建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問126 (給水及び排水の管理 問127)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問126(給水及び排水の管理 問127) (訂正依頼・報告はこちら)

排水の水質に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • pH値は、汚水の処理工程において変化するため、処理の進行状況を推定する際に用いられる。
  • (BOD/COD)比が高い排水は、生物処理法より物理化学処理法が適している。
  • 窒素化合物は、閉鎖性水域の富栄養化の原因物質の一つである。
  • 総アルカリ度は、硝化・脱窒反応における指標として用いられる。
  • ヘキサン抽出物質は、比較的揮発しにくい油脂類などである。

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この過去問の解説 (1件)

01

不適当なのは「(BOD/COD)比が高い排水は、生物処理法より物理化学処理法が適している。」です。
BOD/COD比が高い=生分解性が高いことを意味します。したがって生物処理が適していると考えるのが基本です。

選択肢1. pH値は、汚水の処理工程において変化するため、処理の進行状況を推定する際に用いられる。

そのとおりです。例えば硝化でpHが下がる脱窒でpHが戻るなど、工程ごとの変化を運転指標として使います。

選択肢2. (BOD/COD)比が高い排水は、生物処理法より物理化学処理法が適している。

不適当です。BOD/COD比が高いほど有機物が微生物に分解されやすいため、活性汚泥法などの生物処理が有利です。比が低いと生物処理が効きにくく、凝集沈殿や活性炭吸着などの物理化学処理を検討します。

選択肢3. 窒素化合物は、閉鎖性水域の富栄養化の原因物質の一つである。

そのとおりです。窒素やリンが増えると藻類の増殖が進み、富栄養化を招きます。

選択肢4. 総アルカリ度は、硝化・脱窒反応における指標として用いられる。

そのとおりです。硝化はアルカリ度を消費し、脱窒で一部回復します。アルカリ度の監視は工程安定化に役立ちます。

選択肢5. ヘキサン抽出物質は、比較的揮発しにくい油脂類などである。

そのとおりです。n-ヘキサン抽出物質(油分)は、動植物油・鉱油・グリースなどの揮発しにくい油脂類を表します。

まとめ

ポイントはBOD/COD比の意味です。

高い生分解性が高い→生物処理向き

低い生分解性が低い→物理化学処理の併用を検討
あわせて、pH・アルカリ度は工程管理の基本指標、窒素は富栄養化要因ヘキサン抽出物質は油分と整理して覚えると判断が安定します。

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