建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第55回(令和7年度(2025年))
問74 (空気環境の調整 問29)
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問題
建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第55回(令和7年度(2025年)) 問74(空気環境の調整 問29) (訂正依頼・報告はこちら)
- ダクト系の騒音に対する消音効果のために、グラスウールダクトを使用した。
- 塗装なしで美観が必要なダクトに、ステンレス鋼板を使用した。
- ボイラの高温空気・高温ガスが通るダクトに、亜鉛鉄板を使用した。
- 防錆(せい)・防食性が必要なダクトに、塩化ビニルで被覆した鋼板を使用した。
- 腐食性ガスを対象とした排気ダクトに、硬質ポリ塩化ビニル板を使用した。
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この過去問の解説 (3件)
01
最も不適当なものは「ボイラの高温空気・高温ガスが
通るダクトに、亜鉛鉄板を使用した」です。
正しいです。
グラスウールは断熱性、吸音性に優れるため消音用途にも用いられます。
正しいです。
ステンレスは耐食性が高く塗装なしでもきれいな仕上がりになります。
誤りです。
亜鉛メッキは高温に弱く60℃以上の環境では溶けてしまうため、
高温の流体が通る配管やダクトには不適切です。
正しいです。
塩化ビニルで被覆した鋼板を使用することで防錆・耐食性が向上します。
正しいです。
硬質ポリ塩化ビニルは耐食性が高く腐食性ガスに用いられます。
ダクトの種類と特徴を覚えておきましょう。
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02
正解は、「ボイラの高温空気・高温ガスが通るダクトに、亜鉛鉄板を使用した。」です。
この問題は、ダクトの材質と用途に関するものです。
ダクトは、単に空気を通すだけでなく、温度、湿度、腐食性、騒音、美観など、
さまざまな条件に応じて材料を選定する必要があります。
例えば、グラスウールダクトは断熱性と消音性に優れ、ステンレス鋼板は耐食性と美観に優れ、
塩ビ被覆鋼板は防錆・防食性が求められる環境に適しています。
また、腐食性ガスを扱う排気ダクトには、
硬質ポリ塩化ビニル板のような耐薬品性の高い樹脂系材料が用いられます。
一方で、亜鉛鉄板(溶融亜鉛めっき鋼板)は、一般的な空調ダクトや中低温の排気には広く用いられますが、
高温の空気やガスが通るダクトには適しません。
正しいです。
グラスウールダクトは、ダクトの外装と内側の間にグラスウール断熱材を一体化した構造、
あるいはグラスウール自体を成形してダクトとして用いる構造などがあります。
グラスウールは繊維系の多孔質材料であり、音のエネルギーを内部で吸収する性質を持つため、
ダクト内を伝播する騒音の減衰に有効です。
送風機騒音や風切り音など、ダクト系統で問題となる騒音を低減する目的で、
グラスウールダクトや内張り吸音材にが用いられます。
正しいです。
ステンレス鋼板は、耐食性に優れ、表面仕上げも美しく、
塗装を施さなくてもそのまま見せることができる材料です。
商業施設やホテル、飲食店の客席側に露出するダクト、
あるいは厨房のフード周りなど、意匠性と清掃性が求められる場所では、ステンレス製ダクトがよく採用されます。
塗装鋼板に比べて初期コストは高くなりますが、塗装が不要で、長期的な美観維持や耐食性の面で有利です。
不適当です。亜鉛鉄板は、一般的な空調ダクトや中低温の排気ダクトに広く用いられる材料で、
防錆性も一定程度確保されています。
しかし、高温の空気やガスが通るダクトに使用すると、亜鉛めっき層が高温により劣化・酸化・剥離しやすくなります。
特にボイラ排ガスのように高温かつ腐食性成分を含む場合、
