建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第48回(平成30年度(2018年))
問56 (空気環境の調整 問56)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第48回(平成30年度(2018年)) 問56(空気環境の調整 問56) (訂正依頼・報告はこちら)

微生物とアレルゲンに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • ウイルスは、結露水中で増殖しやすい。
  • 真菌は、環境微生物として捉えられる。
  • 空気調和機内は、微生物の増殖にとって好環境となる。
  • アルテルナリアは、カビアレルゲンとして挙げられる。
  • ヒョウヒダニの糞と死骸は、アレルゲンになる。

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は(1)です。

(1) 不適当です。ウイルスは生きている細胞の中でしか増殖することができません。

(2) 適当です。真菌とはカビなどです。環境中のさまざまな場所に存在しています。

(3) 適当です。暗くて湿度も高く、人の手もあまり入らない空気調和器内は微生物が増殖するのにもってこいの環境です。そのため、衛生的に保つために適切な管理が必要になります。

(4) 適当です。アルテルナリアは水回りによく発生するカビの一種で、ススカビとも呼ばれます。

(5) 適当です。そのため、ただダニを駆除するだけでなく死骸や糞を除去することが大切です。

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02

正解は、「ウイルスは、結露水中で増殖しやすい。」です。

 

この問題は、微生物とアレルゲンの特徴に関するものです。

微生物やアレルゲンは、室内環境の衛生管理において重要な要素です。

ウイルス、細菌、真菌(カビ)はそれぞれ異なる増殖条件を持ちます。

ウイルスは宿主細胞がなければ増殖できず、結露水や水中で単独で増殖することはありません。

一方、細菌や真菌は水分や栄養があれば増殖可能で、

空調機内や結露部は微生物の繁殖に適した環境となります。

また、アレルゲンにはカビ由来やダニ由来があります。

選択肢1. ウイルスは、結露水中で増殖しやすい。

不適当です。ウイルスは自己増殖能力を持たず、宿主細胞に侵入して初めて複製できます。

結露水や水中では、宿主細胞が存在しないため増殖できません。

ウイルスは水分中で一定期間生存することはありますが、増殖は不可能です。

 

選択肢2. 真菌は、環境微生物として捉えられる。

正しいです。真菌(カビ)は自然界に広く分布し、室内環境でも発生します。

湿度が高く、栄養源(ホコリ、木材、紙など)がある場所で増殖しやすく、

空調機内や結露部は好環境となります。

真菌は胞子を空気中に放出し、吸入によって、

アレルギーや呼吸器疾患を引き起こすことがあります。

選択肢3. 空気調和機内は、微生物の増殖にとって好環境となる。

正しいです。空気調和機内は、結露水や湿気、ホコリ、温度条件が揃いやすく、

細菌や真菌の繁殖に適した環境です。

特にドレンパンやフィルター部は水分と栄養源が存在し、

微生物が増殖しやすい場所です。

これが原因で、カビ臭やアレルゲンの発生、

シックハウス症候群の一因となることがあります。

選択肢4. アルテルナリアは、カビアレルゲンとして挙げられる。

正しいです。アルテルナリア(Alternaria)は代表的なカビの一種で、

胞子が空気中に浮遊し、吸入によってアレルギー症状(喘息、鼻炎など)を引き起こします。

特に湿度の高い環境や換気不良の室内で増殖しやすく、

空調機や壁面に発生することがあります。

選択肢5. ヒョウヒダニの糞と死骸は、アレルゲンになる。

正しいです。ヒョウヒダニは家庭内に多く存在し、

糞や死骸が主要なアレルゲンとなります。

これらは非常に微細で空気中に浮遊しやすく、

吸入によって喘息やアレルギー性鼻炎を引き起こします。

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