建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第55回(令和7年度(2025年))
問75 (空気環境の調整 問30)
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問題
建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第55回(令和7年度(2025年)) 問75(空気環境の調整 問30) (訂正依頼・報告はこちら)
- キャビテーションの発生部分には激しい浸食が生じ、ポンプ寿命を低下させる。
- フライホイールなどを付加し、回転体の慣性重量を大きくすることで、停電時の水撃作用を防止できる。
- 配管系における流体摩擦損失及び機器の損失は、管内流速の2乗に比例する。
-
一般に全揚程は吐出し量がゼロのときに最小となり、吐出し量の増加とともに高くなる。
- 揚程曲線が右下がりの曲線部分に運転点をもってくることで、サージングを防げる。
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この過去問の解説 (3件)
01
最も不適当なものは「一般に全揚程は吐出し量がゼロのときに最小となり、
吐出し量の増加とともに高くなる」です。
正しいです。
ポンプの吸込みなどで流体中の圧力が下がると気泡が発生します。
この気泡が圧力の高い場所に移動して潰れる瞬間に衝撃が発生し
これをキャビテーションと言います。
キャビテーションは振動・騒音やポンプ損傷の原因となります。
正しいです。
フライホイールなどで慣性を大きくすることで、停電時に急停止
することが無くなり水撃作用の防止になります。
正しいです。
流体の摩擦損失、機器の損失は管内流速の2乗に比例します。
一般に全揚程は吐出し量がゼロのときに最小となり、吐出し量の増加とともに高くなる。
誤りです。
全揚程を圧力エネルギー、吐出し量を運動エネルギーと
置き換えると分かりやすくなります。
エネルギーの総和は等しくなるため、運動エネルギー(吐出し量)がゼロのとき、
圧力エネルギー(全揚程)は最大となります。
問題文では運動エネルギー:ゼロ、圧力エネルギー:最小
となりエネルギー総量が変わってしまいます。
正しいです。
サージングは流量と圧力が周期的に増減する不安定な状態を言います。
右下がりにの曲線部分に運転点をもってくることで、ポンプ側では
流量が上がると揚程(圧力)が下がることになります。
配管側では流量の2乗に比例して損失が増えるため、流量を多くするには
より高い圧力が必要になりますが、ポンプ側の揚程(圧力)は下がっています。
そのため流量が維持できなくなり元の流量に戻る作用が働くため、
サージングが防止できます。
ポンプの性能曲線を理解することで回答しやすくなります。
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02
正解は、「一般に全揚程は吐出し量がゼロのときに最小となり、吐出し量の増加とともに高くなる。」です。
この問題は、ポンプ周りの語句の説明に関するものです。
キャビテーションが激しい浸食を引き起こしてポンプ寿命を低下させること、
フライホイールなどで慣性を大きくして停電時の水撃作用を緩和できること、
配管損失が流速の2乗に比例すること、
サージングを避けるために揚程曲線の右下がり部分で運転点をとることは、
いずれもポンプ設計・運転の基本事項として正しい内容です。
一方、一般的な遠心ポンプでは、
吐出し量がゼロのとき(吐出し弁全閉時)に全揚程は最大となり、
吐出し量が増加するにつれて全揚程は低下していきます。
正しいです。
キャビテーションは、ポンプ内の圧力が局所的に低下して液体が沸騰し、
気泡が発生・崩壊する現象です。
この気泡が高圧部に移動して急激に潰れる際、局所的に非常に高い圧力と衝撃が生じ、
羽根車やケーシングの表面を叩きつけるように浸食します。
その結果、金属表面が蜂の巣状になり、
ポンプ効率の低下や振動・騒音の増大、最終的には破損・寿命低下につながります。
正しいです。
水撃作用(ウォータハンマー)は、ポンプ停止時などに流速が急激に変化することで配管内圧力が大きく変動し、
配管や機器に衝撃を与える現象です。
停電などでポンプが急停止すると、流れが瞬間的に止まり、その反動で圧力波が配管内を伝播します。
