建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第55回(令和7年度(2025年))
問83 (空気環境の調整 問38)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第55回(令和7年度(2025年)) 問83(空気環境の調整 問38) (訂正依頼・報告はこちら)

遮音に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 遮音とは、壁などで音を遮断して透過する音のエネルギーを小さくすることである。
  • 複数の断面仕様の異なる部材で構成される壁の透過性能は、総合透過損失で評価する。
  • 複層壁の場合、共鳴によって音が透過することがある。
  • コインシデンス効果が生じると、壁体の透過損失は減少する。

  • 床衝撃音に対する遮音等級Lr値は、値が大きい方が、遮音性能が高いことを表す。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題で覚えておくポイントは以下の通りです。遮音の分野では、「透過損失」「コインシデンス効果」「共鳴透過」「遮音等級のLr値」という4つのキーワードの意味を正確に理解することが重要です。特に遮音等級の数値の方向性(大きい・小さいのどちらが良いか)は頻出の誤りやすいポイントです。

選択肢1. 遮音とは、壁などで音を遮断して透過する音のエネルギーを小さくすることである。

正しいです。
遮音とは、壁・床・天井などの仕切り材によって音の透過を妨げ、透過する音のエネルギーを減少させることです。

選択肢2. 複数の断面仕様の異なる部材で構成される壁の透過性能は、総合透過損失で評価する。

正しいです。
窓や扉など断面仕様の異なる部材が混在する壁全体の遮音性能を評価する場合は、各部材の面積と透過率を用いて面積加重平均した総合透過率を算出し、これを総合透過損失として表します。

選択肢3. 複層壁の場合、共鳴によって音が透過することがある。

正しいです。
二枚の板と間の空気層で構成される複層壁(二重壁・複層ガラスなど)では、空気層をバネとして両側の板が共鳴する「共鳴透過」が生じることがあります。

選択肢4.

コインシデンス効果が生じると、壁体の透過損失は減少する。

正しいです。
コインシデンス効果とは、入射音の周波数と壁体の固有振動数が一致したとき、壁が屈曲振動を起こして音が透過しやすくなる現象です。

選択肢5. 床衝撃音に対する遮音等級Lr値は、値が大きい方が、遮音性能が高いことを表す。

誤りです。
床衝撃音の遮音等級を表すLr値(L値)は、数値が小さいほど遮音性能が高いことを示します。

まとめ

遮音等級の方向性は、壁の透過損失(TL)や遮音等級Dr値が「大きいほど高性能」、床衝撃音のL値・Lr値が「小さいほど高性能」と覚えましょう。

参考になった数13

02

最も不適当なものは「床衝撃音に対する遮音等級Lr値は、
値が大きい方が、遮音性能が高いことを表す」です。

選択肢1. 遮音とは、壁などで音を遮断して透過する音のエネルギーを小さくすることである。

正しいです。
遮音とは壁などで音を遮断して透過する音のエネルギーを小さくすることです。

選択肢2. 複数の断面仕様の異なる部材で構成される壁の透過性能は、総合透過損失で評価する。

正しいです。
透過損失とは遮音性能を示す数値で、数値が大きい(損失が大きい)ほど
遮音性能が高くなります。複数の部材で構成される壁の場合は
総合透過損失で評価します。

選択肢3. 複層壁の場合、共鳴によって音が透過することがある。

正しいです。
複層壁の場合、共鳴によって音が増幅され透過してしまう場合があります。

選択肢4.

コインシデンス効果が生じると、壁体の透過損失は減少する。

正しいです。
コインシデンス効果とは壁の振動と音波の振動が一致(共振)することで
透過する音が増える(透過損失が減る)現象です。

選択肢5. 床衝撃音に対する遮音等級Lr値は、値が大きい方が、遮音性能が高いことを表す。

誤りです。
床衝撃音に対する遮音等級Lr値は値が小さい方が遮音性能が高くなります。

まとめ

遮音に関する現象や各種数値と遮音性能の関係を覚えておきましょう。

参考になった数1

03

遮音とは、壁・床・天井などによって音の伝わりを妨げ、反対側へ透過する音のエネルギーを小さくすることです。遮音性能を考える際には、壁などを透過する音だけでなく、複数の部材からなる壁の総合的な性能、複層壁における共鳴、コインシデンス効果なども重要です。また、床衝撃音の遮音性能には独自の評価方法があり、数値の大小と性能の関係を正しく理解しておく必要があります。

選択肢1. 遮音とは、壁などで音を遮断して透過する音のエネルギーを小さくすることである。

適切です。遮音は、壁、床、天井などの建築部材によって、ある空間で発生した音が隣の空間へ伝わることを抑えることです。壁などに音が入射すると、一部は反射・吸収され、残りが反対側へ透過します。この透過する音のエネルギーを小さくすることが遮音の基本です。一般に、入射した音に対して透過する音がどの程度小さくなったかを「透過損失」で表し、この値が大きい壁ほど高い遮音性能を持つと評価できます。

選択肢2. 複数の断面仕様の異なる部材で構成される壁の透過性能は、総合透過損失で評価する。

適切です。一つの壁面が窓、扉、一般壁など、遮音性能の異なる複数の部分で構成されている場合、それぞれの透過損失だけでは壁面全体の遮音性能を適切に表せません。各部分の面積と音の透過率を考慮して壁面全体として評価したものが総合透過損失です。特に、遮音性能の低い窓や扉が含まれていると、その面積が比較的小さくても壁全体の性能を大きく低下させることがあるため、壁面全体で評価することが重要です。

選択肢3. 複層壁の場合、共鳴によって音が透過することがある。

適切です。複層壁は、2枚以上の板材とその間の空気層などによって構成され、一般には単層壁より高い遮音効果を得ることができます。しかし、板材と空気層からなる構造には、ばねとおもりのような振動系が形成されます。そのため、特定の周波数で共鳴が生じると壁体の振動が大きくなり、音が反対側へ伝わりやすくなって透過損失が低下する場合があります。複層化すればすべての周波数で必ず遮音性能が向上するわけではない点に注意が必要です。

選択肢4.

コインシデンス効果が生じると、壁体の透過損失は減少する。

適切です。コインシデンス効果とは、壁に入射した音波と壁板に生じる曲げ波との関係によって、特定の周波数域で壁が振動しやすくなり、音が透過しやすくなる現象です。この現象が発生すると、本来期待される透過損失よりも実際の透過損失が低下し、遮音性能が悪化します。一般に板状の材料では、ある周波数以上でこの現象が問題となります。遮音壁を設計する際には、材料の厚さや剛性などとともにコインシデンス効果についても考慮する必要があります。

選択肢5. 床衝撃音に対する遮音等級Lr値は、値が大きい方が、遮音性能が高いことを表す。

不適切です。床衝撃音に対する遮音等級のLr値は、値が小さいほど床衝撃音が下階へ伝わりにくく、遮音性能が高いことを表します。したがって、値が大きいほど遮音性能が高いという説明は反対です。床衝撃音には、人の歩行や椅子の移動などによる比較的軽い衝撃と、子どもの飛び跳ねなどによる重い衝撃があり、床の構造や仕上げ材などによって伝わり方が異なります。Lr値については「数値が小さいほど性能が良い」と覚えておくことが重要です。

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