建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第53回(令和5年度(2023年))
問27 (建築物の環境衛生 問27)
問題文
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問題
建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第53回(令和5年度(2023年)) 問27(建築物の環境衛生 問27) (訂正依頼・報告はこちら)
- ヒトのがんの3分の2以上は、食事や喫煙等の生活習慣が原因とされる。
- がんは我が国の死因のトップであり、高齢化に伴い死亡者数が増え続けている。
- プロモータはDNAに最初に傷を付け、変異を起こさせる物質である。
- ウイルスが発がんの原因となることがある。
- ホルムアルデヒドには発がん性が認められる。
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この過去問の解説 (2件)
01
正解は、「プロモータはDNAに最初に傷を付け、変異を起こさせる物質である。」です。
この問題は、ヒトのがんに関する基本的な知識と、発がん要因に関するものです。
がんは日本における主要な死因であり、特に高齢化の進行に伴って死亡者数が増加しています。
がんの発症には遺伝的要因だけでなく、
食事、喫煙、飲酒、運動不足などの生活習慣が大きく関与しており、
予防の観点からも重要です。
また、発がんには「イニシエーター」と「プロモータ」という段階があり、
イニシエーターがDNAに傷をつけて変異を引き起こすのに対し、
プロモータはその変異細胞の増殖を促進する物質であり、役割が異なります。
建築物の環境衛生管理においては、このような有害物質の管理が重要です。
正しいです。がんの発症には遺伝的要因だけでなく、生活習慣が大きく関与しています。
特に喫煙、飲酒、食生活、運動不足、肥満などがリスク因子とされ、
疫学的研究ではがんの約60〜70%が生活習慣に起因すると報告されています。
予防の観点から、生活習慣の改善は必須です。
正しいです。日本では、がんは1981年以降、死因の第1位を占めており、
高齢化の進行に伴って罹患率・死亡率ともに上昇しています。
特に高齢者では免疫機能の低下や細胞修復能力の衰えにより、
がんの発症リスクが高まります。
不適当です。発がんの二段階説では、
DNAに傷をつけて変異を起こすのは「イニシエーター」であり、
「プロモータ」はその後の細胞増殖を促進する物質です。
正しいです。一部のウイルスは、がんの原因となることが知られています。
例えば、ヒトパピローマウイルスは子宮頸がん、
B型・C型肝炎ウイルスは肝がん、
EBウイルスは咽頭がんなどの発症に関与します。
ウイルスは遺伝子変異や免疫抑制が発がんの引き金となります。
正しいです。ホルムアルデヒドは、建材や接着剤などに含まれる揮発性有機化合物であり、
国際がん研究機関(IARC)ではグループ1(ヒトに対して発がん性あり)に分類されています。
長期曝露により鼻腔がんなどのリスクが高まることが報告されています。
室内環境管理でも重要な物質です。
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02
不適当なのは「プロモータはDNAに最初に傷を付け、変異を起こさせる物質である。」です。
発がんの流れでは、最初にDNAに傷(変異)を入れるのはイニシエータで、プロモータは変異を起こさず、増殖を促して腫瘍を進める役割です。その他の選択肢は、統計や科学的知見に合っています。
適当。 喫煙、飲酒、食事、運動不足、肥満などの生活習慣要因が大きな割合を占めると評価されています。研究によって割合は幅がありますが、生活習慣の改善ががん予防の中心である点は一致しています。
適当。 日本では死亡原因の第1位ががんで、高齢化により患者数・死亡者数が増加する傾向にあります。
不適当。 DNAに最初の変異を起こすのはイニシエータです。プロモータは遺伝子を直接傷つけず、細胞の増殖シグナルを高めるなどして腫瘍化を促進します。用語の取り違えです。
適当。 HPV、B型・C型肝炎ウイルス、EBウイルス、HTLV-1など、感染が発がんと関連するものがあります。ワクチンや治療で予防可能ながんもあります。
適当。 ホルムアルデヒドはヒトに対する発がん性が認められており、国際機関でも高い区分で評価されています。職場や室内での曝露低減が求められます。
がんの原因は生活習慣・感染・職業曝露・環境要因・遺伝など多様です。
発がんの仕組みでは、イニシエーション(変異の発生)→プロモーション(増殖促進)→プログレッション(悪性化)という段階を区別して考えると、用語の混同を防げます。
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