建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第55回(令和7年度(2025年))
問63 (空気環境の調整 問18)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第55回(令和7年度(2025年)) 問63(空気環境の調整 問18) (訂正依頼・報告はこちら)

中央方式の空気調和設備に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • ダクト併用ファンコイルユニット方式では、単一ダクト方式に比べ、空調機の大容量化が必要となる。
  • 変風量単一ダクト方式では、熱負荷に応じて給気風量を可変とするため、外気導入量も変動する。
  • マルチゾーン空調方式では、1台の空調機で複数ゾーンの温湿度調整を行う。
  • 定風量単一ダクト方式では、熱負荷の変動に対して給気温度を可変とすることで対応する。
  • 放射冷暖房は、単独設置では新鮮外気の導入と室内空気循環による除じん機能をもたない。

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この過去問の解説 (3件)

01

最も不適当なものは「ダクト併用ファンコイルユニット方式では、
単一ダクト方式に比べ、空調機の大容量化が必要となる」です。

選択肢1. ダクト併用ファンコイルユニット方式では、単一ダクト方式に比べ、空調機の大容量化が必要となる。

誤りです。
ダクト併用ファンコイルユニット方式はインテリアゾーンを
単一ダクト方式の空調機で空調し、ペリメータゾーンを
ファンコイルユニットで空調する方式です。
窓からの熱負荷の大きいペリメータゾーンをファンコイルユニットで
担うことで空調機は小容量にすることができます。

選択肢2. 変風量単一ダクト方式では、熱負荷に応じて給気風量を可変とするため、外気導入量も変動する。

正しいです。
変風量単一ダクト方式では給気する温湿度は変えずに風量を変えることで
空調するため、外気導入量も併せて変動します。

選択肢3. マルチゾーン空調方式では、1台の空調機で複数ゾーンの温湿度調整を行う。

正しいです。
マルチゾーン空調方式は1台の空調機で複数エリアを空調します。

選択肢4. 定風量単一ダクト方式では、熱負荷の変動に対して給気温度を可変とすることで対応する。

正しいです。
定風量単一ダクト方式では風量は変えず温湿度を変えることで空調します。

選択肢5. 放射冷暖房は、単独設置では新鮮外気の導入と室内空気循環による除じん機能をもたない。

正しいです。
放射冷暖房は換気が行えないため、外調機など他の空調方式と
併用することが一般的です。

まとめ

各空調方式の特徴を覚えておきましょう。

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02

中央方式の空気調和設備には、単一ダクト方式、ファンコイルユニット方式、マルチゾーン空調方式、放射冷暖房などがあり、それぞれ熱を運ぶ方法や負荷変動への対応方法が異なります。この問題では、各方式について、空調機の容量、風量や給気温度の制御、複数ゾーンへの対応、換気・除じん機能などの特徴を正しく理解しているかが問われています。

選択肢1. ダクト併用ファンコイルユニット方式では、単一ダクト方式に比べ、空調機の大容量化が必要となる。

不適切です。ダクト併用ファンコイルユニット方式では、室内の冷暖房負荷の一部を各室や各ゾーンに設置したファンコイルユニットが処理します。中央の空調機から送る空気は、主として換気に必要な外気の供給や潜熱負荷の処理などを担うため、室内負荷の大部分を中央空調機で処理する単一ダクト方式と比較して、空調機やダクトを小容量化できるのが特徴です。

選択肢2. 変風量単一ダクト方式では、熱負荷に応じて給気風量を可変とするため、外気導入量も変動する。

適切です。変風量単一ダクト方式は、室内の冷暖房負荷が大きいときには給気風量を増やし、負荷が小さくなると給気風量を減らして室温を調整する方式です。給気風量の変化に伴って空調機を通過する風量や外気と還気の割合も影響を受けるため、適切な制御を行わない場合には外気導入量も変動します。そのため、必要な換気量を確保するための外気量制御が重要になります。

選択肢3. マルチゾーン空調方式では、1台の空調機で複数ゾーンの温湿度調整を行う。

適切です。マルチゾーン空調方式は、1台の中央空調機によって複数のゾーンを個別に空調する方式です。空調機内で冷風と温風をつくり、それぞれのゾーンで必要となる熱負荷に応じた割合で混合して送風します。例えば、日射の影響が異なる部屋など、同じ建物内でも異なる空調条件が求められる場合に、ゾーンごとに供給する空気の状態を調整できることが特徴です。

