建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第50回(令和2年度(2020年))
問174 (ねずみ、昆虫等の防除 問174)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第50回(令和2年度(2020年)) 問174(ねずみ、昆虫等の防除 問174) (訂正依頼・報告はこちら)

ネズミ用の薬剤やその効力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 経皮的な取り込みによる効力の発現を目的とした殺鼠剤はない。
  • 殺鼠剤による駆除を行った際、イエダニによる吸血被害が顕在化することがある。
  • ネズミの薬剤抵抗性は、免疫の獲得によって発達する。
  • ケーブルなどのかじり防止の目的で使用できる忌避剤がある。
  • 抗凝血性殺鼠剤の致死効果の発現は、遅効的である。

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この過去問の解説 (2件)

01

最も不適当なものは「ネズミの薬剤抵抗性は、免疫の獲得によって発達する。」です。
薬剤抵抗性は遺伝的な変異が子孫に伝わって発達します。ワクチンのように免疫を獲得して強くなるわけではありません。

選択肢1. 経皮的な取り込みによる効力の発現を目的とした殺鼠剤はない。

現在流通する殺鼠剤は、経口摂取(毒餌)か吸入(くん煙)を前提としています。皮膚から直接吸収させる製剤はありません。

選択肢2. 殺鼠剤による駆除を行った際、イエダニによる吸血被害が顕在化することがある。

宿主のネズミが死ぬと、寄生していたイエダニが人に移動して吸血する例が報告されています。適当です。

選択肢3. ネズミの薬剤抵抗性は、免疫の獲得によって発達する。

抵抗性は遺伝子変異による代謝酵素の強化や標的部位の変化が原因で、免疫とは無関係です。不適当です。

選択肢4. ケーブルなどのかじり防止の目的で使用できる忌避剤がある。

辛味成分や苦味成分を含むコーティング剤が市販され、配線や配管をかじられにくくできます。適当です。

選択肢5. 抗凝血性殺鼠剤の致死効果の発現は、遅効的である。

ワルファリン系などは摂取後数日かけて出血を引き起こすため、仲間に警戒されにくい遅効型です。適当です。

まとめ

抵抗性=遺伝的特性免疫=体内防御機構と区別して覚えましょう。

駆除後はネズミの死骸回収とイエダニ対策をセットで行うことが大切です。

物理的対策(忌避コート)と化学的対策(毒餌・くん煙)を組み合わせると、防除効果が高まります。

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02

この問題は、ネズミ用薬剤の種類や作用機序、抵抗性、忌避剤の用途などに関する知識を問うものです。殺鼠剤には急性毒性を利用したものや、抗凝血作用によって徐々に死に至らせるものがあります。また、ネズミの駆除後には寄生していたイエダニが人へ移動するケースも知られています。特に重要なのは、薬剤抵抗性の仕組みであり、これは人間の免疫とは異なる生物学的な現象として理解する必要があります。

選択肢1. 経皮的な取り込みによる効力の発現を目的とした殺鼠剤はない。

適切です。ネズミ用の殺鼠剤は、一般的に毒餌として経口的に摂取させることを目的として使用されます。昆虫用殺虫剤のように、皮膚から薬剤を吸収させて効果を発揮することを主目的とした製剤は、通常の殺鼠剤には存在しません。これはネズミが体毛に覆われており、皮膚から薬剤を十分吸収しにくいことも理由の一つです。そのため、防除では喫食性を高める工夫が重視されます。

選択肢2. 殺鼠剤による駆除を行った際、イエダニによる吸血被害が顕在化することがある。

適切です。イエダニはネズミ類に寄生して吸血するダニですが、宿主であるネズミが殺鼠剤によって死亡すると、新たな吸血源を求めて人に移動することがあります。その結果、ネズミ駆除後に人への刺咬被害が急に増える場合があります。このため、ネズミ防除を行う際には、必要に応じてダニ対策も同時に実施することが重要です。特に室内では衛生害虫対策を併用することが推奨されます。

選択肢3. ネズミの薬剤抵抗性は、免疫の獲得によって発達する。

不適切です。ネズミの薬剤抵抗性は、人間が病気に対して免疫を獲得する仕組みとは異なります。薬剤抵抗性は、もともと薬剤に強い性質を持った個体が生き残り、その性質を子孫へ伝えることで集団全体に広がっていく現象です。特に抗凝血性殺鼠剤では、長期間の使用によって抵抗性ネズミが問題となることがあります。これは遺伝的な適応であり、免疫反応によるものではありません。

選択肢4. ケーブルなどのかじり防止の目的で使用できる忌避剤がある。

適切です。ネズミは前歯が伸び続けるため、電線やケーブル、木材などをかじる習性があります。その結果、漏電や火災、通信障害の原因となる場合があります。これを防止するため、苦味成分や刺激臭を利用した忌避剤が使用されることがあります。忌避剤はネズミを殺すものではありませんが、対象物への接近やかじり行動を抑制する効果が期待できます。設備保護の面で重要な対策です。

選択肢5. 抗凝血性殺鼠剤の致死効果の発現は、遅効的である。

適切です。抗凝血性殺鼠剤は、血液凝固に必要なビタミンKの働きを阻害し、体内で出血を引き起こして死に至らせる薬剤です。効果は数日かけて徐々に現れるため、ネズミが毒餌に対して警戒心を抱きにくい特徴があります。即効性のある薬剤では仲間の死を見た他のネズミが警戒して食べなくなることがありますが、遅効性であることで継続的な喫食を促しやすく、防除効果を高めています。

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