建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第54回(令和6年度(2024年))
問132 (給水及び排水の管理 問27)
問題文
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問題
建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第54回(令和6年度(2024年)) 問132(給水及び排水の管理 問27) (訂正依頼・報告はこちら)
- 特殊継手排水システム ――― ホテルの客室系統に適用
- 通気弁 ――― 寒冷地の集合住宅に適用
- 排水鋼管用可とう継手 ――― 排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管の接続
- プールのオーバフロー排水 ――― 排水口開放として排水
- 即時排水型ビルピット設備 ――― 排水槽の悪臭防止に有効
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この過去問の解説 (2件)
01
排水通気設備の名称や用途の組み合わせに関する問題です。
頭の中を整理するのに役立ちます。
正:特殊継手排水システムは、枝管から排水主管内に流下させる際に、特殊接手により旋回流をつくり流速を低下させます。
旋回流の中心部分を通気層とするので、排水主管が通気主管を兼ねています。
正:通気弁は、排水の配管に取り付ける空気を取り込める「弁」構造になっています。
それぞれの配管を合流させて、排水の流れをスムーズにしてくれます。
正:排水鋼管可とう継手は、中高層階ビルの汚水・雑排水に使用する屋内配管継手です。
建築物の挙動に対する追随性(可とう性)があり、熱による膨張・収縮による事故を防止します。
誤:プールのオーバフロー排水は、満水にしてあふれさせて、プールサイドから排水する仕組みです。
水面の浮遊物や表層汚れを除去し、吸い込み事故の防止になります。
正:即時排水型ビルピット設備は、汚水の滞留時間の短縮に着目して、汚水が腐敗する前に排出することが可能です。
ピット内に小型バレルを設置し、その中にポンプを設置して流入汚水を即時に排出します。
よって、排水層の悪臭防止になります。
設備の名称や機能の組み合わせは、どのような試験にも出題されて頭の中を混乱させます。
名称を聞いてどのようなものかをイメージできるまで何度も熟読するほかありません。
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02
最も不適当なものは、プールのオーバフロー排水の組み合わせです。
プールのオーバーフロー管は、衛生上の観点から間接排水とする必要があります。
適当(正しい記述)です。
特殊継手排水システム(ソベント方式など)は、旋回流を利用して空気の通り道を作ることで、通気立て管を省略できるシステムです。
【重要ポイント】
配管スペース(パイプシャフト)を節約できるため、客室数が多くスペース確保がシビアな「ホテル」や「高層住宅」などでよく採用されます。
適当(正しい記述)です。
通気弁(ドルゴ通気弁など)は、屋内で空気を吸い込む器具です。
【理由】
寒冷地では、屋根の上に通気管を開放すると、冬場に蒸気が凍結して通気管が閉塞(へいそく)する恐れがあります。
そのため、屋内で処理できる通気弁が寒冷地対策として非常に有効です。
適当(正しい記述)です。
排水用硬質塩化ビニルライニング鋼管(DVLP)の接続には、「排水鋼管用可とう継手」(MDジョイント等)を使用します。
【プロの視点】
可とう継手は、地震の揺れや、温度変化による管の伸縮を吸収してくれる重要な継手です。
異種管接続や、振動対策が必要な箇所で必須となります。
最も不適当(誤り)な記述です。
プールのオーバーフロー水(あふれた水)は、下水からの逆流や病原菌の侵入を絶対に防ぐ必要があります。
そのため、排水口空間(エアギャップ)を設けた間接排水としなければなりません。
「排水口開放」という記述は、接続方法の定義として不適当です。
【重要ポイント】
プール、冷蔵庫、空調機ドレン、給水タンクのオーバーフローなどは、すべて間接排水です。
セットで覚えておきましょう。
適当(正しい記述)です。
即時排水型ビルピット設備は、排水槽(ビルピット)に汚水を溜め込まず、溜まったらすぐにポンプで排出する仕組みです。
汚水が腐敗して硫化水素などの悪臭ガスが発生するのを防ぐため、悪臭防止に非常に効果的です。
この問題は、配管設備の「用途」と「適切な工法」の組み合わせを問われています。
特に間接排水にすべき器具(プール、飲料用タンク、冷蔵機器など)は、ビル管理試験の超頻出ポイントです。
「口に入るもの」や「人が触れる水」に関わる排水は、下水と直接つなげてはいけない(=間接排水)、という衛生管理の原則を押さえておきましょう。
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