建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第54回(令和6年度(2024年))
問131 (給水及び排水の管理 問26)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第54回(令和6年度(2024年)) 問131(給水及び排水の管理 問26) (訂正依頼・報告はこちら)

排水通気配管に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 結合通気管は、高層建築物のブランチ間隔10以上の排水立て管において、最上階から数えてブランチ間隔10以内ごとに設ける。
  • 通気管の末端は、窓・換気口等の付近で大気に開放する場合、窓・換気口の上端から600mm以上立ち上げて開口する。
  • 通気立て管の下部は、排水立て管に接続されている最低位の排水横枝管より高い位置で、排水立て管から取り出す。
  • 伸頂通気方式では、排水立て管と排水横主管の接続には、大曲がりベンドなどを用いる。
  • 通気立て管の上部は、最高位の衛生器具のあふれ縁から150mm以上高い位置で伸頂通気管に接続する。

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この過去問の解説 (2件)

01

排水通気配管とは、排水主管と通気主管(それぞれの立て管)が一体化されて平行して設置されたものです。

選択肢1. 結合通気管は、高層建築物のブランチ間隔10以上の排水立て管において、最上階から数えてブランチ間隔10以内ごとに設ける。

正:結合通気管とは、排水と通気のそれぞれの主管を接続する通気管です。

高層建築物では、上階から数えてブランチ(枝管)間隔を10階以内に設置します。

選択肢2. 通気管の末端は、窓・換気口等の付近で大気に開放する場合、窓・換気口の上端から600mm以上立ち上げて開口する。

正:通気管の末端は、窓・排気口(外気への開口部)付近で大気への開放する場合、上端から上方へ0.6m(600㎜)以上、または水平方向へ3m以上立ち上げて開口します。

 

選択肢3. 通気立て管の下部は、排水立て管に接続されている最低位の排水横枝管より高い位置で、排水立て管から取り出す。

誤:通気立て管(通気主管)の下部は、最低部の排水横枝管よりも低い位置で排水立て管へ接続し、取り出します。

選択肢4. 伸頂通気方式では、排水立て管と排水横主管の接続には、大曲がりベンドなどを用いる。

正:伸頂通気方式では、排水立て管と排水横主管の接続は、満流防止の為3m以上離して大曲がりベントなどを用いて接続します。

選択肢5. 通気立て管の上部は、最高位の衛生器具のあふれ縁から150mm以上高い位置で伸頂通気管に接続する。

正:屋上を貫通する通気立て管の上部(開口部)は、衛生器具のあふれ線から150㎜(15㎝)以上高い位置で接続します。

ただし、庭園などがあると2m以上とします。

まとめ

排気排水配管に限らず、このような選択問題は規定よりも高い、低いか大きい、小さいを問う問題や数値を変えて出題されています。

そのようなことに注目して、問題文や選択肢を読むことで理解が深まると思います。

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02

最も不適当なものは、通気立て管の下部の接続位置に関する記述です。

通気立て管の下部は、排水横枝管よりも低い位置で接続するのが鉄則です。

 

選択肢1. 結合通気管は、高層建築物のブランチ間隔10以上の排水立て管において、最上階から数えてブランチ間隔10以内ごとに設ける。

適当(正しい記述)です。

結合通気管は、排水立て管内の圧力変動を防止するために設けます。

【重要ポイント】高層建築物では、最上階から「ブランチ間隔10以内ごと」に設ける必要があります。

ブランチ間隔とは、あくまで配管上の区切りですが、概ね「10階ごと」とイメージしておくと覚えやすいです。

選択肢2. 通気管の末端は、窓・換気口等の付近で大気に開放する場合、窓・換気口の上端から600mm以上立ち上げて開口する。

適当(正しい記述)です。

通気管の末端から出る臭気が、室内に戻らないようにするための規定です。

窓や換気口の付近で開放する場合は、それらの上端から600mm以上立ち上げて開口します。

【重要ポイント】 「150mm」や「300mm」と間違えやすいので、600mm(0.6m)という数値をしっかり押さえておきましょう。

選択肢3. 通気立て管の下部は、排水立て管に接続されている最低位の排水横枝管より高い位置で、排水立て管から取り出す。

最も不適当(誤り)な記述です。

問題文では「高い位置」となっていますが、正しくは低い位置です。

【正しい施工】 通気立て管の下部は、最低位の排水横枝管より低い位置で、かつ垂直または45度以内の角度で排水立て管に接続します。

【理由】 通気管内に落ちた錆(サビ)や結露水が詰まるのを防ぐためです。 低い位置で接続することで、これらのゴミを排水立て管へ洗い流すことができます。

選択肢4. 伸頂通気方式では、排水立て管と排水横主管の接続には、大曲がりベンドなどを用いる。

適当(正しい記述)です。

排水立て管の最下部(横主管への移行部)は、水が激しく衝突し、圧力が大きく変動します。

流れをスムーズにするために、大曲がりベンドなどのアール(曲がり)が大きい継手を使用します。 通常のエルボなどを使用すると、詰まりや圧力上昇の原因となります。

選択肢5. 通気立て管の上部は、最高位の衛生器具のあふれ縁から150mm以上高い位置で伸頂通気管に接続する。

適当(正しい記述)です。

万が一、排水管が詰まって水位が上がってきた時に、汚水が通気管へ逆流しないようにするための規定です。

【重要ポイント】 最高位の衛生器具のあふれ縁から150mm以上高い位置で接続します。

あふれ縁(水がこぼれるライン)よりもしっかり高い位置で繋ぐ、と覚えておきましょう。

まとめ

この問題は、具体的な「数値」と「接続位置(上下)」が頻出ポイントです。

・窓からは600mm以上上げる

・あふれ縁からは150mm以上上げる

・通気の下部は低い位置(ゴミを流すため)

通気立て管の下部は、最低位の排水横枝管より低い位置で接続は、ビル管理の実務でも非常に重要な知識ですので、優先して覚えましょう。

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