建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第55回(令和7年度(2025年))
問86 (空気環境の調整 問41)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第55回(令和7年度(2025年)) 問86(空気環境の調整 問41) (訂正依頼・報告はこちら)

音・振動環境の保守管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 室内の平均的な音の大きさを評価するためには、極力多くの点で測定し、測定値を平均化する必要がある。
  • 扉の日常的な開閉により、ゴムパッキンが切れたり、ずれたりすることで、遮音性能が低下することがある。
  • 対象となる騒音・振動を測定する際には、暗騒音・暗振動が大きい時間帯を避ける。
  • 風・地震等により建物の層間変位が起こり、壁や床に隙間が生じ、遮音性能が低下することがある。
  • 設備機器の振動による固体伝搬音の対策として、壁、床等の遮音性能を向上させることが重要である。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題で覚えておくポイントは以下の通りです。騒音・振動の保守管理では、「測定方法の基本」と「遮音性能の低下要因」、そして「固体伝搬音の対策方法」が問われます。

選択肢1. 室内の平均的な音の大きさを評価するためには、極力多くの点で測定し、測定値を平均化する必要がある。

正しいです。
室内の騒音レベルは場所によって異なるため、複数の測定点でデータを取得し、平均化することで、室内全体の音環境を適切に評価できます。

選択肢2. 扉の日常的な開閉により、ゴムパッキンが切れたり、ずれたりすることで、遮音性能が低下することがある。

正しいです。
扉の気密性を保つゴムパッキンは、日常的な開閉の繰り返しによって摩耗・損傷し、隙間が生じます。音は小さな隙間からも漏れやすいため、パッキンの劣化は遮音性能の低下に直結します。

選択肢3. 対象となる騒音・振動を測定する際には、暗騒音・暗振動が大きい時間帯を避ける。

正しいです。
暗騒音・暗振動とは、測定対象以外のすべての音・振動の総称です。これらが大きい時間帯に測定を行うと、対象の騒音・振動との差が小さくなり、正確な測定結果が得られません。

選択肢4. 風・地震等により建物の層間変位が起こり、壁や床に隙間が生じ、遮音性能が低下することがある。

正しいです。
強風や地震による建物の揺れ(層間変位)は、壁・床・天井の接合部に微細な隙間や亀裂を生じさせることがあります。

選択肢5. 設備機器の振動による固体伝搬音の対策として、壁、床等の遮音性能を向上させることが重要である。

誤りです。
固体伝搬音は、設備機器の振動が建物の床・壁・梁などの躯体を通じて伝わり、別の場所で音として放射されるものです。この種の音への対策は、振動が躯体に伝わらないようにする「防振」が基本です。

まとめ

騒音・振動の保守管理では、「空気伝搬音」と「固体伝搬音」の違いを理解することが重要です。

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02

最も不適当なものは「設備機器の振動による固体伝搬音の対策として、
壁、床等の遮音性能を向上させることが重要である」です。

選択肢1. 室内の平均的な音の大きさを評価するためには、極力多くの点で測定し、測定値を平均化する必要がある。

正しいです。
平均値をとる場合は測定点を多くすることが望ましいです。
少ないと測定点によってばらつきが大きくなる可能性があります。

選択肢2. 扉の日常的な開閉により、ゴムパッキンが切れたり、ずれたりすることで、遮音性能が低下することがある。

正しいです。
ゴムパッキンに損傷などで扉に隙間ができると遮音性能が低下します。

選択肢3. 対象となる騒音・振動を測定する際には、暗騒音・暗振動が大きい時間帯を避ける。

正しいです。
暗騒音・暗振動とは測定対象以外のもともと存在している音や振動です。
暗騒音・暗振動が大きい時間帯を避けることで測定対象の騒音・振動を
正確に測定することができます。

