建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第55回(令和7年度(2025年))
問111 (給水及び排水の管理 問6)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第55回(令和7年度(2025年)) 問111(給水及び排水の管理 問6) (訂正依頼・報告はこちら)

給水設備の貯水槽に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • 木製貯水槽は、断熱性能が低いため、結露対策が必要である。
  • ステンレス鋼板製貯水槽は、気相部の腐食対策が必要である。
  • 鋼板製貯水槽には、一体成型構造にエポキシ樹脂を焼き付けコーティングしたものがある。
  • FRP製貯水槽は、機械的強度が低いため耐震補強が必要である。
  • FRP製高置水槽は、槽内照度が100lx以上になると、光合成により藻類が繁殖しやすい。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題の最も不適当な記述は、「木製貯水槽は、断熱性能が低いため、結露対策が必要である」という内容です。

本問題は、ビル管理試験における「貯水槽の材質と特性」に関する知識を問うものです。

貯水槽にはFRP、ステンレス、鋼板、木製など様々な材質があり、それぞれの熱伝導率(断熱性)耐食性光の透過性といった物理的特徴を正しく理解しているかが問われます。

特に「どの材質にどのような弱点(腐食、結露、藻の繁殖など)があるか」を整理しておくことが、正解を導く鍵となります。

選択肢1. 木製貯水槽は、断熱性能が低いため、結露対策が必要である。

不適切です。

木材は熱を伝えにくい性質(低い熱伝導率)を持っており、他の材質(金属など)に比べて断熱性能が高いのが特徴です。

そのため、外気温の影響を受けにくく、本来は結露が発生しにくい材質です。

選択肢の「断熱性能が低いため、結露対策が必要」という記述は、木材の物理的特性と矛盾しているため誤りです。

選択肢2. ステンレス鋼板製貯水槽は、気相部の腐食対策が必要である。

適切です。

ステンレス鋼板製貯水槽は耐食性に優れていますが、水面より上の空気部分(気相部)では、蒸発した塩素ガスが濃縮されやすく、腐食(錆)が発生することがあります。

そのため、塗装や換気などの腐食対策が必要となります。

選択肢3. 鋼板製貯水槽には、一体成型構造にエポキシ樹脂を焼き付けコーティングしたものがある。

適切です。

鋼板製貯水槽は強度がありますが、そのままでは錆びやすいため、耐食性を高める工夫がなされます。

その手法の一つとして、一体成型構造にエポキシ樹脂を焼き付けコーティングしたものがあり、衛生面と耐久性を両立させています。

選択肢4. FRP製貯水槽は、機械的強度が低いため耐震補強が必要である。

適切です。

FRP(繊維強化プラスチック)製貯水槽は、軽量で施工性に優れますが、金属製に比べると機械的強度や剛性が低い側面があります。

特に地震時の水の揺れ(スロッシング現象)による破壊を防ぐため、内部補強材や外部のフレームによる耐震補強が必要です。

選択肢5. FRP製高置水槽は、槽内照度が100lx以上になると、光合成により藻類が繁殖しやすい。

適切です。

FRPは光を透過しやすい性質があります。

槽内の照度が100lx(ルクス)以上になると、太陽光を利用した光合成により藻類が繁殖しやすくなり、水質悪化の原因となります。

これを防ぐため、FRP板を厚くしたり遮光塗装を施したりする対策がとられます。

まとめ

貯水槽の材質に関する問題では、それぞれの「メリット」と「デメリット」を対比させて覚えるのが効率的です。

特にFRP製については「光を透す→藻の繁殖→100ルクス」という数値と流れ、ステンレス製については「錆びにくいが気相部は注意」という例外、そして木製については「断熱性が高い(結露しにくい)」という固有の性質が頻出です。

類問では、今回の木製貯水槽のように、物理的な性質(断熱性や強度)を逆にして記述する引っかけパターンが多く見られます。

「金属は熱を通しやすく結露しやすい」「木や樹脂は熱を通しにくく結露しにくい」という基本原則を押さえておけば、自信を持って選択肢を絞り込むことができます。

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02

【最も不適当なものは、「木製貯水槽は、断熱性能が低いため、結露対策が必要である。」です。】


木製貯水槽は、むしろ【断熱性に優れていて、結露しにくい】材料です。したがって、「断熱性能が低い」という部分が誤りです。

 

