建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第54回(令和6年度(2024年))
問82 (空気環境の調整 問37)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第54回(令和6年度(2024年)) 問82(空気環境の調整 問37) (訂正依頼・報告はこちら)

冷却塔と冷却水の維持管理に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 冷却水の強制ブローは、冷却水の濃縮防止に有効である。
  • 冷却水への薬剤処理は、適正濃度を維持するために、冷却塔への補給水量に比例した量の薬剤注入により行う。
  • 冷却塔及び冷却水は、使用開始時及び使用開始後、1か月以内ごとに1回、定期にその汚れの状況を点検する。
  • 角形(クロスフロー)冷却塔は、丸形(カウンターフロー)冷却塔と比較して空中に冷却水が飛散しやすいため、管理をより厳重にする必要がある。
  • 冷却水系統のレジオネラ属菌の増殖抑制のため、化学的洗浄と殺菌剤添加を併用する。

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この過去問の解説 (2件)

01

冷却塔と冷却水の維持管理に関する問題です。

機器は運転されて熱を発し、その熱から守るのが冷却水でそれを冷却するのが冷却塔です。

選択肢1. 冷却水の強制ブローは、冷却水の濃縮防止に有効である。

正:冷却水の強制ブローは、冷却水の濃縮防止のために定期的に行う必要があります。

選択肢2. 冷却水への薬剤処理は、適正濃度を維持するために、冷却塔への補給水量に比例した量の薬剤注入により行う。

正:冷却水の薬剤処理は、適正濃度を維持するために、冷却塔への補給量と比例した量を調整して注入します。

選択肢3. 冷却塔及び冷却水は、使用開始時及び使用開始後、1か月以内ごとに1回、定期にその汚れの状況を点検する。

正:冷却塔及び冷却水は、使用開始時とその後1か月ごとに汚れの状況を把握するために点検が必要です。

選択肢4. 角形(クロスフロー)冷却塔は、丸形(カウンターフロー)冷却塔と比較して空中に冷却水が飛散しやすいため、管理をより厳重にする必要がある。

誤:冷却塔は開放型でも角形(クロスフロー)と丸形(カウンターフロー)に分類されます。

それぞれ直行型と向流型ともいわれ、丸形は角形よりも冷却水が外気へ飛散しやす構造になっています。

問題文とは逆となります。

選択肢5. 冷却水系統のレジオネラ属菌の増殖抑制のため、化学的洗浄と殺菌剤添加を併用する。

正:冷却水系統はレジオネラ属菌の増殖抑制のために、化学的洗浄と殺菌剤添加を併用します。

まとめ

冷却塔と冷却水についての問題でした。

機器が運転されると必ず出る発熱から機器を守っているモノです。

その原理をまとめてある問題です。

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02

正解は、「角形(クロスフロー)冷却塔は、丸形(カウンターフロー)冷却塔と比較して、

空中に冷却水が飛散しやすいため、管理をより厳重にする必要がある。」です。

 

この問題は、冷却塔と冷却水の維持管理に関するものです。

冷却塔は空調設備の熱源機器から排熱を外気に放散する役割を担いますが、

外気と常時接触するため衛生管理上のリスクが高く、

特にレジオネラ属菌の増殖防止が大きな課題となります。

維持管理では、冷却水の濃縮防止、薬剤処理、定期点検、洗浄・殺菌などが必須であり、

法令や指針に基づいた適切な管理が求められます。

角形(クロスフロー)冷却塔は丸形(カウンターフロー)と比較して、

必ずしも飛散しやすいわけではありません。

選択肢1. 冷却水の強制ブローは、冷却水の濃縮防止に有効である。

正しいです。冷却塔では蒸発によって水が失われるため、

残留する成分が濃縮されます。

これを放置するとスケールや腐食の原因となり、

微生物繁殖も助長されます。

強制ブローは冷却水の一部を排出し、

補給水で希釈することで濃縮を防止する有効な手法です。

適切なブロー操作により濃縮倍率を一定範囲に維持でき、

設備の長寿命化や衛生管理に寄与します。

選択肢2. 冷却水への薬剤処理は、適正濃度を維持するために、冷却塔への補給水量に比例した量の薬剤注入により行う。

正しいです。薬剤処理は冷却水のスケール防止、

腐食抑制、微生物制御を目的として行われます。

薬剤濃度を適正に維持するためには、

蒸発やブローによる水量変化に応じて、

補給水量に比例した薬剤注入を行うことが基本です。

これにより濃度の過不足を防ぎ、安定した水質管理が可能となります。

選択肢3. 冷却塔及び冷却水は、使用開始時及び使用開始後、1か月以内ごとに1回、定期にその汚れの状況を点検する。

正しいです。冷却塔は外気と接触するため、藻類やスライム、スケールが発生しやすく、

衛生上のリスクが高い設備です。

定期点検は汚れや微生物繁殖を早期に発見し、

清掃や薬剤処理を適切に行うために不可欠です。

法令や指針でも冷却塔の定期点検は義務付けられており、

使用開始時とその後は1か月以内ごとに点検することが推奨されています。

選択肢4. 角形(クロスフロー)冷却塔は、丸形(カウンターフロー)冷却塔と比較して空中に冷却水が飛散しやすいため、管理をより厳重にする必要がある。

不適当です。クロスフロー型とカウンターフロー型は構造が異なりますが、

飛散の程度は設計や飛散防止装置の有無、運転条件によって左右され、

形状だけでは判断できません。

カウンターフロー型でも飛散は起こり得るため、

両者とも適切な飛散防止対策が必要です。

選択肢5. 冷却水系統のレジオネラ属菌の増殖抑制のため、化学的洗浄と殺菌剤添加を併用する。

正しいです。レジオネラ属菌は冷却塔で繁殖しやすく、

感染症の原因となるため厳格な管理が必要です。

化学的洗浄によりスライムやバイオフィルムを除去し、

殺菌剤添加で微生物を抑制する併用管理は有効です。

単独の処理では十分な効果が得られない場合があるため、

両者を組み合わせることで増殖抑制効果を高めることができます。

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