建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第48回(平成30年度(2018年))
問66 (空気環境の調整 問66)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第48回(平成30年度(2018年)) 問66(空気環境の調整 問66) (訂正依頼・報告はこちら)

一般空調用吸収冷凍機に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 蒸発器では、冷水が取り出される。
  • 凝縮器では、冷媒が液化する。
  • 再生器では、吸収液が濃縮される。
  • 加熱エネルギーを複数段の再生器で利用するものがある。
  • 吸収器では、冷媒を散布する。

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この過去問の解説 (2件)

01

不適当なものは「吸収器では、冷媒を散布する。」です。

選択肢1. 蒸発器では、冷水が取り出される。

適当です。蒸発する時の気化熱により熱が奪われるので冷水が取り出せます。

選択肢2. 凝縮器では、冷媒が液化する。

適当です。気体が液体に変わることを凝縮というので当然ですね。

選択肢3. 再生器では、吸収液が濃縮される。

適当です。吸収式の冷凍サイクルを簡単に説明すると、

 蒸発器で冷媒が蒸発→吸収液が蒸発した冷媒を吸収→吸収液を加熱し冷媒と分離→冷媒を凝縮器へ送り液化する→蒸発器へ戻る

と、なります。

再生器では冷媒を含んだ吸収液を加熱して冷媒を分離します。つまり吸収液が濃くなります。

選択肢4. 加熱エネルギーを複数段の再生器で利用するものがある。

適当です。記述の通りです。

選択肢5. 吸収器では、冷媒を散布する。

不適当です。吸収器では、冷媒蒸気を吸収します。

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02

正解は、「吸収器では、冷媒を散布する。」です。

 

この問題は、一般空調用の吸収冷凍機に関するものです。

吸収冷凍機は、冷媒(水)と吸収液(リチウム臭化物など)を利用し、

熱エネルギーで冷凍効果を得るシステムです。それぞれの役割は、

蒸発器:冷媒(水)を蒸発させ、冷水を冷却する。

凝縮器:冷媒蒸気を冷却し液化する。

吸収器:冷媒蒸気を吸収液に吸収させる。

再生器:吸収液を加熱し、冷媒を分離して濃縮する。

膨張装置:圧力差を調整する。

です。

選択肢1. 蒸発器では、冷水が取り出される。

正しいです。蒸発器は、冷媒(水)を低圧下で蒸発させ、その際に周囲から熱を奪います。

この熱は冷水から供給されるため、冷水の温度が下がり、冷房用の冷水が得られます。

空調システムでは、この冷水をファンコイルや空調機に送って室内を冷却します。

選択肢2. 凝縮器では、冷媒が液化する。

正しいです。凝縮器は、再生器で分離された冷媒蒸気を冷却し、液化させる装置です。

冷却水を用いて冷媒の熱を奪い、液体状態に戻します。

この液化した冷媒は、再び蒸発器に送られ、冷却サイクルを繰り返します。

選択肢3. 再生器では、吸収液が濃縮される。

正しいです。再生器は、吸収器で冷媒蒸気を吸収した吸収液を加熱し、冷媒を分離します。

冷媒が蒸発して再生器から凝縮器へ送られる一方で、

吸収液は水分が減って濃縮され、再び吸収器に戻ります。

選択肢4. 加熱エネルギーを複数段の再生器で利用するものがある。

正しいです。吸収冷凍機には、シングルエフェクト(二重効用)や

ダブルエフェクト(二段再生)などの方式があります。

ダブルエフェクトでは、加熱エネルギーを効率的に利用するため、

複数段の再生器を設けて熱回収を行います。

そのため、エネルギー効率が向上します。

選択肢5. 吸収器では、冷媒を散布する。

不適当です。吸収器の役割は、

蒸発器から来た冷媒蒸気を吸収液に吸収させることです。

冷媒を散布するのではなく、

冷媒蒸気を吸収液に取り込むことで、

冷媒の循環を維持します。

吸収器では、吸収液を冷却しながら、

冷媒蒸気を効率的に吸収するため、冷却水が必要です。

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