亜鉛めっきは短期間で損傷し、鋼板自体の腐食が急速に進行するおそれがあります。
また、高温で亜鉛が蒸発・酸化すると、亜鉛ヒュームと呼ばれる有害な煙が発生する可能性もあり、
安全上も望ましくありません。
正しいです。
塩化ビニル被覆鋼板(塩ビ被覆鋼板)は、鋼板の表面に塩化ビニル樹脂を被覆したもので、
防錆性・防食性を高める目的で用いられます。
湿気が多い場所や、若干の腐食性ガスが存在する環境、あるいは屋外に露出するダクトなどでは、
通常の亜鉛めっき鋼板よりも塩ビ被覆鋼板の方が長期的な耐久性に優れます。
また、塩ビ被覆により表面が滑らかになり、清掃性や美観も向上します。
正しいです。硬質ポリ塩化ビニル板(硬質PVC)は、多くの酸やアルカリに対して優れた耐薬品性を持ち、
腐食性ガスを扱う排気ダクトの材料として広く用いられています。
化学工場や実験室、メッキ工場など、腐食性ガスが発生する環境では、
金属ダクトを使用すると短期間で腐食が進行するおそれがあるため、
樹脂系材料が選ばれます。
硬質PVCは、比較的高い剛性と加工性を持ち、
ダクトとして成形しやすいことから、腐食性ガス用排気ダクトの標準的な材料の一つです。
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03
ダクトには一般的な空調・換気に用いられる亜鉛鉄板のほか、ステンレス鋼板、グラスウールダクト、塩化ビニル被覆鋼板、硬質ポリ塩化ビニル板など、用途に応じてさまざまな材料が使用されます。材料を選定するときは、強度だけでなく、使用温度、耐食性、耐熱性、消音性、美観などを考慮する必要があります。この問題では、それぞれのダクト材料の性質と使用目的との組合せが適切かどうかを判断することがポイントです。
適切です。グラスウールは多数の細かい空隙をもつ繊維質の材料であり、音が内部を通過するときに音のエネルギーを吸収する性質があります。このため、グラスウールを使用したダクトは、送風機や空気の流れなどによって発生するダクト系の騒音を低減する目的で利用できます。また、グラスウールは断熱性能にも優れているため、空調用ダクトでは消音と断熱の両方の効果を期待できる材料です。
適切です。ステンレス鋼板は表面に金属特有の光沢があり、耐食性にも優れているため、原則として防錆を目的とした塗装を必要としません。この特徴から、ダクトを天井内に隠さず室内に露出させる場合など、美観が求められる場所にも適しています。さらに、水分や湿気による腐食にも強いため、厨房など耐食性が求められる場所のダクト材料としても使用されています。
不適切です。亜鉛鉄板は鋼板の表面を亜鉛で覆い、鋼板の腐食を防止した材料で、一般的な空調・換気用ダクトには広く使用されています。しかし、高温になると亜鉛めっきが酸化・劣化して防錆性能などを十分に維持できなくなるため、ボイラなどから発生する高温空気や高温ガスを通す用途には適していません。このような高温用のダクトには、使用温度に耐えられる鋼板などを選定する必要があります。
適切です。塩化ビニル被覆鋼板は、鋼板の表面を塩化ビニル樹脂で覆った材料です。内部の鋼板が水分や腐食性物質に直接触れることを被覆層によって防げるため、通常の鋼板と比べて優れた防錆性・防食性を得られます。そのため、湿気が多い場所や腐食性物質の影響を受ける可能性がある場所などで使用されます。ただし、樹脂を使用しているため、高温となる用途では耐熱性にも注意して材料を選定する必要があります。
適切です。硬質ポリ塩化ビニル板は、酸やアルカリなど多くの薬品に対して優れた耐食性をもち、金属材料のようにさびにくいという特徴があります。そのため、腐食性ガスを排出する薬品関連施設や実験施設などの排気ダクトに適しています。一方で、金属製ダクトと比べると高温に対する性能には限界があるため、腐食性だけでなく排気温度についても確認したうえで使用することが重要です。
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