建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第55回(令和7年度(2025年))
問149 (清掃 問9)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第55回(令和7年度(2025年)) 問149(清掃 問9) (訂正依頼・報告はこちら)

洗剤に関する次の組合せのうち、最も不適当なものはどれか。
  • 界面活性剤      ――― 対象物を濡(ぬ)らし、これに浸透する作用がある

  • リン酸塩を含む洗剤  ――― 湖沼の富栄養化が進む
  • 酸性洗剤       ――― 油脂分を含んだ汚れを除去する
  • 床の表面洗剤     ――― 泡立ちが少ない
  • 樹脂ワックスの剥離剤 ――― 皮膚を侵す危険性が高い

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この過去問の解説 (3件)

01

本問は、ビル清掃で使用される各種洗剤や化学物質の成分、およびその作用や環境への影響について、正しい組み合わせを理解しているかを問うています。

汚れには「酸性」や「アルカリ性」といった性質があり、それを打ち消す(中和する)洗剤を選ぶのが基本です。

試験では、この「汚れの性質」と「洗剤の液性」をあべこべにしたひっかけ問題が非常によく出題されます。

選択肢1.

界面活性剤      ――― 対象物を濡(ぬ)らし、これに浸透する作用がある

この組み合わせは適切です。

界面活性剤は、水の表面張力を下げて「濡れ」を良くし、汚れの隙間にグイグイ入り込む(浸透)性質があります。

これによって、本来混ざり合わない水と油を引き合わせ、汚れを剥がしやすくします。洗剤の主役とも言える成分です。

選択肢2. リン酸塩を含む洗剤  ――― 湖沼の富栄養化が進む

この組み合わせは適切です。

かつて洗剤の助剤として広く使われていたリン酸塩は、排水として川や湖に流れ出るとプランクトンの過剰な増殖を招き、赤潮などの「富栄養化」の原因となりました。

現在では環境保護のため、多くのビル用洗剤が「無リン」タイプに切り替わっています。

選択肢3. 酸性洗剤       ――― 油脂分を含んだ汚れを除去する

この組み合わせは不適当です。

油脂分(あぶら汚れ)は「酸性」の性質を持っているため、これを除去するには反対の性質を持つ**「アルカリ性洗剤」**が必要です。

アルカリが油を石鹸のように分解(乳化)して落とします。

一方、酸性洗剤が得意なのは「尿石」や「水垢」といった、アルカリ性の汚れです。

「油にはアルカリ、石(尿石)には酸」という基本ルールが逆転しているため、これが不適当となります。

選択肢4. 床の表面洗剤     ――― 泡立ちが少ない

この組み合わせは適切です。

自動床洗浄機やポリッシャーで使用する床用洗剤は、作業中に泡が立ちすぎると汚水回収が困難になり、機械の故障の原因にもなります。

そのため、作業効率を考えて「低起泡性(泡立ちが少ない)」に設計されているのが一般的です。

選択肢5. 樹脂ワックスの剥離剤 ――― 皮膚を侵す危険性が高い

この組み合わせは適切です。

剥離剤(はくりざい)は、固まったワックスを溶かすために非常に強いアルカリ性(pH12〜14程度)に調整されています。

皮膚のタンパク質を溶かす性質があるため、直接触れると化学火傷を負う危険性が高く、作業時のゴム手袋着用は絶対に欠かせません。

まとめ

洗剤の問題を解くときは、**「敵(汚れ)の正体を知り、逆の武器(液性)をぶつける」**とイメージしましょう。

酸性の油汚れには、アルカリ性のパンチ!

アルカリ性の尿石には、酸性のキック!

この「逆転の法則」さえ覚えておけば、化学が苦手でもパズル感覚で解けるようになります。

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02

この問題は、洗剤の成分や性質と、それぞれが適する用途・注意点との対応関係を問うものです。洗剤は、ただ汚れを落とすだけではなく、どのような汚れに効くのか、作業性はどうか、環境や人体にどのような影響があるのかを理解して使い分けることが重要です。特に酸性洗剤、アルカリ性洗剤、界面活性剤の基本的な役割の違いを押さえておくと、正誤判断がしやすくなります。

選択肢1.

