建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第54回(令和6年度(2024年))
問23 (建築物の環境衛生 問3)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第54回(令和6年度(2024年)) 問23(建築物の環境衛生 問3) (訂正依頼・報告はこちら)

環境衛生に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 許容限界とは、生物が耐えきれなくなるストレス強度の限界のことである。
  • 許容濃度を守ることにより、ほとんどすべての労働者に、健康上の悪い影響は見られないとされている。
  • 有害物による、がんなどを除く特定の反応については、曝(ばく)露量が増加すると陽性者は直線的に増加する。
  • 有害物の負荷量と個体レベルにおける障害などの程度の関係を、量影響関係と呼ぶ。
  • 学校における環境衛生の基準は、学校保健安全法で定められている。

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この過去問の解説 (1件)

01

正解は、「有害物による、がんなどを除く特定の反応については、曝露量が増加すると陽性者は直線的に増加する。」です。

この問題は、環境衛生に関する基本的な概念や法令に関するものです。

環境衛生の分野では、有害物質の曝露と健康影響との関係を科学的に把握し、

適切な管理基準を設けることが重要です。

がん以外の特定の反応については、通常、一定のしきい値以下では影響が現れず、

曝露量が増加するにつれて影響が現れるという「しきい値モデル」が一般的です。

環境衛生管理においては、こうした毒性評価を理解し、適切なリスク管理を行うことが求められます。

選択肢1. 許容限界とは、生物が耐えきれなくなるストレス強度の限界のことである。

正しいです。許容限界は、生物が外的ストレス(温度、騒音、化学物質など)に対して耐えられる限界値を指します。

これを超えると、生理的・心理的な障害が生じる可能性があるため、

環境衛生管理では重要な指標です。

選択肢2. 許容濃度を守ることにより、ほとんどすべての労働者に、健康上の悪い影響は見られないとされている。

正しいです。許容濃度(TLV)は、労働者が有害物質に曝露されても,

健康障害を起こさないとされる濃度であり、

個人差はあるものの、統計的に「ほとんどすべての労働者」に、

悪影響が出ないとされるレベルです。

選択肢3. 有害物による、がんなどを除く特定の反応については、曝(ばく)露量が増加すると陽性者は直線的に増加する。

不適当です。曝露量と陽性者の関係は、「量反応関係」としてS字型の曲線で表されるのが一般的です。

曝露量が少ないと反応はほとんど見られず、ある閾値を超えると急激に陽性者が増加し、

さらに増加すると飽和します。がんなどの非閾値反応を除いても、

直線的な増加とは限らず、統計的には非線形であることが多いです。

選択肢4. 有害物の負荷量と個体レベルにおける障害などの程度の関係を、量影響関係と呼ぶ。

正しいです。「量影響関係」は、曝露量と個体に生じる影響の強さとの関係を示す概念です。

例えば、硫化水素の濃度が高まるにつれて、

粘膜刺激から嗅覚麻痺、意識障害、死亡へと影響が強まるように、

負荷量に応じて影響の程度が変化します。

選択肢5. 学校における環境衛生の基準は、学校保健安全法で定められている。

正しいです。学校環境衛生の基準は、学校保健安全法および、

文部科学省告示「学校環境衛生基準」によって定められています。

空気環境、照度、騒音、水質、清掃などの項目が規定されており、

児童・生徒の健康保持と快適な学習環境の確保を目的としています。

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