照明方式です。

まとめ

拡散グローブ照明は全般拡散照明の代表的な器具で、光源を半透明素材で囲み全方向に光を拡散させます。間接照明は光を壁・天井に反射させる方式であり、この2つは明確に異なります。

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02

最も不適当なものは「拡散グローブ照明は、
間接照明型の照明器具である」です。

選択肢1. 事務所における製図室のグレア制限値は、事務室のグレア制限値よりも低い。

正しいです。
グレアとは強い光によって生じる不快感(まぶしさ)のことです。
製図は精密な作業が必要なため、事務所よりも
厳しいグレア制限値が要求されます。

選択肢2. 拡散グローブ照明は、間接照明型の照明器具である。

誤りです。
拡散グローブ照明は直接照明としても間接照明としても使用されます。

選択肢3. 室内表面の輝度対比が大きすぎると、視覚的疲労感を生じる。

正しいです。
輝度対比とは明るいところと暗いところの差のことです。
輝度対比が大きいと目の順応が必要になる頻度が多くなり
疲労感につながります。

選択肢4. 光が当たった物体の表面が平滑な場合、光は正反射し、光沢となる。

正しいです。
平滑な面に光が当たると正反射が起き光沢となります。

選択肢5. タスク・アンビエント照明方式では、高照度が必要となる作業領域を局部照明で明るくすることで、全般照明による照度を抑えることができる。

正しいです。
照明を作業用(タスク)と周辺(アンビエント)に分けることで
省エネとグレア低減を図ることができます。

まとめ

光と照明に関する用語を覚えておきましょう。

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03

照明環境を計画する際には、必要な明るさだけでなく、まぶしさ、室内各部の輝度のバランス、光の反射特性なども考慮する必要があります。また、照明器具には光を直接室内へ照射する方式や、天井・壁などで反射させる間接照明などがあります。タスク・アンビエント照明のように、作業部分と周囲の照明を分けることで、省エネルギーと適切な視環境を両立させる方法もあります。

選択肢1. 事務所における製図室のグレア制限値は、事務室のグレア制限値よりも低い。

適切です。グレアとは、照明器具などの強い光によって生じるまぶしさのことで、視作業を妨げたり不快感を与えたりします。製図室では、細かな線や図面を長時間正確に見る必要があるため、一般の事務作業よりもグレアを厳しく抑えることが求められます。グレア制限値は値が低いほど許容されるまぶしさが小さいことを意味するため、製図室の値が事務室より低く設定されることは適切です。

選択肢2. 拡散グローブ照明は、間接照明型の照明器具である。

不適切です。拡散グローブ照明は、光源を半透明などのグローブで覆い、光をさまざまな方向へ拡散させる照明器具です。グローブは光を拡散させて柔らかな光をつくるためのものであり、光をいったん天井や壁に当て、その反射光によって室内を照らす間接照明とは仕組みが異なります。したがって、拡散グローブ照明を間接照明型とする記述は適切ではありません。パナソニックもグローブを、光を拡散するためにランプの大部分を覆う部材として説明しています。

選択肢3. 室内表面の輝度対比が大きすぎると、視覚的疲労感を生じる。

適切です。輝度は、人の目から見た面の明るさの程度を表します。室内で非常に明るい部分と暗い部分が隣り合い、輝度の差が大きくなりすぎると、視線を移動するたびに目が明るさへ順応しなければならなくなります。この状態が繰り返されると目への負担が増え、視覚的な疲労や不快感につながります。そのため、照明計画では室内各部の輝度が極端に不均一にならないよう配慮することが重要です。

選択肢4. 光が当たった物体の表面が平滑な場合、光は正反射し、光沢となる。

適切です。物体の表面が滑らかな場合、入射した光は一定の方向にそろって反射しやすくなります。このような反射を正反射といい、鏡や磨かれた金属などで典型的に見られます。正反射した光が目に入ると、その部分が明るく輝いて見え、光沢として認識されます。一方、表面に細かな凹凸がある場合は光がさまざまな方向へ散らばる拡散反射が起こりやすく、正反射による強い光沢は現れにくくなります。

選択肢5. タスク・アンビエント照明方式では、高照度が必要となる作業領域を局部照明で明るくすることで、全般照明による照度を抑えることができる。

適切です。タスク・アンビエント照明方式は、室内全体を照らすアンビエント照明と、机上などの作業領域を照らすタスク照明を組み合わせる方式です。高い照度が必要な場所だけを局部的に明るくできるため、室内全体を一律に高照度とする必要がありません。その結果、全般照明の照度や消費電力を抑えながら、必要な作業面の明るさを確保できます。電気設備学会誌でも、この方式によりベース照明の照度を低く抑え、省エネルギーを図れると説明されています。

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