選択肢4. 定風量単一ダクト方式では、熱負荷の変動に対して給気温度を可変とすることで対応する。

適切です。定風量単一ダクト方式は、その名称のとおり、基本的に室内へ供給する空気の量を一定に保つ方式です。室内の熱負荷が変化した場合には、風量ではなく給気する空気の温度を変化させることによって室温を調整します。これに対して、変風量単一ダクト方式では、基本的に給気温度を一定として給気風量を増減させることで熱負荷の変化に対応します。

選択肢5. 放射冷暖房は、単独設置では新鮮外気の導入と室内空気循環による除じん機能をもたない。

適切です。放射冷暖房は、天井や床、壁などの放射パネルを冷却または加熱し、主として放射による熱交換を利用して室内を冷暖房する方式です。空気を大量に循環させて熱を運ぶ方式ではないため、放射冷暖房設備だけでは新鮮な外気を室内へ供給する換気機能や、空気をフィルタに通して浮遊粉じんを除去する機能をもちません。このため、通常は換気設備などを併用する必要があります。

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03

正解は、「ダクト併用ファンコイルユニット方式では、単一ダクト方式に比べ、空調機の大容量化が必要となる。」です。

この問題は、中央方式の空気調和設備に関するものです。

単一ダクト方式・マルチゾーン方式・変風量単一ダクト方式は、

中央の空調機が温湿度処理+送風を一手に担うため、

空調機の能力・風量は大きくなりがちです。

一方、ダクト併用ファンコイルユニット方式では、

室内の顕熱負荷の多くを各室のファンコイルが処理し、

中央空調機は主に外気処理やベース負荷を担当します。

そのため、単一ダクト方式に比べて中央空調機を大容量化する必要はなく、

小さくできる方式です。

 

選択肢1. ダクト併用ファンコイルユニット方式では、単一ダクト方式に比べ、空調機の大容量化が必要となる。

不適当です。

ダクト併用ファンコイルユニット方式は、

室内の熱負荷の多くを各室のファンコイルユニット(FCU)が水で処理し、

中央空調機は主に外気処理やベース負荷を担当する方式です。 

ダクト併用ファンコイル方式では、各室の負荷変動はFCU側で追従し、

中央空調機は外気処理や最低限の負荷を見ればよい構成です。

選択肢2. 変風量単一ダクト方式では、熱負荷に応じて給気風量を可変とするため、外気導入量も変動する。

正しいです。

変風量単一ダクト方式(VAV方式)は、

各室の熱負荷に応じて給気風量を変化させることで、

室温を制御する全空気方式です。

特別な外気制御(外気一定制御など)を行わない限り、

給気風量が減れば外気量も比例して減少します。

選択肢3. マルチゾーン空調方式では、1台の空調機で複数ゾーンの温湿度調整を行う。

正しいです。

マルチゾーン方式は、

1台の空調機の内部で複数のゾーンに対する空気を作り分ける全空気方式です。

空調機内に冷風コイルと温風コイルがあり、

それぞれのゾーンごとに冷風と温風の混合比を変えることで、

ゾーンごとに異なる温度の空気を供給します。 

選択肢4. 定風量単一ダクト方式では、熱負荷の変動に対して給気温度を可変とすることで対応する。

正しいです。

定風量単一ダクト方式(CAV方式)は、給気風量は一定(定風量) とし、

室内の熱負荷変動には、給気温度の変更で対応する方式です。

負荷が大きいときは給気温度を低く(冷房時)/高く(暖房時)し、

負荷が小さいときは給気温度を室温に近づけることで、

室内の熱収支を調整します。

選択肢5. 放射冷暖房は、単独設置では新鮮外気の導入と室内空気循環による除じん機能をもたない。

 正しいです。

放射冷暖房(天井放射パネル・床暖房など)は、

主に放射熱の授受によって室内の体感温度を調整する方式です。

放射パネルや床暖房そのものには、

外気導入機能も、室内空気を循環させてフィルタで除じんする機能はあります。

そのため、放射冷暖房を単独で設置した場合、

換気や室内空気のろ過は、別系統の設備で行う必要があります。

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