はじめに
この問題は、貯水槽の【材質ごとの特徴】を正しく覚えているかを問うものです。
木製、ステンレス鋼板製、鋼板製、FRP製では、それぞれ長所と注意点が違います。とくに木製貯水槽は、【熱を伝えにくい】ため、断熱性が高いことが大きな特徴です。

選択肢1. 木製貯水槽は、断熱性能が低いため、結露対策が必要である。

これは【不適当】です。木は熱を伝えにくく、【断熱性能が高い】材料です。そのため、木製貯水槽は【結露しにくい】という特徴があります。したがって、「断熱性能が低いから結露対策が必要」とする説明は逆です。

選択肢2. ステンレス鋼板製貯水槽は、気相部の腐食対策が必要である。

これは【適当】です。ステンレス製でも、水槽の【気相部】では腐食に注意が必要です。実際に、メーカー資料でも、気相部の部材やボルトに腐食対策を行うこと、水位を下げすぎると内部部材の腐食のおそれがあることが示されています。

選択肢3. 鋼板製貯水槽には、一体成型構造にエポキシ樹脂を焼き付けコーティングしたものがある。

これは【適当】です。鋼板製貯水槽では、さびを防ぐために【エポキシ樹脂系のコーティング】が使われます。鋼板製は防食処理をして使うのが基本です。

選択肢4. FRP製貯水槽は、機械的強度が低いため耐震補強が必要である。

これは【適当】です。FRPは軽くて耐食性に優れますが、貯水槽では【耐震設計】や【補強フレーム】を考えて使います。実際にFRP製タンクには耐震仕様があり、外部補強フレーム方式なども用いられています。つまり、地震に対しては補強や耐震設計が重要です。

選択肢5. FRP製高置水槽は、槽内照度が100lx以上になると、光合成により藻類が繁殖しやすい。

これは【適当】です。FRP製水槽では、光が入りすぎると藻類が増えやすくなるため、【槽内照度率を低く抑える】ことが指針になっています。メーカー資料でも、藻類の増殖防止のために【設計用水槽照度率0.1%以下】とする考え方が示されています。

まとめ

この問題でいちばん大切なのは、【木製貯水槽は断熱性が高い】という点です。
木製貯水槽は、熱を伝えにくいため【結露しにくい】のが特徴です。
一方で、ステンレス製は【気相部の腐食】、FRP製は【耐震性や光の透過による藻類】に注意が必要です。材質ごとの特徴を整理して覚えておくと、似た問題でも判断しやすくなります。

参考になった数1

03

最も不適当なものは「木製貯水槽は、断熱性能が低いため、
結露対策が必要である」です。

選択肢1. 木製貯水槽は、断熱性能が低いため、結露対策が必要である。

誤りです。
木材は断熱性能が高いため結露対策は不要です。

選択肢2. ステンレス鋼板製貯水槽は、気相部の腐食対策が必要である。

正しいです。
残留塩素が気化し気層部のステンレス表面と接触することで腐食が進行します。

選択肢3. 鋼板製貯水槽には、一体成型構造にエポキシ樹脂を焼き付けコーティングしたものがある。

正しいです。
鋼板製貯水槽は木製やFRP製に比べ強度はありますがさびやすいため
エポキシ樹脂でコーティングしたものがあります。

選択肢4. FRP製貯水槽は、機械的強度が低いため耐震補強が必要である。

正しいです。
FRP製貯水槽は耐食性と断熱性がよいというメリットがありますが、
機械的強度は低いため耐震補強が必要です。

選択肢5. FRP製高置水槽は、槽内照度が100lx以上になると、光合成により藻類が繁殖しやすい。

正しいです。
FRPとは繊維強化プラスチックのことで、日光を透過させます。
透過した光により藻類が発生しやすくなります。

まとめ

貯水槽の各材質について特徴を覚えておきましょう。

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