建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第55回(令和7年度(2025年))
問33 (建築物の環境衛生 問13)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第55回(令和7年度(2025年)) 問33(建築物の環境衛生 問13) (訂正依頼・報告はこちら)

騒音とその影響に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 騒音による健康影響は、年齢や生活習慣等による複合的な要因によっても変化する。
  • 夜間騒音レベルが20dB程度で、実質的な生理学的影響が生じる。
  • 騒音によって起こる4,000Hz付近の聴力低下を、C5ディップという。
  • 一定時間内の騒音レベルは、等価騒音レベル(騒音レベルの測定時間内における平均値)によって評価する。
  • 騒音性難聴では、次第に高周波域から低周波域へ聴力低下が広がっていく。

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この過去問の解説 (2件)

01

この問題は、騒音が人体に与える影響と、騒音評価に関する基礎知識を問うものです。騒音は単に「うるさい」という不快感だけでなく、睡眠妨害、循環器への負担、聴力障害など幅広い影響を及ぼします。また、騒音の評価では、瞬間的な大きさだけでなく、一定時間の平均的な暴露状況を把握することが重要です。各選択肢では、健康影響、聴力障害の特徴、評価指標について正しく理解しているかが問われています。

選択肢1. 騒音による健康影響は、年齢や生活習慣等による複合的な要因によっても変化する。

適切です。騒音の影響は、単に音の大きさだけで決まるわけではありません。たとえば高齢者、睡眠不足の人、基礎疾患のある人、強いストレスを抱えている人では、同じ騒音でも受ける負担が大きくなることがあります。つまり、騒音の健康影響は個人差があり、年齢や生活習慣、体調、生活環境など複数の要因が重なって現れるため、この記述は正しいです。

選択肢2. 夜間騒音レベルが20dB程度で、実質的な生理学的影響が生じる。

不適切です。20dB程度の騒音は、非常に静かな環境に近いレベルであり、一般にこの程度で明確な生理学的影響が生じるとは考えにくいです。夜間騒音は睡眠の質に影響しますが、問題となるのは通常、もう少し高い騒音レベルです。睡眠妨害や心拍数の変化などの影響は、より大きな騒音で生じやすいため、この選択肢は過大に述べており不適切です。

選択肢3. 騒音によって起こる4,000Hz付近の聴力低下を、C5ディップという。

適切です。騒音性難聴では、初期の段階で4,000Hz付近の聴力が落ちやすいことが知られています。この特徴的な聴力低下をC5ディップと呼びます。日常会話の聞き取りにすぐ大きな支障が出ない場合もありますが、進行すると徐々に聞こえにくさが広がっていきます。健康診断や聴力検査で重要な所見であり、この記述は正しいです。

選択肢4. 一定時間内の騒音レベルは、等価騒音レベル(騒音レベルの測定時間内における平均値)によって評価する。

適切です。騒音は時間によって大きくなったり小さくなったりするため、一瞬の値だけでは実際の暴露状況を十分に把握できません。そこで用いられるのが等価騒音レベルです。これは、測定した時間全体を通じて受けた騒音エネルギーを、一定の騒音として換算した値です。環境騒音の評価で広く使われる基本的な指標であり、この説明は適切です。

選択肢5. 騒音性難聴では、次第に高周波域から低周波域へ聴力低下が広がっていく。

適切です。騒音性難聴は、まず高い周波数帯で障害が起こりやすく、進行するとより低い周波数帯にも影響が及びます。そのため、初期には高い音が聞き取りにくくなり、さらに進むと会話に必要な音域にも障害が広がっていきます。これは騒音性難聴の典型的な進行のしかたであり、聴力障害の特徴として正しい内容です。

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02

正解は、「夜間騒音レベルが20dB程度で、実質的な生理学的影響が生じる。」です。

この問題は、騒音とその影響に関するものです。

騒音が人に与える影響は、単に音の大きさだけでなく、

暴露時間、周波数特性、個人の年齢、生活習慣、健康状態など多くの要因が複合的に関わります。

騒音性難聴は長期的な大音響曝露により生じ、

まず4,000Hz付近の聴力が低下する「C5ディップ」が特徴的です。

進行すると高周波域から低周波域へと障害が広がります。

変動する騒音の評価には等価騒音レベル(LAeq)が用いられます。

一方、夜間の騒音は睡眠の質に影響しやすく、

40dBを超えると入眠妨害や覚醒反応が増えます。

選択肢1. 騒音による健康影響は、年齢や生活習慣等による複合的な要因によっても変化する。

正しいです。

騒音の影響は個人差が大きく、

年齢、生活習慣、既往症、ストレス状態、睡眠習慣などによって変化します。

例えば高齢者は聴覚が低下しているため騒音に気づきにくい一方、

睡眠が浅くなる傾向があるため夜間騒音の影響を受けやすいことがあります。

また、乳幼児は神経系が未発達であり、騒音によるストレス反応が強く出ることがあります。

生活習慣として、喫煙や飲酒、睡眠不足があると騒音による生理的負荷が増大することも知られています。

選択肢2. 夜間騒音レベルが20dB程度で、実質的な生理学的影響が生じる。

不適当です。

20dBは非常に静かな環境であり、

一般的には、木の葉の触れ合う音、深夜の静かな住宅地程度のレベルです。

この程度の音で生理学的影響が生じることはありません。

睡眠への影響が議論されるのは通常40dB以上で、

WHOの夜間騒音ガイドラインでも、

健康影響が顕著になるのは45dB以上とされています。

選択肢3. 騒音によって起こる4,000Hz付近の聴力低下を、C5ディップという。

正しいです。

騒音性難聴の初期症状として最も特徴的なのが、

4,000Hz付近の聴力が谷状に低下するC5ディップです。

これは耳の蝸牛内で、4,000Hz付近の有毛細胞が特に損傷を受けやすい構造になっているためです。

長期間の大音響曝露(工場、建設現場、ライブ会場など)により、

まずこの周波数帯が障害され、聴力検査で典型的な谷型のオージオグラムが現れます。

C5ディップは騒音性難聴の診断において重要な指標です。

選択肢4. 一定時間内の騒音レベルは、等価騒音レベル(騒音レベルの測定時間内における平均値)によって評価する。

正しいです。

騒音は時間とともに変動するため、瞬間的な最大値だけでは環境影響を評価できません。

そこで用いられるのが「等価騒音レベル(LAeq)」で、

測定時間内の音のエネルギーを平均化した指標です。

例えば交通騒音や工場騒音のように変動が大きい場合でも、

LAeqを用いることで総合的な騒音暴露量を評価できます。

選択肢5. 騒音性難聴では、次第に高周波域から低周波域へ聴力低下が広がっていく。

正しいです。

騒音性難聴は、まず高周波域(特に4,000Hz付近)から障害が始まり、

進行すると周囲の周波数帯へ広がっていきます。

これは高周波域の有毛細胞が構造的に損傷を受けやすいことが理由です。

長期間の曝露により、聴力低下は次第に中音域、さらに低音域へと拡大し、

会話音域(500〜2,000Hz)に影響が及ぶと日常生活に支障が出ます。

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