建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第48回(平成30年度(2018年))
問55 (空気環境の調整 問55)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第48回(平成30年度(2018年)) 問55(空気環境の調整 問55) (訂正依頼・報告はこちら)

空気清浄化と換気に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 空気交換効率は、室全体の換気効率を表すものである。
  • 電気集じん機は、ガス状物質の除去に利用できる。
  • 必要換気量は、人体への影響、燃焼器具への影響、熱・水蒸気発生の影響等から決定される。
  • 単位時間当たりに室内に取り入れる新鮮空気(外気)量を室容積で除したものを換気回数という。
  • 室内空気の清浄化にとって、換気は重要な役割を果たす。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は(2)です。

(1) 適当です。読んで字のごとくです。

(2) 不適当です。電気集塵機は電気の力で粒子状の物質を除去するものです。

ガス状ではありません。

(3) 適当です。部屋の使われ方によって必要な換気量は変わってきます。

(4) 適当です。

「単位時間当たりに室内に取り入れる新鮮空気/室容積」を換気回数と言います。

例えば1時間で室容積と同じだけの新鮮空気を入れた場合、1時間で全ての空気が入れ替わっているということになるので、換気回数は1回/hとなります。

(5) 適当です。

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02

正解は、「電気集じん機は、ガス状物質の除去に利用できる。」です。

この問題は、空気清浄化と換気の用語に関するものです。

空気清浄化と換気は、室内環境の快適性と健康維持に不可欠です。

換気は室内の汚染物質を希釈・排出し、外気を取り入れることで空気質を改善します。

一方、空気清浄化はフィルターや電気集じん機などを用いて、

粒子状物質(粉じん、煙、花粉など)を除去します。

電気集じん機は、荷電した粒子を電極に吸着させる仕組みで、

粒子除去に非常に有効ですが、ガス状汚染物質(VOC、臭気、CO₂など)には効果がありません。

ガス状物質の除去には、活性炭吸着や化学吸収が必要です。

選択肢1. 空気交換効率は、室全体の換気効率を表すものである。

正しいです。空気交換効率は、室内の汚染空気が、

どれだけ効率的に新鮮空気と置換されるかを示す指標です。

単なる換気回数だけでは、室内の空気質改善度を正確に評価できません。

例えば、吹出口と吸込口の位置関係や気流パターンによって、

同じ換気回数でも清浄度は異なります。

空気交換効率は、実際の空気の混合状態を考慮するため、

室内空気質の評価に重要です。

選択肢2. 電気集じん機は、ガス状物質の除去に利用できる。

不適当です。電気集じん機は、荷電した粒子を電極に吸着させる方式で、

粒子状物質(粉じん、煙、花粉など)の除去に非常に有効です。

しかし、ガス状物質(VOC、臭気、CO₂など)は分子レベルで存在し、

電気的に荷電しにくいため、電気集じん機では除去できません。

ガス状汚染物質の除去には、

活性炭フィルターや化学吸収、光触媒などの別の技術が必要です。

選択肢3. 必要換気量は、人体への影響、燃焼器具への影響、熱・水蒸気発生の影響等から決定される。

正しいです。必要換気量は、室内の空気質を維持するために必要な外気量で、

人体の健康(CO₂濃度、臭気)、燃焼器具の安全性(酸素供給)、

熱・水蒸気の発生による湿度や温度の調整などを考慮して決定されます。

建築基準法や衛生管理基準では、用途や人数に応じた換気量が規定されています。

 

選択肢4. 単位時間当たりに室内に取り入れる新鮮空気(外気)量を室容積で除したものを換気回数という。

正しいです。換気回数は、室内の空気が1時間に何回入れ替わるかを示す指標で、

次の式で表されます。

n=VQ​

nは換気回数(回/h)、Qは換気量(m³/h)、Vは室容積(m³)です。

換気回数は、室内の用途や人数に応じて基準値が定められており、

例えば事務室では約0.5~1回/h、病室では2回/h以上が推奨されます。

選択肢5. 室内空気の清浄化にとって、換気は重要な役割を果たす。

正しいです。換気は、室内の汚染物質(CO₂、臭気、微粒子、湿気など)を希釈・排出し、

外気を取り入れることで空気質を改善します。

特に、ガス状汚染物質や微生物の濃度低減には換気が不可欠です。

空気清浄機だけではガス状物質や湿度調整が困難なため、

換気と併用することが望ましいです。

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