建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第54回(令和6年度(2024年))
問62 (空気環境の調整 問17)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第54回(令和6年度(2024年)) 問62(空気環境の調整 問17) (訂正依頼・報告はこちら)

個別方式の空気調和設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 水熱源ヒートポンプ方式のパッケージ型空調機には、冷房時の冷却水と暖房時の温水を別々の配管で供給する。
  • パッケージ型空気調和機の圧縮機の駆動源としては、電動機の他、ガスエンジンもある。
  • 個別方式の代表的な空気調和機は、パッケージ型空気調和機である。
  • ヒートポンプは、採熱源(ヒートソース)によって水熱源ヒートポンプと空気熱源ヒートポンプに分類される。
  • ビル用マルチパッケージは、インバータにより圧縮機の容量制御を行う機種が主流である。

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この過去問の解説 (3件)

01

不適当なものは、「水熱源ヒートポンプ方式のパッケージ型空調機には、冷房時の冷却水と暖房時の温水を別々の配管で供給する。」です

 

この問題は、空調設備の種類と構造に関するもので、実務でも非常に重要となります。

空調設備の方式やヒートポンプの分類、駆動源の多様性、インバータによる制御方式など、

基本的な空調技術の理解が求められています。

選択肢1. 水熱源ヒートポンプ方式のパッケージ型空調機には、冷房時の冷却水と暖房時の温水を別々の配管で供給する。

誤りです。水熱源ヒートポンプ方式では冷房時・暖房時に同じ配管系統で中間温度の水(熱搬送媒体)を循環させ、

それぞれの機器が必要に応じて冷暖房を行います。つまり、冷却水と温水を別々に供給することはないのが特徴になります。

選択肢2. パッケージ型空気調和機の圧縮機の駆動源としては、電動機の他、ガスエンジンもある。

正しいです。パッケージ型空気調和機の圧縮機の駆動源には、電動機だけでなくガスエンジンも使用されることがあり、

特に都市ガスを使うタイプもあります。エネルギー源の多様化により実例が多くあります。

選択肢3. 個別方式の代表的な空気調和機は、パッケージ型空気調和機である。

正しいです。個別方式の空気調和設備の代表格はパッケージ型空気調和機であり、設置・運用の容易さから広く用いられています。

選択肢4. ヒートポンプは、採熱源(ヒートソース)によって水熱源ヒートポンプと空気熱源ヒートポンプに分類される。

正しいです。ヒートポンプは、熱源が空気である「空気熱源型」と、水である「水熱源型」に分類されます。

冷媒回路は同じでも、熱交換対象が異なることで区分されています。

選択肢5. ビル用マルチパッケージは、インバータにより圧縮機の容量制御を行う機種が主流である。

正しいです。ビル用マルチパッケージ(VRF方式)は、インバータ制御により圧縮機の回転数を変化させて、

容量制御を行うのが主流であり、エネルギー効率にも優れています。

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02

個別方式の空気調和設備に関する問題です。

選択肢1. 水熱源ヒートポンプ方式のパッケージ型空調機には、冷房時の冷却水と暖房時の温水を別々の配管で供給する。

正:水熱源では、冷房を利用している時は、凝縮器を冷却水で冷やします。

冷却水が吸収した熱を利用して、冷房・暖房が同時併用できます。

選択肢2. パッケージ型空気調和機の圧縮機の駆動源としては、電動機の他、ガスエンジンもある。

誤:パッケージ型空気調和期の圧縮機の駆動は電動機やガスエンジンで行われます。

選択肢3. 個別方式の代表的な空気調和機は、パッケージ型空気調和機である。

誤:代表的な空気調和機は、パッケージ型です。

選択肢4. ヒートポンプは、採熱源(ヒートソース)によって水熱源ヒートポンプと空気熱源ヒートポンプに分類される。

誤:ヒートポンプは、採熱源により、水熱源と空気熱源に分類されます。

選択肢5. ビル用マルチパッケージは、インバータにより圧縮機の容量制御を行う機種が主流である。

誤:ビル用のマルチパッケージは、インバータによって圧縮機の容量制御を行う機種が代表的です。

まとめ

ヒートポンプに関しての問題でした。

それぞれの仕組みについてまとめておきましょう。

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03

個別方式の空気調和設備では、各室や各ゾーンごとに空調機を設置し、それぞれの負荷に応じて運転する方式が用いられます。代表例としてパッケージ型空気調和機やビル用マルチパッケージがあります。ヒートポンプ方式では空気や水などを熱源として利用し、冷房と暖房を切り替えます。水熱源ヒートポンプでは、通常、冷房用と暖房用で別々の水配管を用意するのではなく、共通の水系統を利用する点が重要です。

選択肢1. 水熱源ヒートポンプ方式のパッケージ型空調機には、冷房時の冷却水と暖房時の温水を別々の配管で供給する。

不適切です。水熱源ヒートポンプ方式では、各空調機に冷房用の冷却水配管と暖房用の温水配管を別々に設けるのではなく、一般に共通の循環水配管を用います。各ヒートポンプが冷房運転するときは循環水へ熱を放出し、暖房運転するときは循環水から熱を吸収します。このため、同じ建物内で冷房と暖房が混在する場合には、空調機相互で熱を融通できることも特徴です。冷房用と暖房用の水を別配管で供給するという説明は適当ではありません。

選択肢2. パッケージ型空気調和機の圧縮機の駆動源としては、電動機の他、ガスエンジンもある。

適切です。パッケージ型空気調和機では、冷媒を圧縮する圧縮機の駆動源として電動機を用いるものが一般的ですが、ガスエンジンで圧縮機を駆動する方式もあります。代表例がガスヒートポンプエアコンで、都市ガスやLPガスを燃料としてエンジンを運転し、その動力で圧縮機を作動させます。電力需要を抑えやすいことや、エンジン排熱を暖房時などに有効利用できることが特徴です。

選択肢3. 個別方式の代表的な空気調和機は、パッケージ型空気調和機である。

適切です。個別方式は、建物全体を一つの大型空調設備で処理するのではなく、室やゾーン単位で空気調和機を設置して運転する方式です。その代表的な機器がパッケージ型空気調和機です。冷凍機、熱交換器、送風機など空調に必要な主要機器が一体的に構成されており、室ごとの負荷に対応しやすいという特徴があります。事務所や店舗などでも広く利用され、運転時間や温度設定を個別に調整しやすい方式です。

選択肢4. ヒートポンプは、採熱源(ヒートソース)によって水熱源ヒートポンプと空気熱源ヒートポンプに分類される。

適切です。ヒートポンプは、低温側から熱をくみ上げて高温側へ移動させる装置であり、どこから熱を取り出すかによって分類できます。代表的なものとして、外気を熱源として利用する空気熱源ヒートポンプと、水を熱源として利用する水熱源ヒートポンプがあります。空気熱源方式は一般的なエアコンに広く採用され、水熱源方式では循環水や地下水などを利用します。採熱源によって区分するという記述は適切です。

選択肢5. ビル用マルチパッケージは、インバータにより圧縮機の容量制御を行う機種が主流である。

適切です。ビル用マルチパッケージは、1台または複数台の室外機に多数の室内機を接続し、各室の空調を個別に行える設備です。近年の機種では、インバータによって圧縮機の回転数を変化させ、建物内の空調負荷に応じて冷媒循環量や能力を調整する方式が主流です。必要な能力に合わせて圧縮機の運転を細かく制御できるため、一定速度で運転と停止を繰り返す方式に比べて、省エネルギー性や温度制御性の向上が期待できます。

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