建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第51回(令和3年度(2021年))
問174 (ねずみ、昆虫等の防除 問175)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第51回(令和3年度(2021年)) 問174(ねずみ、昆虫等の防除 問175) (訂正依頼・報告はこちら)

衛生害虫と健康被害に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • イエバエは、消化器感染症の病原体を運ぶことが知られている。
  • 微小なダニや昆虫類の死骸の破片は、喘息の原因の一つである。
  • ハチ毒中には、アミン類以外に、アレルギー反応を起こす酵素類が含まれている。
  • ヒアリが各地の港湾地区で発見されており、皮膚炎の被害が懸念されている。
  • トコジラミは、高齢者の入院患者が多い病院での吸血被害が問題となっている。

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この過去問の解説 (1件)

01

最も不適当なのは「トコジラミは、高齢者の入院患者が多い病院での吸血被害が問題となっている。」です。
トコジラミは宿泊施設や住居、寮、シェルターなどで問題になりやすい害虫です。医療機関で発生例が全くないわけではありませんが、病院が主な発生の場というわけではありません。設問の表現は実態より強く、誤解を招きます。

選択肢1. イエバエは、消化器感染症の病原体を運ぶことが知られている。

適切です。 イエバエは排泄物や腐敗物に接触し、その体表や口器に細菌・ウイルス・寄生虫卵などを付着させて食品や食器へ機械的に運ぶことがあります。下痢・食中毒との関連が指摘されています。

選択肢2. 微小なダニや昆虫類の死骸の破片は、喘息の原因の一つである。

適切です。 ヒョウヒダニ類の死骸・糞、ゴキブリ由来の破片などはアレルゲンとなり、喘息やアレルギー性鼻炎の誘発・悪化要因になります。掃除や湿度管理が重要です。

選択肢3. ハチ毒中には、アミン類以外に、アレルギー反応を起こす酵素類が含まれている。

適切です。 スズメバチ・アシナガバチ等の毒にはヒスタミンなどのアミン類に加え、ホスホリパーゼ、ヒアルロニダーゼなどの酵素が含まれ、痛み・腫れ、アレルギー反応(時に重篤)を引き起こします。

選択肢4. ヒアリが各地の港湾地区で発見されており、皮膚炎の被害が懸念されている。

適切です。 外来種ヒアリは港湾での発見が報告され、刺されると強い痛み・膿疱性の皮膚炎アナフィラキシーの危険があります。侵入監視と対策が進められています。

選択肢5. トコジラミは、高齢者の入院患者が多い病院での吸血被害が問題となっている。

不適切です。 トコジラミは宿泊施設・住宅・長期滞在施設での被害が中心です。病院で“特に問題となっている”という一般化は過剰で、主な発生場所としては適切ではありません。

まとめ

衛生害虫による健康被害は、発生場所の特徴と人への影響を正しく押さえることが大切です。

イエバエ=病原体の機械的運搬に注意。

ダニ・昆虫破片=アレルゲンで喘息悪化。

ハチ毒=アミン類+酵素で局所症状やアレルギー。

ヒアリ=刺傷による皮膚炎・重篤例に注意。
一方、トコジラミは主に宿泊・住環境で問題化しやすく、病院を代表例とするのは適切ではありません。

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