建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第55回(令和7年度(2025年))
問100 (建築物の構造概論 問10)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第55回(令和7年度(2025年)) 問100(建築物の構造概論 問10) (訂正依頼・報告はこちら)

火災時の排煙対策に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 自然排煙方式では排煙窓の他に、当該室の下部に給気経路を確保することが望ましい。
  • 排煙設備の給気機の外気取入口は、新鮮な空気を取り入れるため屋上に設置するのが望ましい。
  • 機械排煙方式では、火災室が負圧になり廊下への漏煙を防止できるが、避難扉の開閉障害が生じるおそれがある。
  • 加圧防煙は、階段室への煙の侵入を防止するため階段室付室や廊下に用いられることが多い。
  • 第2種排煙の煙排出量は、排煙窓位置での内外圧力差と排煙窓の有効面積で定まる。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題で覚えておくポイントは以下の通りです。火災時の排煙対策には「自然排煙」「機械排煙」「加圧防煙」などの方式があり、いずれも避難経路の安全を確保するという目的は共通です。

選択肢1. 自然排煙方式では排煙窓の他に、当該室の下部に給気経路を確保することが望ましい。

正しいです。
自然排煙方式は、煙が上昇する性質を利用して、天井付近に設けた排煙窓から煙を外部に排出する方式です。

選択肢2. 排煙設備の給気機の外気取入口は、新鮮な空気を取り入れるため屋上に設置するのが望ましい。

誤りです。
給気機の外気取入口は、排出された煙が流入しない位置に設けることが必要です。

選択肢3. 機械排煙方式では、火災室が負圧になり廊下への漏煙を防止できるが、避難扉の開閉障害が生じるおそれがある。

正しいです。
機械排煙方式では、排煙機が火災室の煙を強制的に吸引・排出するため、火災室内が大気圧より低い負圧状態になります。

選択肢4. 加圧防煙は、階段室への煙の侵入を防止するため階段室付室や廊下に用いられることが多い。

正しいです。
加圧防煙は、給気機によって特定の空間を正圧に保ち、火災室側から煙が流れ込まないようにする方式です。

選択肢5. 第2種排煙の煙排出量は、排煙窓位置での内外圧力差と排煙窓の有効面積で定まる。

正しいです。
第2種排煙は、機械給気のみを行う加圧排煙方式であり、給気機によって室内を加圧して煙を排煙窓から外部へ押し出す仕組みです。

まとめ

排煙方式ごとに「どこから空気を取り入れ、どこから煙を排出するか」という気流の方向と設置場所の原則を整理して覚えておくと、この種の問題に対応しやすくなります。

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02

最も不適当なものは「排煙設備の給気機の外気取入口は、
新鮮な空気を取り入れるため屋上に設置するのが望ましい」です。

選択肢1. 自然排煙方式では排煙窓の他に、当該室の下部に給気経路を確保することが望ましい。

正しいです。
自然排煙方式では窓の上部から排煙します。
給気経路を部屋の下部に確保することで、下部から上部へ
気流が発生し効率的に排煙することができます。

選択肢2. 排煙設備の給気機の外気取入口は、新鮮な空気を取り入れるため屋上に設置するのが望ましい。

誤りです。
煙などの有害物質は上へ上昇する性質があるため、屋上から
外気導入すると有害物質を導入してしまう可能性があります。

選択肢3. 機械排煙方式では、火災室が負圧になり廊下への漏煙を防止できるが、避難扉の開閉障害が生じるおそれがある。

正しいです。
極端な負圧は扉の開閉障害を生じさせます。

選択肢4. 加圧防煙は、階段室への煙の侵入を防止するため階段室付室や廊下に用いられることが多い。

正しいです。
加圧し正圧にすることで煙の侵入を防止します。
階段室や廊下など避難経路に用いられることが多いです。

選択肢5. 第2種排煙の煙排出量は、排煙窓位置での内外圧力差と排煙窓の有効面積で定まる。

正しいです。
第2種排煙(機械排煙)の煙排出量は、排煙窓位置での内外圧力差と
有効面積で定まります。

まとめ

排煙対策について覚えておきましょう。

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03

火災時の排煙対策には、煙の浮力を利用して外部へ排出する自然排煙、排煙機によって強制的に煙を排出する機械排煙、給気によって圧力を高めて煙の侵入を防ぐ加圧防煙などがあります。方式によって給気・排煙の仕組みや室内の圧力状態が異なるため、それぞれの特徴を理解することが重要です。特に外気取入口は、火災時にも煙に汚染されていない空気を確実に取り入れられる位置とする必要があります。

選択肢1. 自然排煙方式では排煙窓の他に、当該室の下部に給気経路を確保することが望ましい。

適切です。自然排煙は、火災によって暖められた煙が上昇する浮力を利用し、室内上部の排煙窓などから煙を外へ排出する方式です。煙を円滑に排出するためには、排出される空気を補う給気が必要になります。室の下部から新鮮な空気が入る経路を確保すると、上部の煙を押し出すような空気の流れが形成され、自然排煙が機能しやすくなります。

選択肢2. 排煙設備の給気機の外気取入口は、新鮮な空気を取り入れるため屋上に設置するのが望ましい。

不適切です。火災で発生した高温の煙は浮力によって上昇し、建築物の上部や屋上付近へ到達する可能性があります。そのため、外気取入口を単純に屋上へ設置すると、火災時に煙を吸い込み、給気設備を通して建築物内部へ煙を送り込んでしまう危険があります。外気取入口は屋上であること自体が望ましいのではなく、排煙口などとの位置関係を考慮し、煙に汚染されにくい場所から新鮮な空気を確保できるよう計画することが重要です。

選択肢3. 機械排煙方式では、火災室が負圧になり廊下への漏煙を防止できるが、避難扉の開閉障害が生じるおそれがある。

適切です。機械排煙方式では、排煙機を使って火災室から煙や空気を強制的に排出します。その結果、火災室の圧力が周囲より低い負圧となり、煙が廊下などへ流れ出ることを抑制できます。一方、火災室と廊下などの間に大きな圧力差が生じると、扉が強く室内側へ引かれるなどして、避難者が扉を開けにくくなる場合があります。このため、排煙量と給気量のバランスを考慮した設計が必要です。

選択肢4. 加圧防煙は、階段室への煙の侵入を防止するため階段室付室や廊下に用いられることが多い。

適切です。加圧防煙は、給気機によって避難経路などへ外気を送り込み、その部分の圧力を周囲より高くすることで煙の侵入を抑える方法です。階段室は火災時の重要な避難経路であるため、階段室につながる付室や廊下などを加圧し、火災室側から煙が入り込まないようにします。圧力差によって煙の流れを制御し、安全な避難経路や消防活動のための空間を確保することが目的です。

選択肢5. 第2種排煙の煙排出量は、排煙窓位置での内外圧力差と排煙窓の有効面積で定まる。

適切です。第2種排煙は、送風機による機械給気と、排煙窓などからの自然排煙を組み合わせた押出し排煙方式です。室内へ機械的に空気を送り込むことで室内圧力を高め、その圧力を利用して煙を排煙窓から屋外へ押し出します。排煙窓を通過する煙の量は、排煙窓部分に生じる室内外の圧力差と、煙が実際に通過できる排煙窓の有効面積によって左右されます。したがって、この記述は適切です。

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