建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問113 (給水及び排水の管理 問114)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問113(給水及び排水の管理 問114) (訂正依頼・報告はこちら)

給水設備の配管に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 給水管と排水管が平行して埋設される場合には、給水管は排水管の上方に埋設する。
  • 止水弁は、主管からの分岐、各系統の起点、機器との接続部等に設置する。
  • ポンプに弁及び配管を取り付ける場合には、その荷重が直接ポンプにかからないように支持する。
  • 建物の揺れ、配管の振動等による変位を吸収するため、貯水槽と配管との接続には伸縮継手を使用する。
  • 機器との接続配管は、機器の交換の際に容易に機器が外せるフランジ接合などとする。

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この過去問の解説 (1件)

01

不適当なのは「建物の揺れ、配管の振動等による変位を吸収するため、貯水槽と配管との接続には伸縮継手を使用する。」です。
貯水槽まわりの揺れ・ズレ・振動の吸収には、可とう継手(フレキシブルジョイント)を用いるのが一般的です。伸縮継手は主に配管の熱膨張・収縮の長さ変化を吸収する用途で、タンク接続部の変位吸収とは目的が異なります。

選択肢1. 給水管と排水管が平行して埋設される場合には、給水管は排水管の上方に埋設する。

適切です。漏水・漏えい時の汚染リスクを避けるため、給水管は上側に、排水管は下側にします。上下離隔と水平離隔を確保して、給水への逆流汚染の可能性を下げます。

選択肢2. 止水弁は、主管からの分岐、各系統の起点、機器との接続部等に設置する。

適切です。系統の区切り・機器ごとに止水できるよう、分岐点・起点・機器接続部に設置します。点検や局所トラブル時の影響範囲の最小化に有効です。

選択肢3. ポンプに弁及び配管を取り付ける場合には、その荷重が直接ポンプにかからないように支持する。

適切です。バルブや配管の自重・振動荷重がポンプ本体に伝わらないようにハンガー・サポートで支持します。フランジ部の歪み・漏れを防ぎます。

選択肢4. 建物の揺れ、配管の振動等による変位を吸収するため、貯水槽と配管との接続には伸縮継手を使用する。

不適切です。タンク接続では、変位・振動・据付誤差を吸収するため、可とう継手(フレキシブルジョイント、ゴム継手等)を用います。伸縮継手は軸方向の伸び縮み吸収が主目的で、曲げ・偏心・揺れへの追従性が不足し、用途が合いません。

選択肢5. 機器との接続配管は、機器の交換の際に容易に機器が外せるフランジ接合などとする。

適切です。取外しやすい接合(フランジやユニオン)にしておくと、更新・点検が容易です。口径が小さい場合はユニオン、大きい場合はフランジが一般的です。

まとめ

給水配管の基本は、衛生面の配慮(給水は上・排水は下)止水弁の配置による保守性機器に荷重をかけない支持更新しやすい接合、そして用途に合った継手選定です。特にタンク接続=可とう継手熱膨張対策=伸縮継手という役割の違いを押さえると、迷いません。

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