建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問112 (給水及び排水の管理 問113)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問112(給水及び排水の管理 問113) (訂正依頼・報告はこちら)

給水設備における現象とその原因の組合せとして、最も不適当なものは次のうちどれか。
  • ウォータハンマ ――――― シングルレバー水栓による急閉
  • 貯水槽水面の波立ち ――― 迂回壁の設置
  • クリープ劣化 ―――――― 長時間継続する応力
  • 青水 ―――――――――― 銅イオンの浸出
  • 孔食 ―――――――――― ステンレス鋼管内の異物の付着

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この過去問の解説 (3件)

01

不適当なのは「貯水槽水面の波立ち―――迂回壁の設置」です。
迂回壁(バッフル)は、水の流れを穏やかにして短絡流を防ぐために設けるもので、波立ちを抑える側です。原因ではありません。

選択肢1. ウォータハンマ ――――― シングルレバー水栓による急閉

妥当です。急に水を止めると圧力が瞬間的に跳ね上がるため、水撃(ウォータハンマ)が起きやすくなります。シングルレバーは急閉になりやすいので要注意です。

選択肢2. 貯水槽水面の波立ち ――― 迂回壁の設置

不適当です。迂回壁は流入の勢いを分散し、流れを長くして水面を安定させるための部材です。未設置流入管の向き・位置が悪いときに波立ちが発生しやすくなります。

選択肢3. クリープ劣化 ―――――― 長時間継続する応力

妥当です。小さな応力でも長時間かかり続けると、材料がゆっくり変形・劣化する現象がクリープです。高温材料で顕著ですが、樹脂など常温でも起こり得ます。

選択肢4. 青水 ―――――――――― 銅イオンの浸出

妥当です。銅管の腐食で銅イオンが水に溶け出すと、青緑色の水(青水)になります。新設・軟水・滞留などが条件として重なると発生しやすいです。

選択肢5. 孔食 ―――――――――― ステンレス鋼管内の異物の付着

妥当です。付着物の下は酸素が不足して局部電池ができやすく、塩化物なども関わって局所的に深く腐食(孔食)が進むことがあります。異物付着や堆積は誘因になります。

まとめ

ポイントは、原因と対策を取り違えないことです。

迂回壁は波立ちの“原因”ではなく“抑制”のための部材

ウォータハンマは急閉が原因青水は銅の溶出孔食は付着物・塩化物・滞留が誘因、クリープは長時間の応力が原因です。
設備の現象は、流れの急変・滞留・付着・材料特性というキーワードで整理すると覚えやすいです。

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02

この問題で覚えておくポイントは以下の通りです。「迂回壁」は貯水槽内に設ける仕切り壁で、水の短絡流(ショートサーキット)を防いで槽内の均一な水流を確保するための「対策設備」です。波立ちの「原因」ではなく、貯水槽の構造上の設備であることを整理しておきましょう。

選択肢1. ウォータハンマ ――――― シングルレバー水栓による急閉

正しい組合せです。
シングルレバー水栓は操作が簡単なため、急激に閉じることができ、これが管内の急激な圧力変化(ウォーターハンマー・水撃作用)を引き起こす原因となります。
 

選択肢2. 貯水槽水面の波立ち ――― 迂回壁の設置

誤りです。
迂回壁(ばいかい壁)は、貯水槽内に設置する仕切り壁であり、流入した水が入口から出口へ直接流れる短絡流(ショートサーキット)を防いで、水が槽内を均一に循環するようにするための構造上の対策です。迂回壁は波立ちを防ぐ(または水流を整える)ための設備であって、波立ちの「原因」ではありません。
 

選択肢3. クリープ劣化 ―――――― 長時間継続する応力

正しい組合せです。
クリープ(creep)とは、材料が一定の荷重(応力)を受け続けることで、時間とともに徐々に変形・劣化が進む現象です。配管等でも長時間の応力により生じることがあります。

選択肢4. 青水 ―――――――――― 銅イオンの浸出

正しい組合せです。
銅管から銅イオンが溶出すると水が青みがかる「青水」が発生します。pH・温度・使用条件によって銅イオンの溶出量が変化します。

選択肢5. 孔食 ―――――――――― ステンレス鋼管内の異物の付着

正しい組合せです。
孔食(ピッティングコロージョン)は、ステンレス鋼管の内面に塩化物イオンを含む異物が局所的に付着・堆積することで、その部分のみ集中的に腐食が進行し、穴があく現象です。
 

まとめ

迂回壁は「原因」ではなく「短絡流防止のための対策設備」です。各現象とその原因の対応関係(ウォーターハンマー・青水・孔食・クリープ劣化)はいずれも頻出事項なので合わせて整理しておきましょう。

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03

この問題は、給水設備で発生する代表的な現象と、その原因や発生条件との関係について理解しているかを問うものです。設備管理では、異常現象が発生した際に原因を正しく把握し、適切な対策を講じることが重要です。ウォータハンマや腐食、材料劣化、水質異常などは実際の建築設備でも頻繁に問題となります。各現象の名称だけを暗記するのではなく、どのような条件で発生し、どのような対策が必要となるのかを関連付けて理解しておくことが大切です。

選択肢1. ウォータハンマ ――――― シングルレバー水栓による急閉

適切です。ウォータハンマは、配管内を流れている水が急激に停止した際に発生する圧力上昇現象です。シングルレバー水栓や電磁弁などは短時間で止水できるため、水流が急停止しやすく、配管内部に衝撃圧が発生します。これにより配管の振動や異音が生じ、場合によっては継手の緩みや機器の損傷につながることがあります。対策としては、緩閉式水栓やウォータハンマ防止器の設置などが行われます。

選択肢2. 貯水槽水面の波立ち ――― 迂回壁の設置

不適切です。貯水槽内の水面が波立つ現象は、流入水の勢いが強い場合などに発生しますが、迂回壁の設置はその波立ちを抑制するための対策です。迂回壁は流入した水の勢いを弱め、水流を分散させる役割を持っています。そのため、波立ちの原因ではなく、防止策として設置される設備です。問題文では原因と結果の関係が逆になっているため、不適当な組合せとなります。

選択肢3. クリープ劣化 ―――――― 長時間継続する応力

適切です。クリープとは、材料に比較的小さな力が長時間加わり続けることで、時間の経過とともに変形が進行する現象です。特にプラスチック配管や樹脂製部材などで問題となることがあります。短時間では問題のない応力であっても、長期間継続すると徐々に変形し、接続部の緩みや破損につながる場合があります。設備の設計では、長期使用を考慮した応力管理が重要になります。

選択肢4. 青水 ―――――――――― 銅イオンの浸出

適切です。青水とは、水が青色や青緑色に見える現象であり、銅管から溶け出した銅イオンが原因となることがあります。溶出した銅イオンが石けん成分などと反応して青緑色の付着物を生じる場合もあります。特に新設の銅配管や、水質条件によって銅が溶出しやすい環境で発生しやすい現象です。人体への影響は通常大きくありませんが、美観上の問題や利用者の不安につながることがあります。

選択肢5. 孔食 ―――――――――― ステンレス鋼管内の異物の付着

適切です。孔食とは、金属表面の一部分だけが局所的に腐食し、小さな穴が開くように進行する腐食現象です。ステンレス鋼管では、本来表面の不動態皮膜によって腐食が防止されていますが、異物の付着や塩化物イオンの存在によってこの保護膜が破壊されることがあります。その結果、局所的に腐食が進行し、漏水事故につながる場合があります。定期的な清掃や適切な水質管理が予防に有効です。

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