建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士) 過去問
第55回(令和7年度(2025年))
問179 (ねずみ、昆虫等の防除 問14)

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問題

建築物環境衛生管理技術者(ビル管理士)試験 第55回(令和7年度(2025年)) 問179(ねずみ、昆虫等の防除 問14) (訂正依頼・報告はこちら)

ねずみ・害虫対策のあり方に関する次の記述のうち、最も不適当なものはどれか。
  • ねずみ・害虫などの有害生物を防除することを、ペストコントロールという。
  • IPMに基づく防除には、ヒトの健康に対するリスクと環境への負荷を最小限にとどめる方法を取り入れる。
  • IPMにおける調査の考え方において、6か月以内又は2か月以内ごとに行う調査を定期調査という。
  • 粘着トラップは、ネズミやゴキブリ等を捕獲・防除するために使用される。
  • ねずみ・害虫対策で最も重要なことは、薬剤や器具等を用いた発生時対策である。

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この過去問の解説 (3件)

01

この問題は、ねずみ・害虫対策の基本的な考え方、とくにIPM(総合的有害生物管理)の理念と、実際に使われる調査・防除手法について理解しているかを問うものです。現在の防除は、単に害虫が出たら薬剤で駆除するという考え方ではなく、発生しにくい環境を整え、必要に応じて調査や捕獲、薬剤使用を組み合わせる考え方が基本です。そのため、予防重視か、発生後対応重視かという視点が大切になります。

選択肢1. ねずみ・害虫などの有害生物を防除することを、ペストコントロールという。

適切です。 ねずみ・害虫などの有害生物を防除する際には、単に薬剤で駆除するだけでなく、発生源対策や環境整備、監視などを組み合わせて、より効果的で持続的な管理を行うことが求められます。こうした「最も望ましい方法で有害生物を抑える」という考え方を指す表現として、ベストコントロールという語が用いられることがあります。この語は、状況に応じて最適な手段を選択し、過剰な薬剤使用を避けながら防除を行うという考え方を示すものであり、この記述は適切です。

選択肢2. IPMに基づく防除には、ヒトの健康に対するリスクと環境への負荷を最小限にとどめる方法を取り入れる。

適切です。その理由は、IPMの中心的な考え方が、害虫やねずみを効果的に管理しながらも、人の健康や周囲の環境に与える悪影響をできるだけ小さくすることにあるからです。従来のように薬剤へ過度に依存すると、人体への影響、薬剤抵抗性の発達、環境汚染などの問題が生じるおそれがあります。そこでIPMでは、清掃や整理整頓、侵入防止、発生源除去、モニタリングなどを優先し、必要な場合に限って適切に薬剤を用います。この記述はIPMの基本理念を正しく表しています。

選択肢3. IPMにおける調査の考え方において、6か月以内又は2か月以内ごとに行う調査を定期調査という。

適切です。その理由は、IPMでは防除作業そのものだけでなく、事前・事後の調査が非常に重要であり、一定の間隔で繰り返して実施する調査を定期調査と考えるからです。対象施設や管理状況によって調査間隔は異なりますが、継続的に状況を把握して発生傾向や侵入経路を確認し、必要な対策を見直していくことが大切です。問題文の「6か月以内又は2か月以内ごと」という表現は、建築物の用途や状況に応じた定期調査の考え方を示しており、内容として適切です。

選択肢4. 粘着トラップは、ネズミやゴキブリ等を捕獲・防除するために使用される。

適切です。その理由は、粘着トラップは物理的防除の代表的な資材であり、ねずみやゴキブリなどの捕獲に広く用いられているからです。ゴキブリ用の粘着トラップは、生息密度や出没場所を把握するための調査にも役立ちますし、捕獲そのものによって個体数を減らす効果もあります。また、ねずみに対しても粘着シートが使われることがあります。薬剤を使わずに対応できるため、食品を扱う場所や薬剤使用に配慮が必要な場所でも活用しやすい方法です。このため、記述は適切です。