界面活性剤      ――― 対象物を濡(ぬ)らし、これに浸透する作用がある

適切です。界面活性剤には、水の表面張力を下げて、洗浄液を対象物によくなじませる働きがあります。これにより、汚れのすき間や表面の細かな部分まで洗浄液が入り込みやすくなり、汚れを浮かせたり離れやすくしたりできます。つまり、「濡らす」「浸透させる」という説明は、界面活性剤の代表的な作用を正しく表しています。洗剤の基本成分として非常に重要です。

選択肢2. リン酸塩を含む洗剤  ――― 湖沼の富栄養化が進む

適切です。リン酸塩は洗浄力を高めるために使われることがありますが、排水中に含まれて河川や湖沼へ流れ込むと、水中の栄養分が過剰になり、藻類やプランクトンが異常に増える原因になります。これが富栄養化です。富栄養化が進むと、水質悪化、悪臭、魚類のへい死などの環境問題につながることがあります。そのため、リン酸塩入り洗剤は環境面で注意が必要です。

選択肢3. 酸性洗剤       ――― 油脂分を含んだ汚れを除去する

不適切です。酸性洗剤は主に、水あか、尿石、金属せっけん、石灰分などのアルカリ性成分を含む無機質汚れの除去に適しています。一方、油脂分を含んだ汚れは、一般にアルカリ性洗剤のほうが効果的です。これは、アルカリが油脂を分解したり、乳化しやすくしたりするためです。したがって、酸性洗剤と油脂汚れを結びつけたこの組合せは誤りであり、最も不適当です。

選択肢4. 床の表面洗剤     ――― 泡立ちが少ない

適切です。床の表面洗剤は、床面を洗浄したあとに汚水を回収しやすくする必要があるため、一般に泡立ちが少ないように調整されています。泡が多すぎると、床磨き機や自動洗浄機の作業性が悪くなり、汚水回収の妨げにもなります。また、泡が残るとすすぎ不足や再汚染の原因にもなります。そのため、表面洗剤に低発泡性が求められるという説明は、実務上も正しい内容です。

選択肢5. 樹脂ワックスの剥離剤 ――― 皮膚を侵す危険性が高い

適切です。樹脂ワックスの剥離剤は、床に塗布された樹脂皮膜を溶解・分解して除去するため、一般に強いアルカリ性を示すものが多いです。そのため、皮膚に付着すると刺激を与えたり、炎症や薬傷の原因になったりする危険があります。特に素手で扱うことは危険であり、保護手袋や保護具の着用が重要です。この記述は、剥離剤の性質と安全管理上の注意点を正しく示しています。

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最も不適当なものは、「酸性洗剤―――油脂分を含んだ汚れを除去する」です。

 

酸性洗剤は、油汚れを落とすための洗剤ではありません。酸性洗剤が得意なのは、水あか、尿石、金属せっけんのようなアルカリ性の汚れです。油脂分を含む汚れには、ふつうアルカリ性の洗剤が向いています。

選択肢1.

界面活性剤      ――― 対象物を濡(ぬ)らし、これに浸透する作用がある

これは適当です。

界面活性剤には、水の表面張力を下げて、物の表面を濡れやすくする働きがあります。

水だけでは入りにくいすき間にも入りやすくなるので、浸透する作用があるという組合せで合っています。

選択肢2. リン酸塩を含む洗剤  ――― 湖沼の富栄養化が進む

これは適当です。

リン酸塩は、水の中で植物プランクトンなどの栄養分になりやすいため、湖や沼では富栄養化を進める一因になります。そのため、この組合せは合っています。

 

選択肢3. 酸性洗剤       ――― 油脂分を含んだ汚れを除去する

これは不適当です。

油脂分を含む汚れは、アルカリ性洗剤が得意です。酸性洗剤は、水あかや尿石のような汚れに向いています。つまり、洗剤の種類と得意な汚れの組合せが逆になっています。

選択肢4. 床の表面洗剤     ――― 泡立ちが少ない

これは適当です。

床の表面洗浄では、作業のしやすさや汚水の回収のしやすさが大切なので、泡立ちをおさえた洗剤が使われます。実際に、床や施設清掃で使う洗剤として低発泡性のものが用いられており、反対に繊維床では発泡性の強い洗剤を使う例もあります。

選択肢5. 樹脂ワックスの剥離剤 ――― 皮膚を侵す危険性が高い

これは適当です。

樹脂ワックスの剥離剤は、皮膚や目に強い刺激を与えるものがあり、皮膚を傷める危険があります。実際に、剥離剤に関係した皮膚の炎症事例も報告されています。取り扱うときは、手袋などで皮膚を守ることが大切です。

まとめ

この問題では、洗剤の種類ごとに何の汚れに向いているかを整理できているかがポイントです。

 

特に大切なのは、酸性洗剤は油汚れ用ではないという点です。
酸性洗剤は水あかや尿石
アルカリ性洗剤は油脂分を含む汚れ
という形で覚えると整理しやすいです。

 

あわせて、界面活性剤は濡らして浸透しやすくすること、リン酸塩は富栄養化につながること、床の表面洗剤は泡立ちが少ないものが向くことも、よく出る内容なのでまとめて押さえておくと役立ちます。

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