建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第55回(令和7年度(2025年))
問38 (建築物の環境衛生 問18)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第55回(令和7年度(2025年)) 問38(建築物の環境衛生 問18) (訂正依頼・報告はこちら)

赤外線、マイクロ波、レーザ光線に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 赤外線に曝(ばく)露される作業として、炉前作業や硝子加工作業がある。

  • 赤外線は、熱中症の原因となる。
  • 白内障は、一般に、赤外線の急性曝露により生じる。
  • マイクロ波は、生体の深部に到達し、熱作用を起こす。
  • レーザ光線の健康影響として、網膜損傷がある。

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この過去問の解説 (2件)

01

赤外線、マイクロ波、レーザ光線の性質と、それぞれが人体へ及ぼす健康影響に関する理解を問う問題です。赤外線は主に熱作用、マイクロ波は体内深部への加熱作用、レーザ光線は高い指向性による眼障害などが重要なポイントです。とくに白内障は赤外線ばく露との関連で知られていますが、急性ではなく、一般には反復的または長期的なばく露で生じやすい点を押さえる必要があります。したがって、正誤判断では「どの物理因子が、どのような機序で、どの部位に障害を与えるか」を整理して考えることが大切です。

選択肢1.

赤外線に曝(ばく)露される作業として、炉前作業や硝子加工作業がある。

適切です。赤外線は熱を伴う作業環境で多く発生するため、炉の前で行う作業や、溶融したガラスを扱う硝子加工作業では、作業者が強い赤外線にさらされやすくなります。赤外線は目や皮膚に熱作用を及ぼし、長時間にわたるばく露では健康障害の原因になります。そのため、こうした作業では遮熱板、保護眼鏡、作業時間の管理などの対策が必要です。現場で「熱い」と感じる環境では、単に気温が高いだけでなく、赤外線による放射熱の影響も大きいと理解すると分かりやすいです。

選択肢2. 赤外線は、熱中症の原因となる。

適切です。赤外線は物体や人体に吸収されると熱に変わるため、強い赤外線にさらされると体温上昇を招きます。熱中症は、高温環境の中で体温調節がうまくいかなくなることで起こりますが、その背景には気温だけでなく、放射熱の影響もあります。炉前などの現場では、空気温度が同じでも赤外線が強いほど身体への熱負荷は大きくなります。したがって、赤外線は熱中症の一因となり得ます。作業環境の評価では、温度だけでなく放射熱も含めて考えることが重要です。

選択肢3. 白内障は、一般に、赤外線の急性曝露により生じる。

不適切です。白内障は水晶体が濁る障害ですが、赤外線による白内障は一般に一度の急性的なばく露でただちに生じるものではなく、反復的なばく露や長期間の熱作用の蓄積によって起こりやすいとされています。つまり、赤外線の健康影響として白内障は重要ですが、「急性曝露により一般に生じる」としてしまうと説明が不正確です。現場感覚でいえば、やけどのように短時間で起こる障害と、長年の作業ばく露で徐々に進行する障害は分けて理解する必要があります。この選択肢は、その時間経過の理解を誤っているため不適切です。

選択肢4. マイクロ波は、生体の深部に到達し、熱作用を起こす。

適切です。マイクロ波は一定の深さまで生体内に入り込み、組織中の水分子などを振動させることで熱を発生させます。そのため、表面だけでなく比較的深部にも加熱作用を及ぼすことがあります。電子レンジの加熱原理を思い浮かべると理解しやすいですが、人体では過度なばく露により深部加熱が問題となります。したがって、マイクロ波の健康影響を考えるうえでは、単なる表面の熱さではなく、内部組織への加熱作用を意識することが重要です。

選択肢5. レーザ光線の健康影響として、網膜損傷がある。

適切です。レーザ光線は波長がそろっていて直進性が高く、非常に強いエネルギーを狭い範囲に集中させる特徴があります。そのため、眼に入ると角膜や水晶体だけでなく、特に網膜に強い障害を与えることがあります。網膜は視覚に直接関わる重要な部位なので、損傷すると視力低下や視野異常につながるおそれがあります。レーザ機器を扱う作業では、出力や波長に応じた保護眼鏡の使用、照射方向の管理、反射光への注意などが欠かせません。レーザの危険性は「細くて見えにくい光でも、非常に大きな障害を起こし得る」と理解するとよいです。

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02

正解は、「白内障は、一般に、赤外線の急性曝露により生じる。」です。

この問題は、赤外線、マイクロ波、レーザ光線の特徴に関するものです。

赤外線は熱作用が強く、

炉前作業やガラス加工など高温環境での曝露で、熱中症のリスクが高まります。

マイクロ波は深部まで浸透し、体内の水分子を振動させることで熱作用を引き起こします。

レーザ光線は指向性が高く、

特に網膜に到達する可視光・近赤外レーザは重大な損傷を引き起こす可能性があります。

長期的に強い赤外線を浴び続けると、水晶体が加熱され、

ガラス工白内障(炉前白内障)が生じることがありますが、

急性曝露で白内障は起きません。

選択肢1.

赤外線に曝(ばく)露される作業として、炉前作業や硝子加工作業がある。

正しいです。

赤外線は熱源から大量に放射されるため、

高温物体を扱う作業では強い赤外線曝露が発生します。

炉前作業、鋳造、溶接、ガラス加工、陶磁器焼成などが典型例です。

赤外線は皮膚表面で吸収されやすく、熱感、熱傷、皮膚の乾燥などを引き起こします。

また、長期間の曝露では水晶体が加熱され、白内障のリスクが高まります。

選択肢2. 赤外線は、熱中症の原因となる。

正しいです。

赤外線は熱作用を持ち、皮膚表面を加熱します。

高温環境で赤外線を大量に浴びると、体温上昇が促進され、熱中症のリスクが高まります。

特に炉前作業や溶鉱炉周辺では、赤外線による熱負荷が大きく、

深部体温の上昇、脱水、熱疲労などが発生しやすくなります。

熱中症は気温・湿度・作業強度など複合的な要因で発生しますが、

赤外線はその一因です。

選択肢3. 白内障は、一般に、赤外線の急性曝露により生じる。

不適当です。

白内障は、赤外線急性曝露ではなく、長期的な慢性曝露によって生じます。

炉前作業者やガラス工が長年強い赤外線を浴び続けることで、

水晶体が加熱されタンパク質が変性します。

短時間の急性曝露で白内障が発生することはありません。

選択肢4. マイクロ波は、生体の深部に到達し、熱作用を起こす。

正しいです。

マイクロ波は周波数が高く、体内の水分子を振動させることで熱を発生させます。

この作用は電子レンジと同じ原理であり、生体深部まで浸透するため、

局所的な加熱ではなく深部組織の温度上昇を引き起こします。

高出力のマイクロ波に曝露すると、

深部臓器の過熱、白内障、皮膚の熱傷などの健康影響が生じる可能性があります。

選択肢5. レーザ光線の健康影響として、網膜損傷がある。

正しいです。

レーザ光線は指向性が極めて高く、エネルギーが一点に集中するため、

眼に入ると重大な損傷を引き起こす可能性があります。

特に可視光および近赤外レーザは網膜まで到達し、網膜の熱損傷や光化学損傷を引き起こします。

レーザの危険性はクラス分類(Class 1〜4)で管理され、

強力なレーザでは保護眼鏡が必須です。

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