選択肢5. ねずみ・害虫対策で最も重要なことは、薬剤や器具等を用いた発生時対策である。

不適切です。その理由は、ねずみ・害虫対策で最も重要なのは、発生してから駆除することではなく、そもそも発生しにくい環境をつくる予防的対策だからです。例えば、餌になるものを放置しない、水分をためない、侵入経路を塞ぐ、清掃を徹底する、不要物を減らすといった対策は、発生源そのものを断つうえで非常に有効です。薬剤や器具を使った対策は、発生後の対応として必要な場合がありますが、それだけでは再発しやすく、根本解決になりません。したがって、この記述が最も不適当です。

参考になった数3

02

最も不適当なものは「ねずみ・害虫対策で最も重要なことは、
薬剤や器具等を用いた発生時対策である」です。

選択肢1. ねずみ・害虫などの有害生物を防除することを、ペストコントロールという。

正しいです。
ねずみ・害虫などの有害生物のことを英語でペストと言い、
防除することをペストコントロールと言います。

選択肢2. IPMに基づく防除には、ヒトの健康に対するリスクと環境への負荷を最小限にとどめる方法を取り入れる。

正しいです。
健康リスクと環境負荷を抑えるため、薬剤の使用は最小限にします。

選択肢3. IPMにおける調査の考え方において、6か月以内又は2か月以内ごとに行う調査を定期調査という。

正しいです。
生息状況の調査は発生しやすい厨房などは2か月以内ごとに1回、
それ以外の場所は6か月以内ごとに1回実施します。

選択肢4. 粘着トラップは、ネズミやゴキブリ等を捕獲・防除するために使用される。

正しいです。
粘着トラップはねずみやゴキブリを捕獲・防除に使用されます。

選択肢5. ねずみ・害虫対策で最も重要なことは、薬剤や器具等を用いた発生時対策である。

誤りです。
ねずみ・害虫対策で最も重要なことは餌を断つことによる発生源対策です。
その次に侵入経路を断つ侵入防止対策、最後に粘着トラップや薬剤を
使用した発生時対策をします。

まとめ

ねずみ・害虫対策の優先順位を覚えておきましょう。

参考になった数1

03

この問題で覚えておくポイントは以下の通りです。ねずみ・害虫対策の基本的な考え方として、現在は「IPM(総合的有害生物管理)」という手法が推奨されています。

選択肢1. ねずみ・害虫などの有害生物を防除することを、ペストコントロールという。

正しいです。
ペストは害虫・有害生物を意味し、ペストコントロールとは有害生物を防除・管理することを指します。

選択肢2. IPMに基づく防除には、ヒトの健康に対するリスクと環境への負荷を最小限にとどめる方法を取り入れる。

正しいです。
IPMは、環境や人体への影響を最小限にとどめながら、最も経済的な方法で有害生物による被害を許容水準以下に抑えることを目的とした管理手法です。薬剤偏重の防除を避けることが基本方針の一つです。

選択肢3. IPMにおける調査の考え方において、6か月以内又は2か月以内ごとに行う調査を定期調査という。

正しいです。
IPMでは調査結果に基づいて管理水準を「許容水準」「警戒水準」「措置水準」の3段階に分類します。許容水準にある場合は6か月以内ごとに、警戒水準にある場合や発生しやすい場所では2か月以内ごとに調査を行います。このように定期的に実施する調査を定期調査といいます。

選択肢4. 粘着トラップは、ネズミやゴキブリ等を捕獲・防除するために使用される。

正しいです。
粘着トラップは粘着剤を塗布したシート状の器具で、通り道に設置してネズミやゴキブリを捕獲する物理的防除手段です。薬剤を使わず安全性が高い点が特長で、生息状況の調査にも活用されます。
 

選択肢5. ねずみ・害虫対策で最も重要なことは、薬剤や器具等を用いた発生時対策である。

誤りです。
ねずみ・害虫対策で最も重要なのは、有害生物を発生・侵入させないための予防的な取り組み、すなわち発生前の環境的対策です。薬剤や器具を用いた発生時の対策は、あくまでも最終的な手段として位置づけられます。

まとめ

IPMの核心は「まず発生しにくい環境をつくる」ことにあります。環境的対策(整理整頓・清掃・食品管理)→物理的対策(侵入経路の遮断・トラップ設置)→化学的対策(薬剤使用)という優先順位を覚えておきましょう。

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