建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第53回(令和5年度(2023年))
問26 (建築物の環境衛生 問26)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第53回(令和5年度(2023年)) 問26(建築物の環境衛生 問26) (訂正依頼・報告はこちら)

ヒトの温熱的快適性に影響する因子として、最も不適当なものは次のうちどれか。
  • 室内の気流
  • 室内の相対湿度
  • 室内の二酸化炭素濃度
  • 着衣量
  • 季節

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は、「室内の二酸化炭素濃度」です。

この問題は、ヒトの温熱的快適性に影響する因子に関するものです。

温熱的快適性とは、人体が周囲の温熱環境に対して不快感を感じず、

快適と認識する状態を指します。

これには、室温、気流、湿度、着衣量、活動量、

季節などの複数の要因が関与しています。

室内の二酸化炭素濃度は空気の清浄度や換気の指標にはなりますが、

温熱的快適性そのものには直接関係しません。

選択肢1. 室内の気流

正しいです。気流は、皮膚表面からの熱放散に大きく影響します。

風速が高いと体表面の熱が奪われやすくなり、

涼しく感じる一方、風速が低いと熱がこもりやすくなります。

特に夏季には気流による冷却効果が快適性に直結し、

冬季には過度な気流が寒さを感じさせる要因になります。

選択肢2. 室内の相対湿度

正しいです。相対湿度は、発汗による蒸発冷却の効率に影響します。

湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、

体温調節が困難になります。

逆に湿度が低すぎると皮膚や粘膜が乾燥します。

温熱的快適性を評価する上で、

湿度は気温と並んで重要な要素です。

選択肢3. 室内の二酸化炭素濃度

不適当です。二酸化炭素濃度は、

室内の換気状況や空気の清浄度を示す指標であり、

温熱的快適性には直接関与しません。

高濃度では眠気や集中力低下などの不快感が生じますが、

これは空気の質の問題です。

選択肢4. 着衣量

正しいです。着衣量は、人体の熱保持能力に直接影響します。

厚着をすれば熱が逃げにくくなり、寒さを感じにくくなります。

逆に薄着では熱が放散しやすく、涼しく感じます。

温熱的快適性の評価では、着衣量を数値化し、

熱収支の計算に用います。

選択肢5. 季節

正しいです。季節は、外気温や湿度、日射量などの環境条件に加え、

人体の温熱感覚にも影響します。

夏季と冬季では快適と感じる温度範囲が異なり、

季節によって快適性の基準が変化するため、

温熱的快適性に大きく影響します。

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02

不適当なのは「室内の二酸化炭素濃度」です。
温熱的快適性は、気温・放射(周囲表面の温度)・気流・湿度・着衣量・活動量などで決まります。二酸化炭素濃度は空気質の指標であり、温熱の快適さそのものには直接関係しません。

選択肢1. 室内の気流

適当。 風が強いと体表から熱が奪われ、涼しく(寒く)感じやすくなります。弱すぎても蒸し暑く感じます。

選択肢2. 室内の相対湿度

適当。 湿度が高いと汗が蒸発しにくく、むし暑く感じます。低すぎると乾燥して寒く感じやすいこともあります。

選択肢3. 室内の二酸化炭素濃度

不適当。 二酸化炭素濃度は換気の良し悪しや空気のこもりを示す指標で、温熱の快適さを左右する要素ではありません。高濃度はだるさや集中力低下に関係しますが、温熱感の指標ではありません。

選択肢4. 着衣量

適当。 服を重ねれば断熱が増えて暖かく、薄着なら涼しく感じます。温熱快適の主要因子です。

選択肢5. 季節

適当。 人は季節で順化(慣れ)が起き、同じ条件でも夏は涼しく、冬は寒く感じ方が変わることがあります。快適と感じる温度帯も季節でずれます。

まとめ

温熱的快適性は、環境側の4要素(気温・平均放射温度・気流・湿度)人体側の2要素(着衣量・活動量)が基本です。
二酸化炭素濃度は空気環境の清浄さの話で、温熱快適性の因子とは切り分けて覚えると迷いにくいです。

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