フライホイールを付加して回転体の慣性モーメントを大きくすると、
停電時でもポンプがすぐには止まらず、
徐々に減速するため、流速変化が緩やかになり、水撃作用が軽減されます。
正しいです。
配管内の摩擦損失は、一般にダルシー・ワイスバッハの式などで表され、
損失水頭は流速の2乗に比例します。
また、エルボやバルブ、機器入口出口などの局部損失も、損失係数と流速の2乗の積で表されます。
したがって、配管系全体の損失は、流速の2乗に比例します。
一般に全揚程は吐出し量がゼロのときに最小となり、吐出し量の増加とともに高くなる。
不適当です。
一般的な遠心ポンプの揚程–流量特性曲線は、
吐出し量がゼロのとき(吐出し弁全閉時)に全揚程が最大となり、
吐出し量が増加するにつれて全揚程が低下していく、
右下がりの曲線となります。
正しいです。
「揚程曲線が右下がりの曲線部分に運転点をもってくることで、サージングを防げる。」という記述は、ポンプ運転の安定性に関する重要なポイントを押さえています。サージングは、ポンプの揚程–流量特性曲線が一部で右上がり(不安定領域)となっている場合に、その領域で運転すると流量と圧力が周期的に変動する現象です。これを避けるためには、運転点を安定な右下がりの曲線部分に設定する必要があります。つまり、「右下がりの曲線部分に運転点をもってくる」ことは、サージング防止の基本的な考え方であり、この記述は適当です。
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03
ポンプでは、吐出し量と揚程の関係、配管内で生じる圧力損失、キャビテーション、水撃作用、サージングなどの性質を理解することが重要です。特に遠心ポンプの一般的な揚程曲線では、吐出し量が増えるほど全揚程は低下する傾向があります。また、急激な圧力変動や不安定な運転は、配管やポンプの損傷につながるため、それぞれの発生原因と防止方法を押さえておく必要があります。
適切です。キャビテーションとは、ポンプ内部の圧力が低下して液体の一部が気化し、気泡が発生する現象です。この気泡が圧力の高い場所へ移動して急激につぶれると、羽根車などの表面に強い衝撃が繰り返し加わります。その結果、金属表面が虫食い状に浸食されるエロージョンが発生し、振動や騒音、性能低下を招くだけでなく、長期的には羽根車を損傷させてポンプの寿命を短くします。
適切です。運転中のポンプが停電によって急停止すると、配管内を流れていた水の速度が急激に変化し、大きな圧力変動である水撃作用が発生することがあります。フライホイールを設けて回転体の慣性を大きくすると、電源が失われてもポンプの回転数が急激には低下せず、徐々に減速させることができます。これによって流速の急変を抑え、配管内の急激な圧力低下や圧力上昇を緩和できるため、水撃作用の有効な防止対策となります。
適切です。配管内を流体が流れると、管壁との摩擦や、弁、継手、曲がり部などを通過する際の抵抗によって圧力損失が生じます。一般的な設備配管のような乱流域では、これらの損失による損失水頭は、おおむね管内流速の2乗に比例します。そのため、管内流速を大きくすると圧力損失は急激に増加し、ポンプに必要な動力も大きくなります。配管径や流速を適切に設定することは、省エネルギーの面からも重要です。
一般に全揚程は吐出し量がゼロのときに最小となり、吐出し量の増加とともに高くなる。
不適切です。一般的な遠心ポンプでは、吐出し量と全揚程の関係は、この記述とは反対になります。吐出し量がゼロとなる締切運転時には全揚程が高く、吐出し量を増加させるにつれて全揚程は低下していくのが基本的な特性です。この関係を表したものがポンプの揚程曲線で、一般に右下がりの形になります。したがって、「吐出し量がゼロのときに最小となり、吐出し量の増加とともに高くなる」という説明は適切ではありません。
適切です。サージングとは、ポンプの吐出し量や圧力が周期的に大きく変動し、振動や騒音などを引き起こす不安定な運転状態です。揚程曲線に右上がりの部分があるポンプをその範囲で運転すると、流量のわずかな変化によって運転状態が不安定になり、サージングが生じやすくなります。このため、吐出し量の増加に伴って揚程が低下する右下がりの安定した曲線部分に運転点を設定することが、サージング防止の基本となります。
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