選択肢4. 風・地震等により建物の層間変位が起こり、壁や床に隙間が生じ、遮音性能が低下することがある。

正しいです。
層間変位とは風・地震による各階が均等に動かずにずれが生じることです。
ずれにより隙間ができ遮音性能が低下する場合があります。

選択肢5. 設備機器の振動による固体伝搬音の対策として、壁、床等の遮音性能を向上させることが重要である。

誤りです。
固体伝搬音対策には発生する振動抑制や防振対策が必要です。
壁、床などの遮音性能向上は空気伝搬音に対して有効ですが、
固体伝搬音に対しては効果がありません。

まとめ

騒音・振動対策について覚えておきましょう。

参考になった数3

03

音・振動環境の保守管理では、室内の騒音を正しく測定するとともに、建物や設備の経年変化によって遮音・防振性能が低下していないかを確認することが重要です。特に、音の伝わり方には、空気中を伝わる「空気伝搬音」と、設備の振動が建物の構造体を通じて伝わる「固体伝搬音」があります。両者では有効な対策が異なるため、発生源と伝搬経路を把握して適切な方法を選ぶ必要があります。

選択肢1. 室内の平均的な音の大きさを評価するためには、極力多くの点で測定し、測定値を平均化する必要がある。

適切です。室内の音圧レベルは、音源からの距離、壁や天井による反射、室内の形状などによって場所ごとに異なります。そのため、室内全体の平均的な音環境を把握する場合には、特定の一点だけでなく、できるだけ多くの測定点を設定して測定することが重要です。複数地点の測定結果を用いて評価することで、特定の場所だけの影響を受けにくくなり、室内全体を代表する値を得やすくなります。

選択肢2. 扉の日常的な開閉により、ゴムパッキンが切れたり、ずれたりすることで、遮音性能が低下することがある。

適切です。扉は壁と比較して隙間が生じやすく、遮音性能を維持するためには、扉と枠の間をできるだけ密閉することが重要です。ゴムパッキンは、この隙間をふさいで音が漏れるのを抑える役割があります。日常的な開閉を繰り返すと、パッキンが摩耗したり、切れたり、正しい位置からずれたりすることがあります。わずかな隙間でも音の通り道となるため、パッキンの劣化は扉全体の遮音性能を低下させる原因になります。

選択肢3. 対象となる騒音・振動を測定する際には、暗騒音・暗振動が大きい時間帯を避ける。

適切です。暗騒音・暗振動とは、評価したい音や振動が発生していない状態でも存在する、周囲からの音や振動のことです。これらが大きい状態で測定すると、対象となる騒音・振動と区別しにくくなり、正確な評価が困難になります。そのため、交通量や周辺設備の稼働などによる暗騒音・暗振動ができるだけ小さい時間帯を選ぶことが望まれます。測定対象そのものの影響を明確に把握するために重要な考え方です。

選択肢4. 風・地震等により建物の層間変位が起こり、壁や床に隙間が生じ、遮音性能が低下することがある。

適切です。層間変位とは、風や地震などによって建物の上下の階が水平方向に相対的にずれることです。この変形によって壁、床、天井などの接合部分にひび割れや隙間が生じる場合があります。遮音では隙間をなくして気密性を確保することが非常に重要であり、小さな隙間でも音が透過する経路になります。そのため、建物に変形が生じた後は、構造体だけでなく壁や床などの接合部についても点検する必要があります。

選択肢5. 設備機器の振動による固体伝搬音の対策として、壁、床等の遮音性能を向上させることが重要である。

不適切です。固体伝搬音は、ポンプ、送風機、冷凍機などの設備機器で発生した振動が、床や壁、配管などの固体を通じて建物内に伝わり、その振動によって別の場所で音が放射される現象です。このため、単純に壁や床の遮音性能を高めても、振動そのものが構造体を伝わっていれば十分な対策にはなりません。防振ゴムや防振ばねによる設備機器の防振支持、配管への防振継手の設置など、振動が構造体へ伝わる経路を遮断する対策が重要です。

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