建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第55回(令和7年度(2025年))
問77 (空気環境の調整 問32)
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問題
建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第55回(令和7年度(2025年)) 問77(空気環境の調整 問32) (訂正依頼・報告はこちら)
- VOCsの測定には、基本的にガスクロマトグラフ質量分析計を用いる。
- 加熱脱着法は、溶媒抽出法と比較して、測定感度は落ちる。
- TVOCの定義は、ヘキサンからヘキサデカンの範囲のVOCsの合計である。
- TVOCの測定には、パッシブ法を適用するのは困難である。
- 市販のTVOCモニタは、定期的な標準ガスによる校正が欠かせない。
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この過去問の解説 (3件)
01
最も不適当なものは「加熱脱着法は、溶媒抽出法と比較して、
測定感度は落ちる」です。
正しいです。
VOCsの測定法には「固相捕集・加熱脱着-GC/MS法」、
「固相捕集・溶媒抽出-GC/MS法」、「容器採取-GC/MS法」などがあります。
基本的にガスクロマトグラフィー質量分析(GC/MS)を用います。
誤りです。
加熱脱着法の方が溶媒抽出法よりも測定感度は高くなります。
正しいです。
TVOC(トータルVOC)はヘキサンからヘキサデカンまでの様々なVOCsの合計です。
正しいです。
TVOCの測定はアクティブ法しか使えません。
パッシブ法は自然拡散によるサンプリング、
アクティブ法はポンプ吸引によるサンプリングです。
TVOCは様々なVOCが含まれており、拡散速度に違いがあるため、
自然拡散のパッシブ法では正確な測定ができません。
正しいです。
TVOCモニタは定期的な標準ガスによる校正が欠かせません。
これは測定器全般に言えることでTVOCモニタにも当てはまります。
揮発性有機化合物(VOCs)の特徴や測定方法について覚えておきましょう。
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02
揮発性有機化合物(VOCs)は、建材、塗料、接着剤、家具などさまざまなものから室内空気中に放散されます。VOCsの測定では、空気中の成分を吸着剤などに捕集した後、ガスクロマトグラフなどを用いて成分を分離・分析します。また、個々のVOCsだけでなく、一定範囲のVOCsをまとめたTVOCも室内空気質を把握する指標として利用されます。測定方法による感度の違いやTVOCの特徴を理解しておくことが重要です。
適切です。ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)は、空気中に含まれる多数のVOCsを分離し、それぞれの物質を同定・定量するために広く用いられる分析装置です。ガスクロマトグラフで混合物を成分ごとに分離し、質量分析計で物質の種類や量を調べます。室内空気には多種類のVOCsが低濃度で存在するため、それらを高い精度で分析できるGC/MSが基本的な測定手段となります。
不適切です。加熱脱着法では、吸着剤に捕集したVOCsを加熱によって脱着させ、その成分をガスクロマトグラフなどへ導入します。溶媒抽出法のように抽出用の溶媒で試料が希釈されないため、捕集した成分を効率よく分析装置へ導入でき、高い測定感度を得られます。したがって、一般に加熱脱着法は溶媒抽出法と比較して測定感度が高く、「測定感度は落ちる」とする記述は誤りです。
適切です。TVOCはTotal Volatile Organic Compoundsの略で、総揮発性有機化合物と呼ばれます。室内空気中には多数のVOCsが存在するため、それらを個別に評価するだけでなく、一定の範囲に含まれるVOCsをまとめて評価するために用いられる指標です。一般にガスクロマトグラフ上でヘキサン(C6)からヘキサデカン(C16)までの範囲に検出されるVOCsを対象として、その総量を評価します。
適切です。パッシブ法は、ポンプを使用せず、空気中の物質が拡散によって捕集材へ移動する性質を利用する方法です。VOCsは物質ごとに拡散速度や捕集特性が異なるため、多種類の化合物を一括して扱うTVOCでは、それぞれの成分について正確な捕集量を求めることが難しくなります。このため、個別のVOCsの測定には利用できても、多数の物質の総量を評価するTVOC測定への適用は困難です。
適切です。市販のTVOCモニタでは、半導体式や光イオン化検出器などを利用して空気中のVOCsを連続的または簡便に測定します。しかし、センサの感度は使用時間や環境条件などによって変化することがあり、同じ濃度でも物質の種類によって応答が異なる場合があります。そのため、測定値の信頼性を維持するには、既知濃度の標準ガスを使用して定期的に校正し、機器の感度や指示値が適正であることを確認する必要があります。
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03
正解は、「加熱脱着法は、溶媒抽出法と比較して、測定感度は落ちる。」です。
この問題は、揮発性有機化合物(VOCs)の特徴などに関するものです。
VOCsの測定は、一般にガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)を用いることが標準であり、
これは建築物衛生法の室内空気質測定でも採用されている基本的な分析手法です。
また、TVOC(総揮発性有機化合物)は、
ヘキサン(C6)からヘキサデカン(C16)までの保持時間範囲に含まれる化合物の総量として定義されており、
個別物質の定量ではなく総量評価です。
さらに、TVOC測定ではパッシブサンプラーの適用が難しいこと、
TVOCモニタはセンサーのドリフトが大きいため定期的な標準ガス校正が不可欠です。
一方、加熱脱着法の方が高感度で、微量測定に適しています。
正しいです。
VOCsは種類が多く、化学構造も多様であるため、選択性と感度の高い分析機器が必要となります。
ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)は、
揮発性化合物を分離し、質量スペクトルによって同定・定量できるため、
室内空気質測定の基準方法として広く採用されています。
サンプリングには固体吸着管を用い、加熱脱着装置でGC/MSに導入する方式が一般的です。
不適当です。
加熱脱着法(サーマルデソープション法)は、固体吸着管に捕集したVOCsを加熱して、
直接GC/MSに導入する方法であり、溶媒抽出法と比較して高感度であることが特徴です。
溶媒抽出法では、捕集した化合物を溶媒で抽出するため、溶媒の希釈効果や溶媒ブランクの影響が避けられず、
感度が低下しやすいという欠点があります。
一方、加熱脱着法では溶媒を使用しないため、
希釈が起こらず、微量成分の検出に有利です。
正しいです。
TVOC(Total Volatile Organic Compounds)は、
個別物質の濃度を合計したものではなく、GCの保持時間でヘキサン(C6)からヘキサデカン(C16)までの、
範囲に溶出する化合物の総量です。
これは、VOCsの種類が非常に多く、すべてを個別に定量することが現実的でないため、
総量評価として導入された概念です。
正しいです。
パッシブサンプラーは、拡散によって化学物質を捕集する方式であり、
特定物質の長時間平均濃度測定には適していますが、
TVOCのように、保持時間範囲で総量を評価する測定には不向きです。
パッシブ法では、捕集効率が物質ごとに異なるため、
保持時間範囲全体の総量を正確に評価することが困難です。
正しいです。
市販のTVOCモニタは、半導体センサーや光イオン化検出器(PID)を用いた簡易測定器であり、
センサーのドリフトや感度変動が避けられません。
そのため、正確な測定を維持するには、標準ガスを用いた定期的な校正が不可欠です。
特にPID方式では、ランプの劣化や汚れによって感度が低下するため、
校正を怠ると測定値が大きくずれることがあります。
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