建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第53回(令和5年度(2023年))
問28 (建築物の環境衛生 問28)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第53回(令和5年度(2023年)) 問28(建築物の環境衛生 問28) (訂正依頼・報告はこちら)

アレルギーに関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • アレルギーは、ヒトに有害な免疫反応である。
  • アレルギー反応の発現には、体内の肥満細胞の働きが関係するものがある。
  • 低湿度は、気管支喘(ぜん)息の増悪因子である。
  • 予防には、ダニや真菌が増殖しないよう、換気や清掃が重要である。
  • 建築物衛生法において、ダニ又はダニアレルゲンに関する基準が定められている

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この過去問の解説 (2件)

01

正解は、「建築物衛生法において、ダニ又はダニアレルゲンに関する基準が定められている。」です。

この問題は、アレルギーに関する基本的な知識と、建築物環境衛生管理に関するものです。

アレルギーは、免疫系が本来無害な物質に過剰反応することで生じる疾患であり、

ヒトにとって有害な免疫反応とされています。

アレルギー反応には、肥満細胞が関与する即時型反応があり、

ヒスタミンなどの化学物質が放出されることで症状が引き起こされます。

また、低湿度は気道粘膜を乾燥させ、気管支喘息などの呼吸器系アレルギーを悪化させる要因となります。

予防には、ダニや真菌などのアレルゲンの発生を抑えるために、適切な換気や清掃が重要です。

ただし、建築物衛生法ではダニやダニアレルゲンに関する具体的な基準は定められていません。

選択肢1. アレルギーは、ヒトに有害な免疫反応である。

正しいです。アレルギーは、通常は無害な物質に対して免疫系が、

過剰に反応することで起こる現象です。

この免疫反応が身体に有害な症状(くしゃみ、喘息、皮膚炎など)を引き起こすため、

「有害な免疫反応」という表現は正しいです。

免疫の誤作動であり、現代の環境衛生管理において重要な課題です。

選択肢2. アレルギー反応の発現には、体内の肥満細胞の働きが関係するものがある。

正しいです。肥満細胞は、アレルゲンに対するIgE抗体が結合することで活性化され、

ヒスタミンなどの化学物質を放出します。

これがアレルギー症状を引き起こすメカニズムです。

肥満細胞はアレルギー反応の中心的な役割です。

 

選択肢3. 低湿度は、気管支喘(ぜん)息の増悪因子である。

正しいです。低湿度環境では、気道粘膜が乾燥しやすくなり、

刺激に対して過敏になりやすくなります。

これにより、気管支喘息の症状が悪化することがあります。

特に冬季の暖房使用時などは湿度管理が重要です。

選択肢4. 予防には、ダニや真菌が増殖しないよう、換気や清掃が重要である。

正しいです。ダニや真菌(カビ)は、アレルゲンとして喘息やアトピー性皮膚炎などの、

原因となることがあります。増殖を防ぐためには、湿度管理、換気、定期的な清掃が重要です。

特に寝具やカーペットなどのダニ対策は重要です。

選択肢5. 建築物衛生法において、ダニ又はダニアレルゲンに関する基準が定められている

不適当です。建築物衛生法では、空気環境(CO₂、温度、湿度、浮遊粉じんなど)や、

給水・排水・清掃に関する基準は定められていますが、

ダニやダニアレルゲンに関する具体的な数値基準は存在しません。

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02

不適当なのは「建築物衛生法において、ダニ又はダニアレルゲンに関する基準が定められている」です。
建築物衛生法(建築物環境衛生管理基準)には、温度・湿度・気流・二酸化炭素・一酸化炭素・浮遊粉じんなどの基準はありますが、ダニやダニアレルゲンの数値基準はありません。ダニ対策は清掃や湿度管理などの管理事項として求められますが、法定の測定項目や基準値にはなっていません。

選択肢1. アレルギーは、ヒトに有害な免疫反応である。

適当。 本来は体を守る免疫が、花粉や食物など無害なものにも過剰に反応して体に害を与える状態を指します。

選択肢2. アレルギー反応の発現には、体内の肥満細胞の働きが関係するものがある。

適当。 肥満細胞(マスト細胞)はIgE抗体と結びつき、アレルゲンに反応するとヒスタミンなどを放出し、くしゃみ・かゆみ・ぜん息様症状を引き起こします。

選択肢3. 低湿度は、気管支喘(ぜん)息の増悪因子である。

適当。 乾燥(低湿度)は気道の粘膜を乾かして刺激に敏感にし、咳や気道収縮を悪化させることがあります。いっぽうで高湿度もダニやカビを増やし悪化要因になるため、適正湿度の維持(目安40〜60%)が大切です。

選択肢4. 予防には、ダニや真菌が増殖しないよう、換気や清掃が重要である。

適当。 換気・除湿・拭き掃除・寝具の洗濯などでダニやカビの栄養・水分・住みかを減らすことが、予防の基本です。

選択肢5. 建築物衛生法において、ダニ又はダニアレルゲンに関する基準が定められている

不適当。 建築物衛生法の法定測定項目にダニやダニアレルゲンは含まれていません。関連するのは清掃の実施や湿度管理などの維持管理で、数値基準としての規定はないため、この記述は誤りです。

まとめ

アレルギー対策は、原因(アレルゲン)を減らす環境整備体の反応を抑える医療の両輪です。建築物衛生法の枠組みでは、温熱環境や空気環境の基準を守り、清掃・換気でダニやカビを抑えることがポイントになります。ダニの数値基準は法にはない、という線引きを覚えておくと混同しません。

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