建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第48回(平成30年度(2018年))
問53 (空気環境の調整 問53)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第48回(平成30年度(2018年)) 問53(空気環境の調整 問53) (訂正依頼・報告はこちら)

室内気流に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 自由噴流では、吹出口から離れた中心軸速度が、距離に反比例して減衰する領域がある。
  • 吸込気流の吸込み速度は、吸込み中心からの距離の2乗におおむね反比例する。
  • 天井面に沿った噴流の到達距離は、自由噴流の場合より短くなる。
  • ドラフトは、不快な局部気流のことをいい、気流の速度、気流変動の大きさ、空気温度の影響を受ける。
  • 低温空気は室の底部に滞留する傾向があり、その傾向を利用した換気方式に置換換気がある。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は(3)です。

(1) 適当です。自由噴流では吹き出し口からの距離によって速度が減衰する度合いが違います。

第3域という領域では距離に反比例して中心軸速度が減衰します。

(2) 適当です。例えば距離が2倍になったら速度は4分の1になります。ただし吸い込み口のすぐ近くの領域を除きます。

(3) 不適当です。なんとなくイメージしやすいと思いますが、好き放題に拡散していく自由噴流より、ある程度方向が決まっている天井面に沿った噴流の方が遠くまで届きます。

(4) 適当です。「何かこの場所風が当たって気持ち悪いな」みたいに思ったことがあると思いますが、そういう気流のことをドラフトと言います。

(5) 適当です。 暖かい空気は密度が小さいので上へ上がっていき、冷えた空気は反対に下へ下がっていきます。

置換換気とは、床全体から給気させた冷たい空気が時間の経過とともに暖められて上へ上がっていき、その上がってきた空気を天井から排出する換気方法のことです。

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02

正解は、「天井面に沿った噴流の到達距離は、自由噴流の場合より短くなる。」です。

 

この問題は、室内気流の法則に関するものです。

室内気流は、吹出口の形状や設置位置、温度差、周囲の壁面条件によって大きく変化します。

代表的な気流には「自由噴流」「付着噴流」「吸込気流」があり、

それぞれ特性が異なります。

自由噴流は周囲に障害物がない場合の流れで、中心軸速度は距離に反比例して減衰します。

一方、天井や壁に沿って流れる付着噴流は、コアンダ効果により壁面に沿って流れますが、

摩擦や境界層の影響で減衰が遅くなり、

到達距離は自由噴流より長くなるのが一般的です。

選択肢1. 自由噴流では、吹出口から離れた中心軸速度が、距離に反比例して減衰する領域がある。

正しいです。自由噴流は、周囲に壁や天井などの影響を受けない噴流で、

吹出口から離れるにつれて速度が減衰します。

特に、噴流の発達領域では、中心軸速度は距離にほぼ反比例して低下します。

噴流が周囲の空気を巻き込みながら広がるためです。

選択肢2. 吸込気流の吸込み速度は、吸込み中心からの距離の2乗におおむね反比例する。

正しいです。吸込気流は、吸込み口に向かって周囲の空気が集まる流れで、

速度は距離の二乗に反比例します。これは、吸込み口を点源とみなした場合、

流量が一定であるため、距離が大きくなると速度は急激に低下するからです。

 

選択肢3. 天井面に沿った噴流の到達距離は、自由噴流の場合より短くなる。

不適当です。天井面に沿った噴流は、コアンダ効果により天井に付着して流れますが、

壁面の摩擦による減衰はあるものの、自由噴流よりも到達距離は長くなる傾向があります。

付着噴流が周囲の空気を巻き込みにくく、速度の減衰が遅いためです。

選択肢4. ドラフトは、不快な局部気流のことをいい、気流の速度、気流変動の大きさ、空気温度の影響を受ける。

正しいです。ドラフトとは、居住者が不快に感じる局部的な気流で、

特に冷たい風や急な風速変化が原因となります。

ドラフトの不快感は、気流速度が高い場合や変動が大きい場合、

また空気温度が低い場合に強くなります。

選択肢5. 低温空気は室の底部に滞留する傾向があり、その傾向を利用した換気方式に置換換気がある。

正しいです。低温空気は密度が高いため、自然に床付近に滞留します。

この性質を利用した換気方式が置換換気で、床付近から低速で冷気を供給し、

室内の熱源で暖められた空気を天井付近から排出します。

これにより、居住域の空気質を効率的に改善できます。

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