建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第52回(令和4年度(2022年))
問50 (空気環境の調整 問50)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第52回(令和4年度(2022年)) 問50(空気環境の調整 問50) (訂正依頼・報告はこちら)

自然換気の換気力に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 温度差による換気力は、開口部の高さの差に比例して増加する。
  • 温度差による換気力は、室内外空気の密度差に比例して増加する。
  • 風力による換気力は、外部風速の2乗に比例して増加する。
  • 風力による換気力は、開口部での風圧係数の2乗に比例して増加する。
  • 風力による換気力は、風向きが変わると変化する。

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この過去問の解説 (2件)

01

自然換気は風力による換気と温度差による換気がありますが

換気量は以下の式で求められます。

・風力換気

 風力換気の換気量=(流量係数)×(開口部の面積)×(風速)×√風圧係数の差

         =((風圧係数)×(空気の密度)×(風速)2)/2

・温度差換気

 温度差換気の換気量=(流量係数)×(開口部の面積)×√((開口部の高低差)×(空気の温度差))

          =(開口部の高低差)×(空気の密度差)×(重力加速度)

選択肢1. 温度差による換気力は、開口部の高さの差に比例して増加する。

不正解です。

温度差換気の換気量を求める式から、

換気量は開口部の高さの差に比例して増加します。

選択肢2. 温度差による換気力は、室内外空気の密度差に比例して増加する。

不正解です。

温度差換気の換気量を求める式から、

空気の密度差に比例して増加します。

選択肢3. 風力による換気力は、外部風速の2乗に比例して増加する。

不正解です。

風力換気の換気量を求める式から、

外部風速の2乗に比例して増加します。

選択肢4. 風力による換気力は、開口部での風圧係数の2乗に比例して増加する。

正解です。

風力換気の換気量を求める式から、

開口部の風圧に比例して増加します。

選択肢5. 風力による換気力は、風向きが変わると変化する。

不正解です。

風力による換気力は、風向きが変わると風の流れや強さが

異なるため換気力が変化します。

まとめ

換気の方法は風力や温度差を用いた自然換気と

機械を用いた機械換気があります。

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02

正解は、「風力による換気力は、開口部での風圧係数の2乗に比例して増加する。」です。

 

この問題は、自然換気の駆動力である温度差と風力の特性に関するものです。

自然換気は、温度差による浮力(スタック効果)と風圧によって生じます。

温度差による換気力は、開口部の高さ差と室内外の密度差に比例します。

一方、風力による換気力は、外部風速の2乗に比例し、風圧係数に依存しますが、

係数は線形であり、2乗には比例しません。

風向きが変わると風圧分布が変化し、換気力も変わります。

選択肢1. 温度差による換気力は、開口部の高さの差に比例して増加する。

正しいです。温度差換気は、上下の開口部間の高さ差が大きいほど換気力が増します。

これは浮力による圧力差が高さに比例するためです。

高層建築や吹抜け空間ではこの効果が顕著です。

選択肢2. 温度差による換気力は、室内外空気の密度差に比例して増加する。

正しいです。密度差は温度差に起因し、

密度差が大きいほど浮力が強くなり換気力が増します。

冬季や夏季の外気温との差が大きい場合、

自然換気が強く働きます。

選択肢3. 風力による換気力は、外部風速の2乗に比例して増加する。

正しいです。風圧は動圧に比例し、動圧は風速の2乗に比例します。

よって、風力換気は風速が2倍になると換気力は4倍になります。

選択肢4. 風力による換気力は、開口部での風圧係数の2乗に比例して増加する。

不適当です。 風圧係数は建物形状や風向きで決まる値であり、

換気力は風圧係数に比例し、2乗には比例しません。

風圧係数は、風速の2乗に比例します。

選択肢5. 風力による換気力は、風向きが変わると変化する。

正しいです。風向きが変わると建物の風圧分布が変化し、

開口部の圧力差も変わるため、

換気力が変わります。

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